まったりした時間に、1月頃に書いてた駄文投下してみます
リーリーパパ視点
↓
「おう。また明日頼むぜ」
世話になるにんげんの声に耳をピコピコ動かしてみせた
このところ何かと心配させているようだが
春が過ぎればじきに治まるはずだ
なあに。少しくらいの熱は風呂に入っちまえばどうにかなる
普段逢えずとも、おれのつまはただ一人だけ
展示室の照明が落とされ、世話になるにんげん達の気配も消えた
やがて訪れた静寂
「さぁ、おれたちのじかん」
腹の上にある山盛りの竹ひごを払いつつ
のっそり立ち上がる満腹のパンダだった
―とある夜の上野パンダファミリー―
扉の向こうがなにやら騒がしい
部屋と部屋の間には頑丈な扉が降りているが鍵穴を爪でチョチョっとやればモーマンタイ、ってやつだ
しかしなにかと手を尽くしてくれるにんげんに義理を立て、昼間は檻の中のパンダでいる
扉を開けずとも磨りガラス越しに近づくと大小の影が見えた
「ぱぱ!ぱぱ!」
張りついた小さな手型さえ愛しい、などと柄でもない事を思う
「シャン坊。まだ起きてんのか」
随分大きくなってきたとはいえ、まだ笹も食べられない乳飲み子
あまり夜更かしさせるなと言っているのに
むすめに甘いのはお互い様だな
「比力?(ビーリー)あなたが残した笹と竹お願いね」
幼馴染でもある、おれのつまは母になって美しさが増した
体重もマシマシ――
コホン。つまの張り手はシャレにならないので黙っておく
「今日のメシも旨かったな、仙女(シィエンニュ)」
とっておきのタケノコはサプライズだ
「だから全部食べちまったよ」
「!」
扉の向こうで大きな気配が揺れた
「全部食べたの?困ったわねぇ…アタシもうお腹ペコペコ」
「シャンもっ」
「シャンはミルク飲んだばかりでしょ?」
「ぱぱ!シャンねシャンシャンねっ今日、木から落ちたのママいたいのないないウンチした」
「こらっシャン!言わなくていいの!」
「ウンチ!ぷかぷかお芋しゃん」
「あら、ママは芋よりタケノコがいいわ」
「ぱぱ!起きたらシャンにウンチ乗ってた!おっきいの!」
きゃっきゃとむすめの笑い声が響く
「…そうか。二人ともえらいぞ」
「? えらい?」
「おれたちはな、シャン坊。食べて眠ってウンチをして大きくなるんだ」
「ウンチ!おっきいウンチ!」
「あぁそうだ。おれのむすめは大きくて美しくなる。おまえのママもな」
タケノコを小脇に抱え、手の中にあるリンゴの欠片を潰さないように
慣れた手つきで扉を開けながら口の端を上げるパンダだった――
張り付いた小さな手かわいいだろうなぁ
リーリー視点、案外リーリーが漢らしくて笑うw
>>80
楽しい夜のお話ありーりー!ちょっと質問が…
「ぱぱ!シャンねシャンシャンねっ今日、木から落ちたのママいたいのないないウンチした」
ママいたいのないないウンチ…てどんな意味なんでしょう?バカで文節が分からないので教えてください!w
痛いの痛いの飛んで行け~♪を幼児で言葉で言ったんじゃない?
飛んで行け~♪で普通は撫でたりするとこをウンチしたのでは?
自分もそう解釈してた
ウンチしちゃうとはシンシンらしくて面白いなと
長文失礼しました。ありがとう!
わーすてきだー
ありがとう!
ありがとうございます!
なんて素敵な一家なの!
シンシンの食欲w
リーリー視点、面白かったありがとう!
1月の作品ってことは、その後もある?
また今後も是非投下してほしい
素敵なお話ありがとう!
来日の様子の仙女すきwww
https://i.imgur.com/6ClPlgt.jpg
雄の「比力(ビーリー)」は昨晩から一睡もせず、室内運動場の中をうろうろ。
竹も少ししか食べていないが、朝になってやや落ち着いた様子になったという。
雌の「仙女(シィエンニュ)」は最初、30分ほど室内をうろうろした後、「死んだように」身じろぎもせず熟睡した。
竹10キロもほぼ完食した。