アルンの冒険~【母の日】のために(ケーキ作り編)⑥
リーリーは洞窟カフェの入り口で、心配そうにアルンの様子を伺っていたカリンママとルカちゃんに声をかけました。
リーリー「カリンママさん、ルカちゃん、おつかれさまでした。アルンくんなら大丈夫ですよ。任せてください。あの、よかったら、洞窟カフェでランチでもいかがですか?」
カリン 「おおきに!お昼ごはん作る途中で来てもうたんよ。ちょうどお腹がすいとったんです」
ルカ 「わー嬉しいわぁ!うちね洞窟カフェのランチ食べてみたかってん」
リーリー「では、こちらへどうぞ。本日のランチは新作の『ブフ・ブルギニヨン』牛肉の赤ワイン煮ブルゴーニュ風でございます」
カリン 「まぁ!おしゃれやねぇ!」
ルカ 「めっちゃ美味しそうやわ!これはリーリーさんが考えはったメニューなんやろか?」
リーリー「これは娘のシャンが色々調べて考えてくれたメニューなんですよ。最近おしゃれで美味しそうなメニューに凝ってるみたいで」
カリン 「そうなんやなぁ。やっぱり女の子やねぇ」
ルカ 「じゃあこれお願いします。楽しみやわぁ」
リーリー「かしこまりました ニコニコ」
リーリー「シャンちゃん、ぼくはお客さまにランチの支度するから、先にアルンくんとケーキの準備をしていてくれるかな?」
シャン 「おやすいごようでしゅよ!さ、アルンしゃん、ケーキの下準備はじめましゅよ!」
アルン 「うん!」
レイ 「レイおててあらってきたー!」パタパタパタ…
シャオ 「シャオもー!」パタパタパタ…
シャン 「じゃあみんなエプロンと三角巾、着けましゅよ!」
ワーイワーイ!キャッキャッ!アハハ!エプロン.フリフリシテリュー!キャキャッ!パオン!
シャン「じゃあ作りはじめましゅよー!まず小麦粉ふるいましゅね!お粉ふるふる~♪」
レイ 「ふりゅふりゅ~」
シャオ「ふりゅふりゅ~」
アルン「…ふぁ…ふぁ…っくっしゅん!!」
レイ 「アルンにいちゃま、くちゅんちたー!」
シャオ「くちゅんちたー!」
シャン「アルンしゃん、お粉がお鼻に入っちゃったでしゅね」
アルン「えへへ、ごめんでしゅ」
アハハ!キャキャッ!ボクモ.クチュンシュルー!アハハ!ウフフ
シャン「お次は生地を混ぜましゅよ!生地まぜまぜ~♪」
アルン「まじぇまじぇ~♪」オハナデ.ゴムベラヲ.クルクル~
レイ 「わー!アルンにいちゃま、じょうじゅー!」
シャオ「シャオもしゅるー!」
ワイワイ!キャッキャッ!クルクル~♪クルクル~♪ワーイ!
