シンコのペットシッター　その５〜その６-2020/06/20(土)

～シンコのペットシッター　その５

ボル男「（ところで弟よ、何か気が付いてないか？）」
ボル吉「（えーと、あのシッターは僕達をほったらかして竹を選んでる？）」
シンコ「これかしら　ﾊﾞｷｯ　違うわ　ﾎﾟｷｯ　私の感性に合う竹はなかなか見つからないわね　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ」
ボル男「（そうだ　ということは？）」
ボル吉「（えーと、あっ、リード持ってないし、僕達自由なんだね）」
ボル男「（あれだ、前と後ろから挟み撃ちできるぞ）」
ボル吉「（うん、やろう　じゃあ僕は前から行くね）」
ボル男「（おう、俺は再び後ろから行くぞ　さっきのリベンジだ　行くぞ）」
ボル吉「ワンッ」
シンコ「あら、何か吠えたような気がするけど気のせいかしら　ｾｯｾｾｯｾ」
ボル男「（片手と両足で竹をキープしつつ更に選定をしている　無防備だな　よしっ、チャンスだ）」
ﾀﾀﾀﾀﾀ　ﾀﾀﾀﾀﾀ
シンコ「これじゃないわ、これも違う　んもう　いいのないのかしら　ﾎﾟｲｯ」
ヒューーーン
ボル吉「（あ、何か飛んで行った　取りに行かなきゃ　ﾀﾀﾀﾀﾀ）」
ボル男「（バカっ　そっちじゃない　あーでも気になる　取りに行かなきゃ　うう哀しい犬の性よ）」
ﾀﾀﾀﾀﾀ　ｶﾞｼｯ
ﾜﾝｯﾜﾝｯ
シンコ「あら取ってきてくれたの　ありがとう　ﾆｺﾆｺ」
ボル男「（よく見たらこれ、気に入らなかった竹じゃねえか）」
ボル吉「（僕達遠くに投げられたら取りに行くように訓練されてるから仕方ないよ）」
ボル男「（そうだな　うぅ）」
謎の声「無駄でしゅよ　チミたちにかなう相手ではありましぇん」
ボル男「（ﾜﾝｯ？　何か声が聞こえたけど」
ｶｻｯ　ｽｽｽｩｰ
ボル吉「（兄ちゃん、あそこ）」
ボル男「（ワンッ？）」

～シンコのペットシッター　その６

ボル男「（ｳｰﾜﾝｯ　お前は誰だ？　なんか変な恰好してるし）」
ボル吉「（ﾊﾞｳｯ　誰だっ）」
竹の妖精「わたくちはここの竹藪にいる竹の妖精でしゅよ　バンブーフェアリーともいいましゅ　チミたちの事は前からみてまちたよ、ええ」
ボル男「（だったらあのシッターを何とかしてくれよ　調子狂うんだよ）」
ボル吉「（してくれよ　ﾜﾝｯ）」
竹の妖精「おやめなさい　チミたちのかなう相手ではありましぇん　あのシンコしゃんは伝説の馬騎武者の子孫でしゅから」
ボル男「（バキムシャ？　そいつは強いのか？）」
竹の妖精「ええ、最強といわれてましゅ　二度づけをしようものならそりゃもう、ああ、怖くてそこから先はいえましぇん　ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」
ボル吉「（に、にーちゃん　やっぱりあのシンコというシッターはただ者じゃなかったんだよ）」
ボル男「（そうか）」
竹の妖精「さて、私はこのへんで帰りましゅよ　こう見えても忙しいんでしゅ　来週にはまた新しいグッズが出るからじゅんじ発送をしなきゃならないし、氷の器も作らなきゃならないし、ああ忙しいでしゅ　ﾌﾟﾐｰﾒｴｴ
そういうことでしゅよ、ええ」
竹の妖精の社長「ﾋﾟｷｰ（こんなところにおったんか　仕事たまっとるで　夕ご飯はいつものカレーうどんや　ﾁｭﾙﾙﾝ）」
竹の妖精「あいっ、いま行きましゅ　それではごきげんようでしゅ　ﾌﾟﾐｰﾒｴｴ」
ｽｽｽｩｰ
ボル吉「（ｽｽｳｩｰと消えていったよ、兄ちゃん　社長というのが妖精より偉いみたいだね）」
ボル男「（ああ）」
シンコ「あら、もうこんな時間　帰るわよ～」
ﾜﾝｯﾜﾝｯ
シンコ「あらあらこんなに汚しちゃって　帰ったら洗ってあげるわね　ｳﾌﾌ」
ボル吉「（兄ちゃん、シンコなにか背負ってるよ）」
ボル男「（あれは竹だな　ちゃっかり風呂敷持ってきて包んでるよ）」