おはようございます、ベビールームです
前回もお話読んでくださりありがとうございました!
感想までいただきとてもうれしかったです
またいくつかUPさせていただきます
よろしくお願いいたします
アルンの冒険~【母の日】のために⑤
カリン「アルンちゃん、がんばれ!」
ルカ 「アルンくん、がんばれ!」
アルンはまた一歩一歩と…少しずつ前へ進みました。
カリン「アルンちゃん!せやで!その調子や!」
ルカ 「アルンくん!そうそう!右!左!」
アルンは二人に励まされながら、少しずつ少しずつ歩き出しました。
アルンは足元を見ながら慎重にそろりそろりと進んでいきました。
西園側のいそっぷ橋の下りのスロープは、少し下りると今度は右への急なカーブがあるのです。
そのカーブを曲がりきると、次は長い下りスロープが西園へと続いているのでした。
アルンは一歩一歩慎重に進んで、その急なカーブをようやく曲がりきりました。
アルンは足を止め、お顔を上げて前を見ると、そこからまた下りスロープが真っ直ぐと西園へと延びていました。
アルンは思わずゴクリと息を飲みました。
それに気づいたカリンママは、またスゥーッと深呼吸するように息を吸い込み、それから大きくて明るい声で言ったのです。
カリン「アルンちゃん!見てみぃ。ここからの眺めはええなぁ。アルンちゃんのお背中に乗せてもろてるさかい、こないに素晴らしい景色を眺められんねや」
ルカ 「ほんまやねえ。ここから見える不忍池ええわぁ。アルンくんのおかげやわ」
アルンは二人の言葉を聞いて、それから再びお守りをお鼻でキュッと握り、お目目を閉じて静かにお守りを胸に当てました。
そして、お守りからお鼻を離すと、今度はアルンがスゥーッと深呼吸するように息を吸い込み、それから足を一歩踏み出したのでした。
ゆっくりと一歩、一歩…それから徐々に早くなっていきました。
トテ…トテ…トットットッ…トットットッ…トットコ…
カリン「そうや!ええリズムやわ。アルンちゃん、その調子や!」
ルカ 「そう!そのまま突き進んで行こ!」
トットコ…トットコ…トットコトットコ…トットコトットコ!
カリン「そうや!行け行け!アルンちゃん!」
ルカ 「行け行けー!」
カリンママとルカちゃんは、天に突き上げるように片手を振り挙げました。
アルンは二人の声を聞くと、どんどんスピードを上げてスロープを駆けおりて行きました。
トットコ…トットコ…トットコトットコトットコ…
カリン「アルンちゃん!まるで魔法の絨毯に乗ってるみたいやわー!!」
ルカ 「ほんま!空を飛んでるみたいや!!」
アルンは二人をお背中に乗せて、スロープを軽やかなリズムで駆け抜けて行きました。
ぐんぐん、ぐんぐんアルンは風をきって走っていきます。
その様子を見ていた、不忍池にいるモモイロペリカンたちやカワウたちが、
「あれは何だ!!」
「スーパーマンか!!」
と大騒ぎです。
カリン「アルンちゃん!このままパンダのもりまでGO!GO!」
ルカ 「行けー!行けー!アルンくん!」
アルン「パオン!パオーーーン!!」
アルンは長い下りスロープを駆け抜けていきました。
そしてスロープを下りきると、パンダのもりの中へと走り抜けていきました。
すると、奥の方に洞窟カフェが見えてきました。
カリン「ほら!アルンちゃん!洞窟カフェが見えてきたで!」
ルカ 「ほんまや!あとちょっとや!がんばれー!」
アルン「パオン!パオーーーン!!」
トットコトットコ!トットコトットコ!トットコトットコ!…
アルンは洞窟カフェのあるリーリーの庭に入っていくと、少しずつスピードを落としていきました。