シャン 「さてと、あとはケーキをオーブンで焼くんでしゅが、火を使うときは、とうしゃんにやってもらわないとでしゅからね」
シャオ 「シャオ、とうしゃんよんでくりゅー」パタパタパタ…
レイ 「あー!レイもいくー!」パタパタパタ…
リーリー「あはは、そんなに腕を引っ張らない、引っ張らない。ちゃんと行くからね」
リーリーはシャオシャオに右腕を、レイレイには左腕をグイグイと引っ張られながら、キッチンにやってきました。
シャン 「とうしゃん、オーブンに火を入れてくだしゃい」
リーリー「OK!まずはオーブンを温めてからケーキを焼いていこうね」
アルン 「まだケーキいれないの??」
リーリー「ああ、まだ入れないよ。オーブンを温めてからね ニコッ」
レイレイ「どうちてしゅぐにいれないの?」
リーリー「オーブンの中を温かくしてからケーキを入れてね、それから焼くとふわふわで美味しいケーキになるんだよ」
アルン・シャオ・レイ「へぇぇー!!」
3人はまんまるなお目目を輝かせて言いました。
リーリー「じゃあ、予熱のあとにケーキを入れて焼き上がるまで時間があるから、みんなはお庭で遊んでおいで。焼き上がったら呼ぶからね」
アルン・シャオ・レイ「はーい!」トテトテ…テチテチ…トットコ…
アルン 「じゃあ、なにしてあしょぶ?」
レイ 「んとね、レイね、むししゃんみちゅけりゅの!」
シャオ 「シャオむししゃんやだぁ」
3人はお庭の芝生の上にお座りして、芝生の間にいる虫たちを探し始めました。
でも、3人はお庭で遊んでいるものの、キッチンの様子が気になって気になって、チラチラと洞窟カフェの方を見てしまいます。
シャオ 「…とうしゃん…ケーキいれたかなぁ?」
アルン 「んーやけたら、よんでくれるっていってたけど…」
レイ 「みんな!みにいこ!」
レイレイは先頭を切って洞窟カフェに入っていきました。
レイ 「とうしゃん!ケーキいれた?」
シャオ 「いれた?」
アルン 「いれたでしゅか?」
リーリー「まだだよ。あともう少しオーブンを温めてから入れるよ。ケーキをオーブンに入れるところが見たいのかい?」
アルン・シャオ・レイ「うん!!」
リーリー「あはは、そうか、そうか。じゃあ、お椅子に座って待ってなさい」
三人はオーブンの近くにあるダイニングテーブルのお椅子にヨイチョと座ると、シャンちゃんが、
「みんなー、ホットミルクでしゅよー!」
と、トレイにホットミルクを乗せて運んできてくれました。
シャン 「これを飲みながら、オーブンが温まるの待つでつよ」
アルン 「シャンおねえちゃん、ありがとう!パオン」
シャオシャオとレイレイは早速、両方のおててで取っ手付きの哺乳びんマグを持って、こくんこくんと飲み始めました。
シャオ 「みゆくおいちぃー」
レイ 「ねぇねのちゅくってくれりゅみゆく、あまぁい」
アルン 「ほんとだ、あまくておいしい」
シャン 「どれどれ、わたくちもご相伴に預かりましゅよ。ん~甘くておいしいでしゅねぇ。これはでしゅね、ミルクにはちみつを入れたんでしゅよ」
アルン 「はちみちゅなんだ!こんどママがホットミルクちゅくってくれるとき、はちみちゅいれてっておねがいしてみよっと パオン」
リーリー「さてと、そろそろケーキ入れるかな」
リーリーがそうつぶやくと、シャオシャオとレイレイとアルンは一斉にオーブンの前にいるリーリーの方を向きました。
それから3人はおててに持っていたマグをテーブルの上に置くと、ヨイチョとお椅子からおりてリーリーの側まで行きました。
リーリー「オーブンは熱いからね、ぼくのうしろの方にいるんだよ」
アルン・シャオ・レイ「はーい!!」
3人はリーリーの背中の後ろにまわり、背中からお顔だけピョコッと出してオーブンを見つめます。
リーリーがオーブンの扉を開けると、ぶわっとオーブンの熱気が3人に迫ってきました。
おちびさんたちはその熱気にびっくりして、少し後ずさりしてしまいました。
リーリーは手早くケーキの型をオーブンに入れると、すぐさま扉を閉めました。
アルン 「リーおじしゃん、これ、いつケーキになるの?」
リーリー「ケーキがふくらんで焼きあがるには、そうだなぁ、あと30分くらいでケーキになるかな?」アルンノ.アタマナデナデ
レイ 「ケーキになりゅ?」
リーリー「ああ、ケーキになるよ」
シャオ 「んーはやくケーキになあれ」
シャオシャオがそうつぶやくと、アルンとレイレイも一緒に並んで、
「はやくケーキになあれ!」
と、オーブンを見つめながら真剣なお顔で言いました。
