べビルさんよりコメント
いつも読んでくださりありがとうございます。ベビールームです。
この度、作品を書きましたので、わいわいさんのサイトにて投稿させていただきました。
ただ、この作品にはパンダさんが登場しませんので、その辺りをご了承いただき読んでいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
はじめてのおてつだい
〜ここは上野のゴリラの住む森〜
プロローグ
ガラガラガラガラ…キャッキャッ…ワーイ…ピャーピャー…
レイ 「わぁ!シャオみてー!プレーリードッグの赤ちゃんたちが保育園のカートにのってお散歩してるよー!」
シャオ「ほんとだ!あはは、よろこんでる子や泣いてる子いろいろだね!」
アルン「やあ!レイちゃん、シャオくん!」
レイ 「あ!アルンにいちゃま!アルンにいちゃまがカートおしてあげてるのね」
シャオ「さすがアルンにいちゃまだ!力もちだなぁ」
ヒカリ「レイちゃん、シャオくん、こんにちは」
レイ 「ヒカリおねえちゃま!ヒカリおねえちゃまもおてつだいしてるの?」
ヒカリ「うん。わたしはね、この子たちがおうちに着いたら、カートからおうちに移動するのをお手伝いしてるの」
シャオ「わー!赤ちゃんたちがおうちに帰るとこみたい!」
アルン「じゃあ、着いておいで!」
トコトコ…ガラガラ…キャッキャッ…ピャーピャー…トコトコ…ガラガラ…
アルン「さあ、おちびちゃんたち、おうちに着いたよ」
キャッキャッ…ピャーピャー…
ヒカリ「さてと…」
ヒカリちゃんはカートの中にいるプレーリードッグの赤ちゃんを1匹ずつ首をくわえて、カートから柵越しに赤ちゃんをおうちに戻してあげました。
ヒカリちゃんに首根っこを咥えられと、赤ちゃんたちはパタパタとあんよを動かしました。カートから柵を越える動作がまるでジェットコースターみたいなので、それが嬉しいのです。
* * *
プレーリードッグのお父さん、お母さん「アルンくん、ヒカリちゃん、今日もありがとう。お世話になったね」
アルン「みんな、いい子だからお世話も楽しいです」
プレーリードッグのお父さん、お母さん「みんな、アルンお兄さんとヒカリお姉さんにお礼を言いましょうね」
プレーリードッグの赤ちゃんたち「あるんおにいちゃま、ひかりおねえちゃま、あいあとー」
アルン・ヒカリ「どういたしまして!」
シャオ「こんどは、ぼくもおてつだいしたいな」
レイ 「わたちも!」
プレーリードッグのお父さん、お母さん「ええ、今度はシャオくん、レイちゃんもよろしくお願いしますね」
シャオ・レイ「はーい!」
これで今日のプレーリードッグの赤ちゃんたちのお散歩のお手伝いは終わりました。
アルン「まだ明るいからうちのお庭であそんでく?」
シャオ・レイ「わーい!あしょぶ、あしょぶ!」
ヒカリ「うん!」
こうして、4人(4頭)は、アルンくんのおうちのお庭でめいっぱい遊ぶのでした。
そして、ウタイさんとスーリヤさんが、おやつの用意をして、遊んでお腹がすいた4人を待っていてくれるのでした。
1
スモモ「ねーねー!ママー!あたちもプレーリードッグしゃんのあかちゃんたちのおしぇわちたいの!」
モモコ「そうねぇ、でもスモモには赤ちゃんのお世話はまだ早いわ」
スモモ「あたちもしゅゆの!ちたいの!」
モモコ「困ったわねぇ。まだスモモは小さいから赤ちゃんのお世話は難しいわ」
スモモ「やー!しゅゆのー!おしぇわしゅゆー!」
モモコ「しょうがないわねぇ。リキ!スモモに付き添っていってくれる?プレーリードッグさんのお父さんには連絡しておくから」
リキ 「いいよ!おれもプレーリードッグさんの赤ちゃんたちに会いたいし。じゃあ、スモモ、お兄ちゃんと一緒に行こうか」
スモモ「うん!おにいちゃん、あのね、スモモね、あかちゃんだいしゅきなの!」
リキ 「あはは!スモモもまだ赤ちゃんだけどな」
スモモ「スモモ、あかちゃんじゃないもん!プクー」