洞窟カフェの前までたどり着くと、アルンはゆっくりと足を止めて、息を切らせながら、カリンママとルカちゃんをお背中からそっと芝生の上に降ろしました。
アルン 「カリンママしゃん、ルカしゃん、いっしょにきてくれて、どうもありがとう!ハァハァ…」
カリンママ「よぅがんばったなぁ!うちらもアルンちゃんが来たかった洞窟カフェにたどり着けて嬉しいんよ」
ルカ 「よかったなぁ!アルンくん!」
アルン 「うん!パオン!」
すると、外から声が聞こえてきたので洞窟カフェの中からリーリーとシャンちゃんが出てきました。
リーリー「アルンくん、いらっしゃい!よく来たね。グスッ」
シャン 「あー、とうしゃん、涙拭いてくだしゃい ゴワゴワドウジョ」
リーリーは無線機から流れてきた、アルンががんばって来た一連の流れをハラハラしながら聞いていたので、感極まってしまったのでした。
同じように無線機に齧り付くように聞いていたスーリヤさんもキョウコさんも、のらねこ隊の隊長や隊員のハチワレ・チャトラ・オッドアイも、アルンが無事に洞窟カフェに着いたことを、みんなホッと胸を撫で下ろし、手を取り合って喜び合いました。
アルンは首から下げているがま口を両方のおててでギュッと持って、シャンちゃんとリーリーに言いました。
アルン 「あの…あの…シャンおねえちゃん…リーおじしゃん…ぼく…ママに【ははのひ】のケーキちゅくってあげたいの」
リーリー「うん…うん…分かったよ。グスッ…一緒に【母の日】のケーキ作ろうね。おじさんに任せなさい!最高の【母の日】にしよう!!」
シャン 「じゃあ、アルンもおてて洗ってきたら、このエプロン着けましゅよ!そしたらケーキ一緒に作りましょ!」
アルン 「ありがとう!おててあらってくるー!パオン」トットコトットコ…
トテトテ…テチテチ……
レイ 「ねぇね…ふわぁ~ぁ、レイもケーキちゅくりゅのー」
シャオ「んーぼくもちゅくりゅー」
シャン「2人とも、お昼寝から起きたでしゅね。アルンくん来てましゅよ!」
レイ 「わぁ!アルンにいちゃまだー!」
シャオ「わーいわーい!」
シャン「シャオとレイちゃんもおてて洗ってくるでしゅよ。そしたらみんなで一緒にケーキ作りましゅよ!」
シャオ・レイ「あい!あらってくりゅー」パタパタパタ…
つづく (ベビル 5)
私はここにぐっときた
ありがとうございます
アルンくん頑張ったね!
わちゃわちゃしながらケーキ作るの楽しいんだろうね
アルンくん、よくがんばりました!
お話の続き楽しみにしています!
アル坊がお守りをギュとしてから深呼吸のところ、思わず「みんな見守ってるよーがんばれー」と気持ちがこもってしまいました
リーリーも見守っててくれて…
あとは楽しいケーキ作り
続きも楽しみにしています
アル坊~!よく頑張ったね!
最後の急なスロープ大丈夫かな…とドキドキしながら読ませていただきました
アル坊の勇気とカリンさん、ルカちゃんの大活躍で無事洞窟カフェに辿り着けてよかったです
さぁ、いよいよケーキ作り
続きも楽しみにしております!
通りすがり設定のカリンママさんとルカちゃんが目的地を口に出して応援してしまうとこ好き
ベビルさん、素敵な話ありがとうございます
プミ子、今日のお昼休みに読みました!続きが楽しみです
この頃プミ子忙しくてイライラしていたので、ベビルさんのお話で癒されました!
ポムポムのプミ子さんかな?
プミ子さんだ!
プミ子さんのお話もお待ちしてましゅよー♪
ベビルさんありがとうございます!
とっても素敵なお話でした。
>>356
ポムポム上野さんの新作も読みたいですねー
次に上野に行った時にカリンママとルカちゃんに「ありがとね」って言ってしまいそう
続きが楽しみです
※見出し画像にお借りしております。ありがとうございます🐘