鬼ヶ島に飛ばされ幾年月…とりあえず今私の事情は省きますが作品ができたのでUPさせていただきたいと思います
また長いので分けて投稿いたしますが、長文や連投でエラーが出て書き込みできなくなるかもしれません
よろしくお願いいたします
いついつまでも
~ここは浜家の大きなリビング~
浜家のみんなは金曜日の夜をリビングでゆっくりと過ごしています。
お夕はんも終わって、お茶とみんなそれぞれが好きなお菓子を大きなこたつの上に並べて、金曜ロードショーを観ています。
ガハハガハハ.オモロイナァ.タコノオバケカイナ.ガハハ
オバケシャンコワイデシュ…
ネーネーコノオカシタベテイイ?
アーコレモオイシソウネェ
ワイワイガヤガヤ…
アナタ~ノタメ~ニィ~マモリ~トオシタオンナ~ノミサオ~♪デンワダヨ♪デンワダヨ♪
「おっ?電話や。こないな時間に誰やろか?あーもしもし?おお、雄浜か!」
永明さんは携帯電話から少し顔を離して、
「雄浜からや!」
とニコニコとみんなに伝えました。
「雄浜おじちゃま?」
「わーい!雄浜おじちゃまだー!」
「ふうも、ふうも、おはなちちゅる」
姉妹たちは雄浜からの電話に大喜びです。
「ちょうどな、みんなで映画観とるんや。なんやタコのお化けが船長だとかってオモロいやろ ガハハガハハ
あーいつものようにテレビ電話に切り替えよか?みんなリビングに集まってるさかいに。うん、うん…そうか、仕事の話か、分かった」
永明さんは、また携帯電話から顔を離して、
「みんな悪いな、ちょっと仕事の話らしいから、あっちで話してくるわ」
永明さんはリビングの角にある書棚の前のソファに移動して、そこで再び話し始めました。
「…そうか、なるほどな、うん、うん…」
ずいぶんと真剣な顔で話し込み始めたのを見て、姉妹たちは少し心配そうに永明さんを見つめていました。
「さてと、お茶新しく淹れてきましょうね」
良浜は永明さんの真剣な表情と話し方から事情を察して、姉妹たちの気をそらすように明るく声を上げました。
「わたしが淹れてくるよ、おかあさん!」
「わたしもお手伝いするー!」
桜浜がそう言って立ち上がると、結浜も桜浜についてキッチンへ行きました。
「結浜は本当にお手伝いが好きねぇ」
良浜がそう言うと、桃浜が、
「結ちゃんね、わたしと桜浜が中国へ留学するから、わたしたちから色々教わっておきたいんですって。お料理とかメイクの仕方とか」
「あらあら、うふふ、そうだったのねぇ」
桃浜と良浜がそんなふうにおしゃべりしている横では、彩浜が楓浜に折り紙を教えています。
「ふうちゃん、ここはこうやって折るんでしゅよ」
「ぶー!ぶー!」バンバンッ!
「そんなにらんぼうにたたいちゃダメでしゅよ。やさしく折るでしゅ。ああー!そんなにクシャクシャにしちゃったらダメでしゅよー」
「こりぇ、ゆきしゃん」
「あ!これ雪なんでしゅね!よくできたでしゅねニコニコ」
彩浜が楓浜のふわふわの頭を優しく撫でると、楓浜はクシャクシャに丸めた折り紙を握ったまま、ニコーッと満足げに彩浜に微笑みました。
「さあ、温かいお茶がはいったわよー!」
「おかあさんが漬けたお漬ものも持ってきたよー!」
桜浜と結浜は大きなお盆にそれぞれお茶とお漬けものを乗せて、こたつまで運んできました。
「わー!ありがとう。わたし、おかあさんのお漬けもの大好き!漬け方教えてもらったから中国で作ってみるわ」
桃浜は良浜から教わった漬けもののレシピのメモを見ながら言いました。
すると、雄浜と電話が終わった永明さんが、
「みんな、楽しんでるとこ悪いんやが、ちょっと話してもええか?」
と、真剣な顔で言ったのです。
「ええ、みんな、いいわよね?あなた、どうしたんですか?」
「うん…突然で悪いんやが…わしも中国へ行かなあかんことになった…」
「ええー!!」
みんなは驚きの声を上げ、それから息を飲んで黙ってしまいました。
「なんでも、うちの会社の浜興業の中国支部が今大変なことになってるらしいんや…。中国支部はみんなも知ってのとおり雄浜をトップに、隆浜と秋浜、幸浜にも手伝うてもろてるんやが、去年から始めた大規模プロジェクトが行き詰まってるって話でな。これを成功させるには、どうにもわしが現地に行かなあかんていうわけなんや…」
