アルンの冒険～【母の日】のために（ケーキ作り編）⑦-2022/07/28(木)

アルンの冒険～【母の日】のために（ケーキ作り編）⑦

リーリー「シャンちゃん、サンドイッチありがとう。とってもおいしいよ ﾆｺﾆｺ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
シャン　「サンドイッチなら作業しながら食べやすいと思ったんでしゅよ」
リーリー「賢いなぁ、シャンは！」ｼｬﾝﾉ.ｱﾀﾏﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
シャン　「えへへ！あ！とうしゃん、ケーキがふくらんできまちたよ」
リーリー「おおー、膨らんできたね。おちびさんたち！こっち来てごらん」

リーリーはおちびさんたちに、手でおいでおいでしました。

アルンとシャオシャオとレイレイは、リーリーの方をハッとして向いて、それからまたヨイチョヨイチョとお椅子から下りてオーブンの近くまでいきました。

リーリー「ほら、見てごらん。ケーキが膨らんできただろ？」
アルン・シャオ・レイ「わあー！！ほんとだー！」

シャオ　「ケーキになった？」
リーリー「そうだなぁ、もう少し焼かないとね」
アルン　「あとしゅこし？」
リーリー「ああ、あと少しね」
レイ　　「はやくケーキにならないかちら」
リーリー「ふふ、楽しみだね」

リーリーはオーブンから少し離れたところに、ふかふかのキルトを床に敷いて、そこに３人をお座りをさせました。

リーリー「ここからならオーブンを眺めてても大丈夫だな」

３人はお座りして、ケーキが膨らんでいく様子をじっと見つめています。

ぷく…ぷく…

オーブンの中でケーキが、ぷく…ぷく…と膨らんでいきました。
ケーキが膨らむ度に、おちびさんたちは、

「わぁ！」

と小さな歓声をあげるのでした。

レイレイは声を上げるたびに、両隣にいるアルンとシャオシャオをパシパシッと叩いて喜びました。
そして、叩かれるたびにアルンとシャオシャオは、小さい声で「イテッ」と呟き、ちょっぴりお顔をゆがませるのでした。

ぷく…ぷく…

３人は、また

「わあ…」

と、声をあげ真剣なお顔でケーキの膨らむ様子を見つめ続けていました。

しばらくしてリーリーが立ち上がりました。

リーリー「さあてと、そろそろケーキが焼き上がったかな」

アルン　「ケーキになった？」
レイ　　「ケーキになった！！」
シャオ　「なった？」

リーリー「どうかな？じゃあ、オーブンを開けるよ」

リーリーが分厚いミトンを両手にはめてオーブンを開けると、オーブンからの熱気が一気にぶわっと吹き出してきました。
リーリーはケーキを取り出して、キッチンの調理台の上に乗せました。

おちびさんたちは調理台に駆け寄ると、調理台の上に両方のおててを乗せました。
それから、つま先立ちをして、しっぽをピンと立てて、ケーキを覗き込もうとしています。

アルン　「リーおじしゃん！これ、クリームペタペタしゅるの？」
レイ　　「レイ、ちってゆよ！クリームペタペタしゅるとキレイなの」
シャオ　「シャオもペタペタしゅゆー」

リーリー「みんな、よく知ってるね。ケーキをよく冷ましてから、クリームを塗っていくよ。それからデコレーションするんだよ」

アルン　「ケーキ…さます？？」
リーリー「ああ、ケーキをね、よーく冷まさないとクリームを塗っても溶けてしまうんだよ」

レイ　　「どれくりゃい？」
リーリー「そうだなぁ、ケーキが焼き上がるよりは長くかかるかな」

シャオ　「んーはやくー」
リーリー「あはは、待ちきれないね。どうしようかな、おちびさんたちが飽きないように…」

シャン　「ここはまたシャンの出番でしゅかね。みんな、お庭に行って遊びまちょ」
リーリー「シャンちゃん！じゃあ、たのんだよ！」
シャン　「あい！お任せあれ！」

シャンシャンはおちびさんたちの三角巾とエプロンをはずしてから、みんなを連れてお庭に移動していきました。

リーリー「さてと、みんなが遊んでいる内に、デコレーションの下準備と、おすそ分け用のカップケーキを焼いておくかな」

リーリーはみんなが戻ってきたら、すぐにデコレーションに取り掛かれるように準備を始めました。

おすそ分け用のカップケーキは、アルンの見守りをしてくれたスーリヤさん、キョウコさん、そして、のらねこ隊のみんなやカリンママとルカちゃんへの感謝の気持ちを込めてお渡ししようと考えたのでした。

ｷｬﾊﾊ！ﾏｯﾃｰ！ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ！ﾁｭｶﾏｴﾀー！ｱﾊﾊ！ﾊﾟｵﾝ！…

お庭からみんなの楽しそうな声が聞こえてきました。

リーリー「ふふ、よかった。みんな楽しそうに遊んでるな。あのままだったら待ちくたびれちゃうからね」

リーリーは手際よくカップケーキの生地を作って型に入れるとオーブンに入れました。

それから、デコレーションするためのクリームを大きめのボールにたっぷりと作りました。
アルンがケーキにデコレーションしているのを見たら、きっとシャオシャオとレイレイもやりたいと言うだろうからと、たくさん作っておいたのです。

リーリー「さあて、そろそろケーキも冷めたかな」

リーリーは洞窟カフェの入り口から顔を出して、みんなを呼びました。

「おーい！みんなー！おちびさんたちー！ケーキが冷めたからおいでー！デコレーションするよー！」

おちびさんたちはリーリーの声にハッとして、遊んでいる足を止めました。

シャン　「じゃあ、みんなキッチンに行きましゅかね」
アルン・シャオ・レイ「わーーい！ケーキだー！」

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ…

つづく（ベビル ７）