浜家の午後のひととき
~ここは浜家の大きなリビング~
あーん あーん…
リビングから楓浜ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
永明さん、桜浜ちゃん、桃浜ちゃん、結浜ちゃん、彩浜ちゃんは、その声を聞きつけて続々とリビングに集まってきました。
見ると楓浜ちゃんはふかふかのカーペットの上にちょこんとお座りして、あーんあーん…と大きな声で泣いています。
良浜はその側のソファに座って、ため息をついていました。
永明「おぉ!楓ちゃん、どないしたんや、ん?父さんが抱っこしたろか?」
楓浜「やー!あーんあーん」
桜浜「楓ちゃん、お腹すいたのかな?ミルク飲む?」
楓浜「やー!あーんあーん」
桃浜「楓ちゃん、どうしたんだろう…さっきからずっと泣き止まないわね…」
良浜「楓ちゃんね、口うつしでお水を飲みたいって言うから、ずっとそうしてあげてたんだけど、口をずっと開けていたからアゴが痛くなってきちゃったのよ。だから少しおやすみね、って言ったら…泣いてしまってね…」
良浜はほっぺたに氷のうを当てながら話しました。
あーん あーん…
永明「せやったら、父さんが口うつししたろやないか。どうやろ?楓ちゃん」
楓浜「やーーーー!!あーんあーん」
永明「わしじゃぁ、だめかいな…ションボリ」
結浜「そうだ!楓ちゃんの好きなハチミツ水はどう?甘ーくておいしいよ!ゆい、作ってあげる!」
楓浜「やー!あーんあーん」
彩浜「ふうちゃん、おりんごジュースはどうでしゅか?おいちいでしゅよ!さいも、だいしゅきでしゅ」
楓浜「やー!あーんあーん」
彩浜「だめでしゅか…」
家族みんな、はぁーっと息を吐き肩を落としました。
すると…良浜は氷のうをテーブルに置き、意を決したように言いました。
良浜「桜浜、コップにミネラルウォーターと氷を入れて持ってきてくれる?」
桜浜「わかった!ちょっと待ってて!」パタパタパタ…
桜浜はキッチンに入り、コップに氷を入れて、そこにミネラルウォーターを注ぎました。
パタパタパタ…
桜浜「はい、お母さん!」
良浜「桜浜、ありがとう」
良浜はそう言うと、コップに入った冷たいミネラルウォーターをごくごくと飲み干しました。
良浜「これでいいわ。さ、楓ちゃん、いらっしゃい。お水あげましょうね」
楓浜「!!」
楓浜は良浜の声にハッと顔を上げました。
そして、急いでテチテチテチ…と、はいはいをして良浜のところまで行きました。
良浜は楓浜を優しく抱き上げてお腹の上に乗せると、口を開けて口うつしをし始めました。
楓浜は良浜の頬にお手てを添えて、一生懸命コクンコクン…と飲み始めました。
ヒックヒック…グス…コクンコクン…ヒック…
楓浜の頬は涙でビシャビシャに濡れていました。
桜浜「あんなに泣いて…よっぽどお母さんからお水ほしかったのねぇ…」
桃浜「やっぱりお母さんじゃなきゃだめなのねぇ」
永明「わしじゃあかんかったかぁ…チョットショック…」
彩浜「まだまだ、ふうちゃんはあかちゃんでしゅ」
結浜「ふふ、彩ちゃんもあんなだったんだよ!お母さんのお口からいつもお水ちょうだいって飲んでたもん。可愛かったんだから!」
彩浜「さいも?さいも、おかあしゃんのお口からおみずもらってたでしゅか」
結浜「そうだよー!彩ちゃんもあんな風だったんだよ!」
桜浜・桃浜「ふふふ」
桜浜と桃浜は結浜の赤ちゃんの頃を思い出して顔を見合わせて微笑みました。
結浜「えー!おねえちゃま、なに?なにー?」
桜浜「結ちゃんもね、彩ちゃんと同じようにお母さんのお口からお水もらってたのよ」
桃浜「そう、そう。とっても可愛かったよね」
結浜「えー!ゆいも?やだーはずかしー!」
永明「ガハハ そう言うてる桜浜や桃浜も、お母さんからお水もらいたい言うて、おねだりしとったんやで。みんな同じや。みーんな、お母さんのことが大好きなんやな。…ラウチャンイイナァ…」
ヤダー! ナンカ ハズカシィ! ネー! キャッキャッ! アハハ! ウフフ!