みんなは永明さんの話を聞いて、呆然としてしまいました。
「…えっと…えっと…おとうさん、日本に戻ってくるんだよね?」
口火を切ったのは結浜でした。
「…それがな…もしかしたら、難しいかもしれへんのや…」
「そんな…」
「らうちゃん、急にこないな話になって申し訳あらへんな。ほんまやったら、真っ先にらうちゃんに相談するとこなんやが、2月半ば過ぎには向こうに行かなあかんさかい、みんなが揃っているときにと思うて、こないな形で話すことになってもうて…」
「いえ…いいんですよ。よほど大変なプロジェクトなんでしょうから仕方ないですよ…。それで出発の日取りは決まってるんですか?」
「ちょうど桜浜と桃浜が中国行くときに、わしも一緒の飛行機に乗って行こうと考えとるんや」
「そうですか、あなた…お父さんが一緒なら桜浜と桃浜を送り出すのに、少し安心したわ」
「うん…わたしたちはお父さんが一緒に行ってくれるなら嬉しいし、安心だよね。…だけど…」
桜浜は桃浜と顔を見合わせてうなずき合いましたが、末っ子3人組の方を心配そうに見ると、やはりしょんぼりとしていたのでした。
結浜は目に大粒の涙を浮かべ、でも妹たち、彩浜と楓浜のことを思い、大泣きしそうなのをぐっと我慢しています。
彩浜は大好きなおとうさんまでもが中国へ行ってしまうと知って悲しくて悲しくて…おひなさまをぎゅっと抱きしめました。
そして楓浜はまだ小さいので、事態がよく理解できませんでしたが、みんなの様子がいつもと違うのでこわくなってしまい、とことことあんよして良浜のひざの上に乗り、おゆびをしゃぶりはじめました。
良浜は楓浜の頭をそっと抱き寄せて安心させようとよしよししました。
「結浜、彩浜、こっちおいで」
良浜は泣くのを一生懸命がまんしている結浜と彩浜に、そばに来るよう促しました。
結浜と彩浜はゆっくり立ち上がると、良浜に歩み寄り横に座りました。
良浜は片手で楓浜を抱っこして、もう片方の手で結浜と彩浜の背中をぽんぽんとゆっくりと優しく叩き、抱き寄せました。
良浜は結浜、彩浜、楓浜の顔を覗き込むようにして優しく微笑むと、それから顔を上げて桜浜と桃浜、それから永明さんと、順に顔を見ながら、「大丈夫よ」というように、うん、うんと笑顔でうなずきました。
永明さんは申し訳なさそうに良浜に向かってうなずき、桜浜と桃浜はお互い手を握り合って、妹たちを心配そうに見つめていました。
その夜の浜家のリビングは、いつもよりちょっぴり静かに過ぎていったのでした。
一旦ここまでにいたします
昼間に続きを投稿したいと思います
ワイワイタウンの住人の皆さまのお話のお邪魔にならないようにしたいと思っております
よろしくお願いいたします
ゴワゴワ貸してくだしゃい
ベビールームさん、鬼ヶ島だったのですね
浜家のお話、ありがとうございます
ウルウルドキドキしながら読み進めました
続き楽しみにしています
ベビルさんお話ありがとうございます
賑やかな浜家が静かになって…
ゴワゴワ列待機しながらお待ちしてます
>>346
ベビルさん、おかえりなさいませ
久々の浜家、続きが楽しみでもあり哀しくもあり…
ほんとここ数日は情緒不安定になる気がします
ゴワゴワ列に並びます
ベビールームさん、おかえりなさい!
永明さんの渡航は浜家のみんなにとってもとても急で衝撃的な出来事だったことが伝わってきます…
お話の続き楽しみにしております
>>346
ベビールームさん、おかえりなさい!
またお話投稿していただけないかなぁ…と思いつつ、あまりせかすようなことを言うのもいけないかとも思ったりしてました。
鬼が島だったのですね。最近本当に規制が多い…。
静かになってしまった浜家の大きなリビング…寂しいけれど、この家族ならきっと乗り越えて、また明るい笑顔でお話できますよね。
健気に冷静を保つラウちゃんに、泣くのを我慢する下の娘たち…桜桃ちゃんも複雑ですね。
続き、楽しみにしています。