サン坊のゆめ ～ベビとバブをおぶって～その6・その7-2021/11/30(火)-コッコリとマルガリリータ

サン坊のゆめ ～ベビとバブをおぶって～その6

ある日、ピンポンが鳴ってリーリーが出てみると、見知らぬお兄さんがいました。
｢こんにちは、リーリーくん。この度、西園にキッチンカーを出店することになったので、ご挨拶がてら差し入れを持ってきたんだ。良かったら味見してみてください｣と、マルゲリータピザやコッコリ、ソーセージなどを届けてくれました。

ありがたくいただいたリーちゃん、美味しさにとっても感動し｢そうだ！ボクも作れるようになりたいな。そして、みんなに振る舞いたいよ｣と思い、お兄さんに弟子入りを志願。レシピを教えてもらって、なんとキッチンカーまで使わせてくれることになったんです。
(そんな経緯があり)材料の仕込みを終えた頃に｢プップー｣とクラクションの音が聞こえました。

｢あっ、お兄さんだ！｣
｢リーリーくんこんにちは！支度はできたかな？｣
｢はい、バッチリです｣
｢じゃあ、積み込みして、プミピキ工務店へレッツゴーだね｣
｢はい。よろしくお願いします！｣
キッチンカーに乗ったお兄さんとリーちゃんは、プミピキ工務店へと向かいました。

｢こんにちは～リーリーです。｣
工務店へ入ってみると、何だか静かです。そーっと事務所を覗いてみたら、みんなお昼寝タイムのようでした。

｢もうみんなポンポコリン放り出してー｣とボヤきながらも笑顔のリーリーは、おりんご柄のブランケットをみんなのお腹にそっと掛けました。

傍には、キレイに平らげてある5段お重が転がっていました。
｢あれま、シンちゃんのランチ、みんなでキレイに完食だね｣と、目を細めたリーリーは、ササッと流しでお重を洗い

お庭に停めたキッチンカーで、お兄さんは支度を始めました。
｢平日はワンオペで、僕一人でオーダーを取って、焼いて、揚げて、お料理を提供してるんだけど、土日祝はツーオペで僕はオーダーと焼き係、もう1人は揚げ&飲み物係と、分担してるんだよ｣
｢へえ～、そうなんですね。ボクもカフェをやっているので、よーく分かります。3人来て、3人ともバラバラのメニューだったりすると大変ですよねぇ｣
などと談笑しながら、お兄さんはピザ生地をこねこね、リーちゃんも釜を温めたり、揚げ物の油を用意したり、なかなか呼吸が合っています。

｢リーリーくん、やっぱりカフェをやっているだけあって慣れているね。今度ウチの店も手伝ってよ｣
｢はい、機会があれば是非！｣

そうこうしているうちに、ふわっといい匂いに導かれたちびっこ達がお昼寝から目覚め始めました。
｢ややっ、何だかどこからとなくいい香りがいたしましゅね…｣
｢ううん…オカン、もうカレーうどんはこれ以上食べられへんお腹いっぱいや…｣
｢いっぱいねんねしたのでおなかがすきまちた ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ｣
｢アル坊、なんかいい匂いがするよ ｸｨｰ｣
｢むにゃむにゃ…しいくいんさん、ちゃんとさんじのおやつをたべてからおへやにかえるよ ﾊﾟｵﾝ…｣

｢あっ、お庭に何か車がいましゅよ。あれれ、とうしゃんも乗っていましゅ｣
｢ほんまや、リーおじちゃんや。コック服着て、エラいかっこええやんか｣

｢あ、おチビたち起きたかな？今度、こちらのお兄さんが上野動物園に出店するんだって。試食会がてら、工務店に来てくれたんだよ。さぁ召し上がれ｣

｢わーい、ピザでしゅよ！マルガリリータでしゅ｣
｢ちゃうちゃう先輩、マルガリータやで｣
｢まるるりーたおいしそうでちゅ｣

｢これはなんでしゅかね？トットリ？｣
｢ちゃうちゃう先輩。コッコリや。イタリアのあげぱんなんやって｣
｢コリコリ(言えてない)、かりかりもちもちでおいしいでちゅ｣

｢アル坊、このソーセージ、ジューシーで美味しいね ｸｨｰ｣
｢うん、ぼくピザはホールでいけちゃうよ ﾊﾟｵﾝ｣

｢あっ親方、工務店に牛乳はありますか？｣
｢おう、冷蔵庫にキンキンに冷えてるんでぃ｣
｢コーヒーをいれてあるので、お好みで牛乳で割って飲んでください｣
｢おぅ、リー兄さん気が利くねぃ。コーヒー、いただきましゅよ ｶﾀｶﾀｶﾀ｣

こうして、午後のティータイムは大盛況、みんなのおなかも更に満たされたのでした。

続。

サン坊のゆめ ～ベビとバブをおぶって～ その7

別室の臨時託児所では、カリスマベビーシッターポムポムプミ子さんが、シンコさんから預かっていたミルクをベビバブちゃん達にあげ、満腹になった双子はお昼寝をしていました。

眠りながらバブちゃんは、ベビくんにチョップしたり、寝返りのついでにキックしたり、なかなか過激です。
その度にベビくんは｢ﾊﾞﾌﾞったらいたいよやめてよﾍﾞﾋﾞｰ｣と目が覚めてしまいます。

｢あらあら、眠ってる時もバブちゃんはお転婆なのね｣とつぶやきながら、プミ子さんはベビくんをひょいっと持ち上げて、バブちゃんの手足の届かない所にそっと寝かせました。そして、優しくおなかをさすってあげると、スススゥーとベビくんはヘソ天で眠ってしまいました。

｢でもまぁ、日本のツインズは手のかからないお利口さんね｣｢おフランスでもこの夏、いい報せが聞けそうだというわ。モジャぼっちゃまのきょうだい、いつか私もお会いしてみたいものね｣

＼ｺﾝｺﾝ／
｢はーい、あら親方。お疲れ様でございます｣
｢プミ子さん、お疲れ様でしゅ。差し入れをお持ちいたしまちた｣
｢あ、親方。お気遣いなく。2人とも大人しくていい子にしていますよ｣
｢おー、気持ちよさそうにスヤスヤ眠ってましゅねぇ｣
｢上野動物園待望の双子ですもんね。そして、あの美少女シャンシャンさんの弟妹ということで、注目度も高いですし。順調に育ってるようで何よりですわね｣
二人は、リーリーが 入れてくれたコーヒーに、たっぷり牛乳を注いだカフェ・オ・レと、コッコリ(シュガー味)をつまみながら、ぐっすりお昼寝するﾍﾞﾋﾞﾊﾞﾌﾞを眺めていました。

ちょっと収拾つかなくなっているラミネートでした。きっと続きます