桜浜「あれ?…ねぇ」と、桃浜の肩をチョンチョンと指でつつきました。
桃浜「あらあら。ふふふ」
桃浜は、永明さんや結浜、彩浜に分るように、良浜と楓浜を指差しました。
永明「おやおや。二人とも疲れてもうたんやなぁ」
桃浜が指差す先には、良浜が楓浜を抱いたまま、二人ともスースーと眠っていた姿がありました。
永明さんは、楓浜ちゃんを桜浜ちゃんに託すと、良浜をソファに横たえ、タオルケットを掛けてあげました。
姉妹たちはプレイコーナーのお昼寝布団を整えて、そこに楓浜ちゃんを寝かせ、タオルケットをそっと掛けました。
永明「さてと、二人が寝ている間に、ランチを作るとしようかいな。みんな何がええかな?ん?」
そう言って永明さんがプレイコーナーに目をやると、楓浜ちゃんを真ん中にして、姉妹みんなお昼寝布団を敷いて寝転がっていました。
永明「ガハハ!みんなして、もうお昼寝かいな」
桜浜「だって、ここでお昼寝するの気持ちいいんだもん」
桃浜「ねー!」
結浜「みんなで寝ると楽しいもん」
彩浜「たのしいでしゅ」
楓浜「スゥースゥー…」
永明「ガハハ!やっぱりお昼寝布団揃えてよかったなぁ。ほな、みんなで寝てる間にお昼ご飯作っとこか。何がええかいな?」
永明さんが、再びプレイコーナーに目をやると、姉妹たちはみんなスゥースゥーと寝息を立てていました。
永明「フフ…みんな気持ち良さそうに眠ってもうたなぁ。さてさて、お昼ご飯、お昼ご飯!パスタにしよかいな」
ピロリン♪(LINEの通知音)
永明「ん?誰やろ?…おぉ!ジャージー乳業さん!ふむふむ…おー!午後にジャージー乳業さんからスイーツが届くて!…新作のメロン牛乳と流行りのスイーツの…マリ?…マリトットット……なんや舌を噛みそうやなぁ」
永明「ジャージー乳業さんは流行に敏感やから、流行りもんが好きなみんなが起きたら大喜びするやろなぁ」
永明さんは、みんなが喜ぶ顔を思い浮かべながら、お昼ご飯のパスタとサラダを作り始めました。
~アナタ~ノタメニ~マモリ~トオシタ♪オンナ~ノミサオ~~♪フンフン♪
キッチンからは永明さんのご機嫌な鼻歌が聴こえてきます。
浜家の午後は、ゆったりと時間が流れていきます。
おしまい
永明さん、口うつしを盛大にいやいやされちゃったw
でもかわいい娘たちに囲まれて幸せいっぱいだね
永明さんの作るパスタはきっと美味しいんだろうなー
パパママも姉妹も優しいなあ
泣きすぎて頬がビシャビシャになった楓ちゃん
かわいそかわいくてキュンです
浜家のお話キテタ━(゚∀゚)━!
今日も浜家は幸せで溢れてるなぁ
少しお姉ちゃんらしくなった彩ちゃんも可愛くて仕方ないです
浜家さん、今日もほんわかありがとシャンです!キス魔のプルちゃん、可愛い♡
娘ちゃんたちが可愛くて仕方ない永明さんに頬が緩みました
鼻歌のチョイスもグッドですw
素敵なお話ありがとう
作家さん 浜家の仲良しなお話しありがとう
いつもほっこりします
永明さんの鼻歌w
いつも素敵なおはなしありがとうございます!