~文豪缶詰プラン その3
その桜の木は幹が大きくがっちりとしていたが、それでも二人が登っているのは心配であった
「危ないから降りなさい」
「だいじょぶでしゅ プミー」
「これも缶詰プランの一環やで 題して「文豪さんがちゃんと仕事してるか見張ってるプラン」や ピキー」
そうか、プランの一環か いや、そんな悠長なことを言ってる場合ではない
こちらの心配をよそに二人は木の上ではしゃいでいた
「この枝は丈夫でしゅよ ほら ユッサユッサ」
「おもろいなー」
枝が大きくしなっていた
時折、既に咲いている桜の花びらがひらひらと落ちていた
危ない そのうち折れるんじゃ
その時だった
ドスドスドスバキムシャドドドドド
「こらーっ そこでなにしてんの」
「やばい オオカミでしゅ」
「せやな オオカミがきたで」
それはオオカミ、いや大女将らしき人物の声だった
「すぐにおりなさい おりないとお尻ペンペンするわよっ」
「お、おりましゅよ」
「大女将、怒らんといてや」
二人はゆっくりと降りていった 私は内心ほっとした
これで執筆作業に専念できる
ファイルを開き、脚本のプロット(要約)の作業に取り掛かり始めた
暫くすると建物がかすかに揺れてる感覚がした
地震か?いや違う
ドスドスドス
階段の方から地響きがして部屋をノックする音が聞こえた
コンコン
「ご挨拶が遅れました 大女将でございます」
「はい」
私は入り口に向かった
すごいクオリティのお話でどんどん引き込まれましゅ
作家さん天才
>「この枝は丈夫でしゅよ ほら ユッサユッサ」
>「おもろいなー」
目に浮かぶようでしゅw
地響きwww
二人でボヨンボヨンしていのるが容易に想像つくw
>>308
ドア頑張れw
和服だと帯の分いつもより厚みがあるものね、ドアもわかってくれてると思うw
~文豪缶詰プラン 御徒町力男編 その4
カチャ
ドアを開けた
そこには満面の笑みを浮かべたふくよかな大女将が立っていた
着物は一見地味だが春らしく桜の模様が入っていた
帯もうっすらピンクで上品な感じがした
帯どめにはパンダの根付がついていた
大女将にはなにやら既視感があるのだがまあ、いいだろう
「大女将のシンコでございます 先程はうちの若女将と番頭がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした ペコリ」
「いえ、とんでもございません 木から落ちないか少し心配にはなりましたが」
大女将の後ろから若女将と番頭が出てきた
「ごめんなしゃいでしゅ ペコリ」
「許しておくれやす ペコリ」
「二人とも怪我がなくてよかったよ」
「これ、お詫びでしゅ」
若女将は頭の上に乗せていたものを私に渡した
それはかわいいガラスの器に浮かんだ桜の花だった
これから咲く花もいくつかあった
水面に浮かんだ桜はキラキラしていて綺麗だ
「ありがとう 机の上に置いておくね」
「あいっ」
私は床の間の生け花は大女将が活けたことを思い出した
「そういえば、床の間の生け花は大女将さんがされたと伺いましたが」
「ええ、そうですのよ それで、少し手直ししたいのでお邪魔してよろしいでしょうか? お仕事の邪魔はしませんので」
「ああ、どうぞ」
「失礼いたします ミシッ」
「ドアは耐えてましゅ」
「ピキー(大女将、体はさりげに斜めやで)」
「これ、あれを」
「あいっ」
「よいしょっと ピキー」
若女将と番頭はそれぞれ両手いっぱいに竹や笹を抱えて部屋に入ってきた
「いえね、ちょっと生け花の手直しをしたいと思いまして お時間はそんなにかかりませんから」
「構いませんよ 私も少し休憩しようかと思っていたところです」
「お茶をおいれしましゅ」
コポコポコポ カタカタ
若女将がお茶をいれてくれた
「さてと、これとこれを入れ替えようかしらね」
大女将は持ってきた竹を選びはじめた
頭の上にガラスの器w
かわいい
頭の上に乗せていたものwww
もういろいろと面白くてかわいい
若女将の頭www
もう情景が浮かんでほっこりが止まらない
物を頭に乗せて運ぶスタイル 好きw水も入ってたみたいだけどお顔びちゃびちゃになはなかったかな?
生け花の竹が無事に活けられますように
安定感のある頭の上w
>>278
すみません、タイトルに「御徒町力男編」が抜けてました
沼ピキ子先生、お夜食にカレーうどんをお出ししますから大目にみてください