ー温泉プミ女将の湯けむり事件簿④
宿のバーで湯庵と力男が飲んでいると、泥を洗い流しサッパリしたチーザイが入ってきた。
「プミコチャンボクハイチゴミルクセーキ ノミタイ」とカウンターの中のプミ子にお願いした。
湯庵はチーザイが泥だらけだった理由を尋ねると
「タキツボデ サガシテイタ」と答えチーザイの目から涙が溢れた。
イチゴミルクセーキを運んできたプミ子が
「ではちーざいしゃんがはんにんでしゅかプミ?」
「プミちゃん、チーザイ君は探しものをしていただけで、犯人というわけではないよ。それに…」と言いながら泣いているチーザイを見て力男は黙り、湯庵もプミ子も黙ってしまった。
その頃、シンコは飛鳥Ⅱのロイヤルスイートでテーブルにあったカナッペを手のひらに乗せ、プミ子が小さい頃遊んだリカちゃん人形のハンバーガー屋さんのハンバーガーサイズねと思いながら「パクッゴクリ」と平らげた。
ウェルカムドリンクのスパークリングワインで火照った体を冷やそうと部屋のバルコニーに出て潮風を浴びながら、ふと同級生達は皆どうしているのだろうと思った。
…つづく
続きが気になりすぎなの~
>>131
探し物はチーザイ君にとってとても大切な物なのね
シンコさん、まさかこのままどこかに?
また続きを楽しみにしてますプミーピキー
>>131
いきなりチーザイ犯人扱いでワロタww
なんか今日はお話たくさん凄いなw
チーザイくんが泣いてるなんて何があったんだろう
気になって仕方ない
ー温泉プミ女将の湯けむり事件簿⑤
シンコは大勢の同級生と暮らし、ブランコやプロレスゴッコで無邪気に遊び、大きな地震があり避難生活を強いられた同級生達を思い出し、皆幸せにしているかしら?と思った。
どんな巡り合わせかシンコと力男は言葉も解らない日本という国にやってきた。
力男は心細そうにしていたが、「美味しいものがあればこの世は天国」を座右の銘にしていたシンコは用意されていた軽食を食べグッスリと眠った初めての日。
それからは働きづめに働いた。
和菓子屋、洋菓子屋、ホームセンター、警備、クルーズ船、釣り船?etc.
どんな仕事もまあるい笑顔で引き受け、夜はスナックシンコを切り盛りし、プミ子を育て上げた。
たまにはこんな贅沢してもいいはずね。贅沢に慣れていないシンコは自分に言い聞かせた。
バルコニーで思い出にひたっていると部屋から船内放送が聞こえてきた。
「皆様、お食事のご用意が出来ました。ラウンジにお越しください」
「食べ放題…よねギュルルルル」
シンみり。と思ったらお腹がなってたwwww
毎日ありがとう!
美味しものがあればこの世は天国って、名言だよw
シンコさんを見習わないといけないね
なんだか涙が出るよ
いいお話だなぁ
シンコ、たくさん食べてねw
ー温泉プミ女将の湯けむり事件簿⑥
シンコは力男からプレゼントされた桜色のワンピースに着替え、最近気になってきた二の腕を隠すためにストールを羽織ってラウンジに向かった。
リー君どこにお金があったのかしら?
深く考えないでおこう。
廊下の先の開けたスペースに、華道家狩谷警部ならぬ狩谷先生の「竹林(ちくりん)若い芽吹き」と題された竹と筍が生けられたダイナミックな作品が飾られていた。
「これも…いいのかしら?ジュルルルル」
これはおいておいてまずはラウンジへと急いだ。
ひとしきり泣き落ち着いたチーザイにプミ子が尋ねた。
「ちーざいしゃんはなにをしゃがしていたのでしゅか?」
「ロンシー」チーザイが答えるとプミ子が
「ロンチーってなんでしゅか?????」
すかさず湯庵が
「プミ子、ロンチーではなくロンシーだよ」と言い、チーザイの話の続きを待った。
…つづく
なにこのドキドキ感
いつも続きが気になる終わり方で作家さん、上手だわ
1日に2話もありがとうございます!
それでじゅうぶんだってのw
あ、やっぱり?ww
wwwww