ばあばの純愛1
「ねぇ、ビーリーちゃん」
「なんだい、おばあちゃん」
「私、もう一度あの人に会いたいわ…」
「おじいちゃんにかい?」
「そうよ さよならも言わずにあの人はいってしまった」
「…」
「ずっと待っていたのよ…あのアーチ橋の下で…雨に打たれても待っていたのよ…」
「…おばあちゃん」
「あの人はあの世で待っていてくれるかしら、ビーリーちゃん?」
「縁起の悪いこと言わないでよ! おばあちゃんにはまだまだ元気でいて欲しいよ」
「そうねぇ」
「そうだよ」
ガチャツーツー
(おばあちゃんの願いを叶えてあげたいけど、僕は魔法使いじゃないしなぁ…どうしたらいいんだろう…)
つづく
ばあばの純愛2
~数日後~
「シンちゃん僕、おばあちゃんに会ってきたいんだ」
「…いいわよ こっちのことは気にしなくていいからいってらっしゃい」
「理由は聞かないのかい?」
「大丈夫よ リーくんのこと信じてる ニッコリ」
「…ありがとう、シンちゃん ちょっと長くなるかもしれないよ」
「うん、わかったわ ドーンと任せといて!」
~さらに数日後深夜~
「じゃあ、いってくるね」
「うん、新星さんによろしくね」
「プミちゃんのと頼んだよ」
「大丈夫よ 心配しないで」
「いってきます」
「いってらっしゃーい♪」
つづく
ばあばの純愛3
エッホエッホ…エッホエッホ
「さあ、着いたぞ ここが京成電鉄の旧博物館動物園駅か…近いけど見学に来たことなかったなぁ」
(ちょっとリュックを置いて…)
ドスンッ
「プミーッ!」
「えっ、プミちゃん?」
「抜けがけはダメでしゅよ、鉄男しゃん!電車に乗るときはいつも一緒でしゅよ プミーッ!」
「…鉄子さん、そうだったねぇ…ハッ、痛くなかったかい?」
「大丈夫でしゅよ ニコッ」
「シンちゃん心配しないかなぁ?」
「おかあしゃんは、すべてまるっとお見通しでしゅよ ウフフ」
「そうかぁ、さすがシンちゃんだね フフフ」
つづく