暖かい昼下がり 公園のベンチで小雅とシャン子はコトを待っていた。
「コトちゃん遅いでしゅね?」
お気に入りのマフラーのシャン親方は足をぶらぶらさせていた
「明日は公園で親方ごっこをしようね!」
三人で約束した。小雅とシャン子は今日を凄く楽しみにしていた。
「そだね、コトちゃんまだかなぁ?」
昨夜 布団に入るまで鏡の前で一生懸命練習した小雅もお気に入りのタオルを肩に掛け シャン親方の隣に座って足をぶらぶらさせた
プップー!
大きなクラクションの音
公園の入り口にトラックが止まっていた
トラックの助手席からコトちゃんが泣きながら両手を振っている
「小雅ちゃーん!シャン子ちゃーん!ヒックヒック
「コトちゃん!!?」2人は同時に声を上げてトラックに向かって走って行った
「コトちゃん?どうしちゃったの?なんで泣いているの?」
「コトちゃん泣いちゃだめでしゅ!ヒックヒック、シャンも涙が出てきましゅよ!ヒック
「親方ごっこ約束破ってごめんね。
お母さんと田舎に帰ることになったんだヒックヒック
いつのまにか三人とも泣いていた
「こんにちは」
運転席からコトの母親がニコニコしながら降りてきて
泣きじゃくる三人に優しく話し出した
え?コトちゃん売られるの?((( ;゚Д゚)))
トラックの助手席=引っ越しじゃないか?
>>20
親方ごっこwwww
いや、コトちゃんどした
気になる気になる!!
「小雅ちゃんとシャン子ちゃんね?コトから新しいお友達が出来たって聞いていたのよ
いつもコトと仲良くしてくれてありがとね」
「GWだから田舎のおばあちゃんの家にお泊りに行くだけなのにね、コトが勘違いしちゃてね。
明日は小雅ちゃんとシャン子ちゃんと公園で親方ごっこをするの!お母さんのバカバカバカ!って泣いて泣いて」
泣きじゃくっていた小雅はコト母の話を聞いて理解したのか「コトちゃん、お別れじゃないんだってお母さんが言ってるよ?田舎のおばあちゃんの家に遊びに行ってお泊りしたら
また帰ってくるんだよ。また一緒に遊べるよ」
泣きじゃくるコトの頭を撫でて言い聞かせた
「ほんと?小雅ちゃん?また一緒に遊べるの?親方ごっこもできるの?
コトは涙をポロポロこぼしながら小雅に抱きついた
「ほらね、お母さんが何度も言ってたでしょー」コト母はやれやれとした表情で笑った
「そーなんだ!よかったー!小雅ちゃんとシャン子ちゃんとお別れしなくていいんだねー!やったーー!」コトはニコニコ笑顔でピョンピョン飛び跳ねた
ヒックヒックヒック
お気に入りのマフラーを涙でびしょびしょにしながらシャン親方は泣き続けていた
「ヒックヒック!コトしゃんはもうシャンとさよならなんでしゅか?ヒックヒックおばあちゃんの家にずっとお泊りに行ってしまうのでしゅか?ヒックヒック
いちばん幼いシャン子には、コトがさよならしてしまう。さみしい。悲しい。行かないで。と言う思いで頭がいっぱいだった。
小雅は自分の首にかけていたタオルでシャン子のこぼれおちる涙を拭いてあげながら
シャン子にも優しく分かりやすく説明した。
シャン子は満面の笑顔でピョンピョン飛び跳ねた。
キャッ♪キャッキャッ♪キャッ♪あははは♪
さっきまで抱き合って泣いていた三人は、手を繋ぎ輪になってピョンピョン飛び跳ねて笑った
「ごめんねコト。」
小雅とシャン子と一緒にはしゃぐコトを見ながらコトの母親は心の中でつぶやいた
なにー!?
ゴメンネってやっぱりお別れか?
なんかこっちまで涙が
ちびちゃんたち、泣かないで。
北国のくせにマフラー持ってないけど、プラ仮面ならあるから、元気だして。