このスレを読み返し、皆さんの作品やレスひとつひとつ涙しています。眠れません
リレークッキングおまけ編から2時間後くらいの、パンダ舎のひとときを書きました
ちょっとププッと笑っていただけると幸いです
親父の一番長い日 前編
「いやあだー!ねえねとあしょぶううううー!」
「シャッター叩かないの!こっちのお家は古いんだからね」
「ねえリーくん、それは叱る理由が違うんじゃないかしら」
「ねえねー!ここあけてー!うわああああん!」
弟妹の「あしょぼ攻撃」を逃れ、シャンシャンが5号室に引きこもって一時間。
忙しい長靴さんをつかまえて、その手を借りてようやく荷造りが完了しました。
「あの木の切れっ端まで持ってくんだから、そりゃ荷物が多いわけだよな」
「切れっ端なんて言わないでくだしゃい、鉄仮面は宝物なんでしゅからね」
「あれ木製なんだけど」
「でも鉄仮面でしゅ!」
荷物の中で一番大きな箱は軽いですが、文字通り「シャンシャンの宝箱」です。
天地無用に割れ物注意、下積み厳禁に水濡れ厳禁。シールだらけになりました。
「プールの栓は入れてないよね」
「そこは一応わきまえてましゅ」
「良かった。備品の持ち出しは困るから」
隣の部屋が急に静かになって、パンダ舎にはバキムシャ音だけが響き渡ります。
どうやらリーさんが、シャオシャオとレイレイを再び庭へ連れ出したようです。
廊下から、コツコツと足音が聞こえてきます。聞き慣れた長靴の音ではありません。
「こんな時間に獣医しゃんでしゅかね?それとも園長しゃんかちら…?」
扉の格子から様子を伺います。姿は見えませんが、とても懐かしいにおいがします。
>>430
親父の一番長い日 後編
足音が5号室の扉へ近づいてきて、暗い廊下にキラリと何かが光って見えました。
長靴さんの眼鏡でしょうか?いいえ、長靴さんはシャンシャンの後ろにいますよ?
「班長しゃん…?」
「前班長、ですよ」
足音の正体は、この部屋で銀皿争奪戦を繰り広げてきた前の班長さんでした。
シャンシャンにとっての「育ての父」が、久しぶりにパンダ舎に揃いました。
「もちかちて!一緒に行ってくれるんでしゅか?」
「誰が一緒に行くかは内緒になってるはずだけど」
「アイアイしゃんとは台湾に行きまちたよね?シャン知ってるんでしゅから」
「そう言えばさっき聞いたよ、小雅ちゃんが一緒に行ってくれるんだって?」
「ああん!それはトップシークレットでしゅ!こっかきみつでなんしゅよ!」
腕を組んで二人の会話を楽しげに聞いていた長靴さんが、ふと我に返りました。
「シャンシャン?まさか銀皿まで荷物に入れた?」
「んなっ!なんのことでしゅかねえ…?」
「うわ、やっぱり入ってる」
「シャンシャン、備品の持ち出しは駄目なんだよ」
「れ!れいしょうでしゅ!」
頭を抱えてゴロンゴロンするシャンシャンを、二人の父は生暖かく見守っています。
(あのさ…シャンシャンの中国語そんなに駄目なの…?)
(それ聞きたい…?ちょっとバックヤードに行こう…泣)
(え…なんか怖いんだけど…)
>>431
親父の一番長い日 おまけ編
ブツッ…
『あーあー、リーリーくん今どこですか。どーぞ』
「庭でプールの栓を捜索中!どーぞ!」
『栓を回収後、速やかにバックヤードへ。どーぞ』
「暗くて時間かかる見込み!どーぞ!」
『前班長がお泣きです。ゴワゴワを数枚よろしく』
ブツッ…
「え…なんか怖いんだけど…」
右手にトランシーバー、左手には懐中電灯。
暗闇の庭で、リーさんは立ち尽くしました。
終(しかし親父たちの一番長い日は今からが本番です)
前班長さんきたー!
シャンちゃんは優しい父が三人もいるんだよね
銀皿攻防戦はリアルでも忘れられないw
おりんごくだしゃいの中国語は覚えたかな
プミちゃんが無事到着しホッと一息ついたところで、今朝早くに投稿されたふたつのお話をゆっくり読ませていただきました
>>430-432
プミちゃん、大きな箱にたくさんたくさん宝物を詰め込んだんだね
栓は我慢したけど銀皿はしれっと荷物の中に…w
前班長さんの登場にプミちゃん同様私もテンションがあがりましたw
梨男さん、お父さんトリオの楽しく微笑ましいお話ありがとうございました