『アドベンチャー小学校入学式』1
ピキはドキドキする胸を手でおさえていた。
「うち緊張してきたわ」
「なんでピキが緊張してるのよ、そもそもピキは在校生なんだから保護者席座ってちゃダメでしょ。それでなんで結はウチワ持ってきてるの?」
「ええやん、かたいこと言わんで」
「桃お姉ちゃん、今日は私の妹の記念すべき日だよ!だからおめでとうって書いたウチワで応援するの」
「3人とも静かに。そろそろ式が始まるよ」
桜浜、桃浜、結浜、ピキは妹プルの小学校入学式に母のかわりにやってきた。母はプルが小学校入学を機に、子育て支援センターの相談員として仕事を始めたため入学式に来れなかったのだ。
「それでは新入生の入場です」
新入生が体育館に入ってきた。姉たちは首を伸ばしてプルを探した。
「あっ!おったで!後ろから3番目!」
プルが緊張した面持ちで入場してきた。
「プルー!大丈夫だよー!ウチワ フリフリ」
プルがチラッと姉たちを見て、コクっと頷いた。
『アドベンチャー小学校入学式』2
「プル、大丈夫かしら」
桃浜が心配そうにプルを見つめる。
「きっと大丈夫よ、私たちの妹なんだから」
桜浜が力強く言った。
式は順調に進み、新入生ひとりひとり名前を呼ばれ順番に立ち上がっていく。
「楓浜さん」
「はい!」
元気よくプルが返事をして立ち上がった。姉4人はひときわ大きな拍手をした。
「やっぱプルはうちに似て、やればできる子やで」
「ピキじゃなくて私よ、結に似たの。ピキは不器用な子じゃん」
「なんやて!うちのほうが」
「ちょっと2人ともやめなさい!」
桃浜が2人の口を手でふさいだ。
『アドベンチャー小学校入学式』3
入学式は終わりを迎えようとしていた。
「ここで新入生にお祝いをしたいという特別ゲストがいます、それではゲストの方よろしくお願いします」
体育館中がザワザワし始めた。そこに真っ白なスーツに身を包んだゲストが登場した。
「みなしゃん、ご入学おめでとしゃんでしゅ」
なんと特別ゲストはプミだったのだ。新入生も保護者もキャーキャー騒いでいる。
「黄色い歓声が鳴り止みましぇんねぇ。自分で自分の人気が怖くなりましゅよ グフッ
えー、新入生のみなしゃんは新生活がどうなるのか不安がってる人もいると思いましゅ。しかし周りのみんなを見てくだしゃい。
みんな同じ。みんな誰もが初めてのことなんでしゅ。
失敗を恐れることは悪いことではない!人参が嫌いでも、それはその人の個性なんでしゅ!」
「いま人参関係ないやろ!ピキー」
『アドベンチャー小学校入学式』4
「一歩一歩ゆっくりでいい、歩む速度は人それぞれなんだから他人と比べる必要はありましぇん
人参が好きな人もいれば嫌いな人もいる。それでいいんでしゅ
あなたらしく大人への道を進んでくだしゃい ペコリ」
拍手の中、プミが深々とお辞儀をした。入学式は無事終了となった。
「出るなら出るって言ってや!」
「サプリメントでしゅ」
「全然ちゃうわ、サプライズや。でもありがとな。人参のことはいらんかったけど、プルへのエールになったと思うやで」
「壇上から見たプルしゃんは凛々しかったでしゅよ。プミの言葉を胸に成長していくでしゅね グフフッ」
「それはどうやろか。でも頑張るんやで!プル!」
プミが姉たちに囲まれているプルの小さな背中に抱きついた。ピキは後ろで空を見上げる。
暖かな日差しがプルの誇らしげな顔を照らしている。その顔を見つめながらプルの成長を心から願うピキであった。
ピキちゃんは明日、永明さんや良浜さんと一緒にプルちゃんの成長を願って送り出すんだね
特別ゲストさんもプルちゃんのこと応援しに来たのにニンジン話が多いよw
>>752
いいお話だ~。・(つд`。)・。
作家さん、どうもありがとう!!
ねえねたちやプミちゃんがついてるからプルちゃんはきっと大丈夫だね
プルちゃんの新しい門出に幸あれ!
颯爽と登場した特別ゲストさん、真っ白なスーツがすごくかっこいいんだけど、おちりのあたりが茶色く汚れてる気がしてならないw
白いスーツ姿のプミちゃんが想像つかなくて…
たけのこ塚歌劇団の 澄風 香 さんかなと想像しまちた。
プルちゃん、アドベンチャー小学校入学おめでとシャンでしゅ!
素敵なお話ありがとうしゃんでしゅ!
インスタのshiropandasさんの楓ちゃんのランドセル姿とリンクして想像が広がりました
特別ゲストが熱くにんじん嫌いを正当化してて笑ったw
入学おめでとう!
そして新入生や保護者からキャーキャー言われるプミちゃん、さすがです
リーちゃんのこと大将と呼びながら
リーちゃんの作ったおつまみ食べて深酒しちゃうのかな
素敵なお話ありがとしゃんでしゅ ゴワゴワ