リーリーはそれを見ていて、あることを思い出していました。
「(そういえば、シャンも小さいころ、ぼくがケーキを焼いていると、『はやくケーキになあれ』ってオーブンの前にお座りして見ていたなぁ。ピンク色のお顔が、オーブンの熱でますますピンク色になっちゃってね。ふふふ、懐かしいな)」
すると突然リーリーはビクッと身震いしました。
「そうだった!シャンのお顔がますますピンク色になっていく様がかわいいなぁってぼくが眺めてたら、シンちゃんに、『リーくん!なにやってるの!シャンが脱水症状になっちゃうでしょ!』って叱られたんだった!」
リーリーはそう言いながら、慌てて3人のほっぺを両手で包むように順に触っていくと、3人ともぽかぽかに温まっていました。
リーリー「わわわ、大変だ!アルン、シャオシャオ、レイレイ!オーブンから離れようか!お椅子に座って待っていようね!アセアセ」
3人はきょとんとしたお顔でリーリーの顔を見上げてから、またお椅子に戻り、ヨイチョと座りました。
リーリー「シャンちゃん!この子たちに飲み物を持ってきてくれるかな?」
シャン 「あい!そう思って準備してまちたよ!少し遅くなりまちたが、お昼ごはんの時間でしゅからね。サンドイッチも作りまちたから、みんなでどうじょ!」
シャンシャンは大きなトレイにサンドイッチと麦茶とおしぼりを乗せてきて、それを3人の前に並べました。
シャオ 「わぁー!しゃんどいっちだー!」
レイ 「レイ、たまごしゃんどしゅきー!」
アルン 「わーい!あれ?シャンおねえちゃん、これはなあに?」
シャン 「これはでしゅね、おりんごジャムのサンドイッチでしゅよ。昨日とうしゃんと、おりんごジャムを作ったんでしゅ。おりんごの皮も一緒に煮込んでありましゅから、ルビー色なんでしゅよ」
レイ 「わぁ。おしゃれー。レイ、このいろしゅきー!」
シャンシャンはみんながサンドイッチにキャッキャッと夢中になっている間に、ぽかぽかになっている3人のお顔を冷たいおしぼりでふいていきました。
シャン 「さ、これでいいでしゅかね。では、おててを合わせて…」
アルン・シャオ・レイ「いただきまーしゅ!!」
シャン 「みんな、麦茶も飲んでくだしゃいね!」
アルン・シャオ・レイ「はーい!!」パクパク…コクンコクン…
3人は手づかみで勢いよく食べはじめました。
つづく (ベビル 6)
この度もいつもながら長くなっております
お読みいただけたら幸いです
お話の最後の方に出てきた、シャンシャンがリーリーと作ったルビー色のおりんごジャムは、
↓の作品を読み、参考にし登場させていただきました。
皆さまよろしくお願いいたします
「タンタンのBirthday Party」の作家さま、ありがとうございます。
「タンタンのBirthday Party」
べビルさん、温かいお話ありがとうございます!
シャンちゃんがチビちゃん達のお顔をおしぼりで拭き拭きするシーンにはうるうるきました
プミちゃんすっかりお姉シャンになってカタカタしなくなったのね シジミ
どんなケーキが出来上がるか楽しみ!
ベビルさん今回も可愛いお話ありがとうございます
べビルさん、続き待ってましたー
シャオレイとアルンくんの面倒を見てパパの手助けをするシャンちゃん、すっかりお姉さんですね
みんなの仕草が可愛くてやさしくてまたまた読みながらキュンキュンしました
どんなケーキが焼きあがるのか続きも楽しみにしています
ベビルさん、ありがとシャン
ワクワクしながらケーキが膨らむのを待つ3人、ミルクやサンドイッチをかいがいしく持ってくるシャン、目に浮かびます
どんなケーキができるのでしょう
また続きを楽しみにしてます
ベビルさん、お話ありがとうございます
みんなかわいい
またまた続きが楽しみです
ベビールームさん待ってましたー!
オーブンの前でお顔が温まっちゃうおちびさんたちかわいいw
シャンちゃんはすっかりお姉シャンらしくなって、とうしゃんの片腕として申し分ないですね
どんなケーキが出来上がるか楽しみにしながら続きをお待ちしております!
>>112
「ご相伴に預りましゅよ」とか言っちゃってw
シャオレイアルンくんへの振舞いもすっかりお姉シャンですね
ベビルさん続きが楽しみです
ご無沙汰しております、ベビールームです
【アルンの冒険・母の日のために】の続き、「ケーキ作り編」をUPさせていただこうと思います
今しばらくお付き合いいただけたらうれしいです^ ^
よろしくお願いいたします