リキ 「じゃあ、もうおんぶはしなくていいのかな?」
スモモ「やー!おにいちゃんのおんぶ、スモモだいしゅきだもん!」
リキ 「あはは、しょうがないなぁ。まだまだ甘えん坊だな」
リキくんとスモモちゃんはお手てをつないで、ゴリラの住む森からプレーリードッグのご家族の住むおうちへ向かいました。
2
リキ 「プレーリードッグさんのお父さん!お母さん!こんにちは」
プレーリードッグのお父さん、お母さん「リキくん、スモモちゃん、いらっしゃい!」
スモモ「こんにちは!」
プレーリードッグのお母さん「こんにちは、スモモちゃん。今日は赤ちゃんたちのお手伝いをしてくれるんですって?」
スモモ「はい!よろちくおねがいちまちゅ」
プレーリードッグのお母さん「じゃあ、こちらに来て、この子たちの体を拭いてくれるかしら?」
プレーリードッグのお父さん「さっき、お散歩から帰ってから、体を拭く間もなく遊び疲れて眠ってしまってね。だから、体や手足を拭いて欲しいんだ」
プレーリードッグのお父さんはそう言うと、ちょうどいい温度のお湯を入れたバケツとタオルを運んできました。
プレーリードッグのお父さん「お湯にタオルをつけてから絞って、それで体や手足を拭いてくれるかな?」
リキ 「分かりました!さ、スモモ、おれが赤ちゃんを抱っこしてるから、スモモは赤ちゃんの体と手足を拭いてあげてくれるかな?」
スモモ「うん!スモモ、ふいてあげりゅ」
プレーリードッグの赤ちゃんたちは、あくびをしたり、おめめをこすったりしながら、お昼寝お布団から次々と起きだしてきました。
リキくんは、お昼寝から起きて、ヨチヨチとそばまで歩いてきたプレーリードッグの赤ちゃんを一匹抱き上げると、膝の上に優しく乗せました。
プレーリードッグの赤ちゃんは「ピャー!」と鳴き声をあげ、そして仰向けになったまま、おててとあんよをパタパタと動かしました。
ピャーピャー…パタパタ…
リキ 「さあ、スモモお姉ちゃんに体を拭いてもらおうね」
スモモ「あたち、おねえちゃん!?」
スモモちゃんは、リキくんに『お姉ちゃん』と呼んでもらって、とても誇らしい気持ちになり、ほっぺがピンク色になったのでした。
3
スモモ「じゃあ、いまからふいていきましゅね」
スモモちゃんは温かいおしぼりで、リキくんのお膝の上に仰向けに寝転がってるプレーリードッグの赤ちゃんに優しく声をかけながら、体と手足を拭いていきました。
まずはお顔から。
お散歩で公園に寄って泥んこ遊びをしたのでしょう。
お顔が泥で真っ黒になっています。
それをスモモちゃんは温かいおしぼりで、丁寧に拭きながら泥を取っていきました。
プレーリードッグの赤ちゃんは、おめめをギューっとつむって、気持ちよさそうにお顔を拭いてもらっています。
タオルを取り替えながら、次はお腹から背中、それから小さなおててやあんよを優しく拭いていきました。
するとプレーリードッグの赤ちゃんは、くすぐったがってキャッキャッと声をあげました。
スモモ「はい、ふけまちた。いいでしゅよ」
一匹の赤ちゃんが拭きおわると、リキくんはそっと床の上に赤ちゃんを戻しました。
すると赤ちゃんは、「ピャー!」と一鳴きしながら急いでお母さんのところへ走っていき、すぐさまおっぱいを飲みはじめたのでした。
スモモ「ああーかわいいー」
スモモちゃんは無我夢中になっておっぱいを飲んでいる赤ちゃんを見て、微笑ましく思いニコニコ笑っています。
リキくんは、そんなスモモちゃんを見て、胸がちくんと痛くなりました。
4
それは、スモモちゃんが生まれた時のこと。
お母さんのモモコさんがスモモちゃんを出産した後に具合が悪くなり、スモモちゃんのお世話ができなくなってしまったのです。
スモモちゃんは飼育員さんたちの手でお世話され、しばらくは家族から離れて過ごすことになりました。
家族と離れたのち、しばらく経って檻越しにお互いが見えるような状態で何ヶ月も過ごしたのでした。
ハオコパパ・モモコママ・コモモ姉さん・モモカ姉さん・リキくん・トトおばさん、家族みんながスモモちゃんの成長を見守っていました。
いつか必ず一緒に暮らせる日が来ることを祈りながら…。
やがてモモコママの体調もよくなり、ようやくスモモちゃんが家族の元に戻れたのは、約10ヶ月も経ってのことでした。
リキくんは、生まれてすぐにお母さんからおっぱいを飲めなかったスモモちゃんを不憫に思っていたのでした。
それでもスモモちゃんは、プレーリードッグのお母さんのおっぱいを、優しく抱っこされて飲む赤ちゃんの幸せそうな光景を見て、自分のことのように、うれしそうにニコニコと笑っているのです。
リキくんは、
『今スモモが笑顔なら、それでいいんだ』
と、スモモちゃんのことを見つめながら思ったのでした。
スモモ「おにいちゃん、つぎのあかちゃんがまってるよ!」
リキ 「いけね。ごめんね、お待たせしたね」
赤ちゃん「ピャー」
こうしてスモモちゃんとリキくんは、赤ちゃんたち、全員の体を拭いてあげたのでした。
5
プレーリードッグのお父さん「リキくん、スモモちゃん、今日はお疲れさまでした」
プレーリードッグのお母さん「うちは子どもがたくさんいるからお手伝いしてくれて、とっても助かったわ。ありがとうね」
プレーリードッグのお父さん「さあ、みんな、リキお兄ちゃんとスモモお姉ちゃんにお礼を言おうね」
赤ちゃんたち「りきおにいちゃま、すももおねえちゃま、あいあとー!!」
リキ・スモモ「どういたしまして!!」
バイバーイ!ピャー!アイアトー!バイバーイ!ピャー!ピャー!
リキくんとスモモちゃんはプレーリードッグの赤ちゃんたちに手を振って、帰っていきました。
しばらく歩いていると。
スモモ「おにいちゃん、おんぶ…」
リキ 「あはは!しょうがないなぁ。ほら、のんのしな」
スモモ「うん!スモモね、おにいちゃんのおしぇなか、だいしゅき!」
リキ 「えへへ テレッじゃ行くぞ!」
スモモ「うん!しゅっぱちゅしんこー」
リキくんはスモモちゃんをおんぶしました。
スモモちゃんはリキくんのお背中にもたれると、すぐにうつらうつらと眠り始めてしまいました。
リキ「赤ちゃんたちのお世話、はりきってやったから疲れたんだな」
リキくんはひとり言を言うと、なるべくスモモちゃんが揺れないようにゆっくりと歩いて、ゴリラの住む森に戻りました。
6
リキくんは「ただいま」と、スモモちゃんを起こさないように小さな声でおうちに入りました。
ハオコ「おお、おかえり、おかえり。スモモよく眠っているな」
真っ先に出迎えたのは、ハオコパパでした。
ハオコパパもスモモちゃんが眠っているのを見て小声でこたえました。
ハオコパパはリキくんの背中から、そっとスモモちゃんを抱き上げました。
スモモちゃんはハオコパパの大きな腕の中にすっぽりとおさまって、ぐっすり眠り続けています。
モモコ「リキ。スモモと赤ちゃんたちのお世話、お疲れさま」
リキ 「スモモ、すごくはりきってお世話してたよ。うれしそうだったな」
コモモ「いつもお世話される側だからうれしかったのね」
モモカ「うふふ、見て。スモモの顔。満足そうに笑ってるわ」
トト 「どれどれ。あらまあ、ほんとだ」
みんなはハオコパパに抱っこされているスモモちゃんを覗き込みました。
スモモちゃんはすやすやと満足そうな笑顔で眠っています。
みんなはスモモちゃんの顔を見て目を細めて微笑みました。
スモモちゃんが起きたら、今日赤ちゃんたちのお世話をしたことを家族みんなに身振り手振りで一生懸命お話しするのでしょう。
家族みんなはそんなスモモちゃんを想像をして、みんなで顔を見合わせてフフッと笑いました。
ゴリラの住む森に幸せな時間が流れています。
おしまい
サムネ作:わいわい
(補足)128スレ380-381のお話をプロローグとして掲載しました。
べビルさんへのご感想をワイワイスレに頂けますと幸いです☺️