小話・アドベン穴場おすすめツアー

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小話・アドベン穴場おすすめツアー

『いやー、みんな、いつもうちらに会いに来てくれておおきに。
アドベン穴場おすすめツアーの講師のピキ社長やで!』

『じょしゅのプルでちゅ! よろしくでちゅ、プルプル』

『今日は、うちがおすすめするアドベンの楽しい歩き方の紹介や。
アドベンは広いしいろいろなスポットがあるから、時間に余裕を持って効率よく回るのはけっこう難儀なんや。
初めて来たお客さんが見落としがちなポイントや、玄人好みのスポットを教えるで!』

『くろうとごのみでちゅよ!プルプル』

『さて、まずパークに着いてゲートから入ったら、すぐ右のお部屋に行くとええで。
実はここにはウェルカム・レッサーパンダがおるねん。
今はマルルって男の子が常駐してるんや。ガラスや仕切りなし、同じ部屋に入って見られるんやで。
めっちゃ可愛いのに気が付かず通り過ぎる人が多いんや。会ってやってな』

『れっさーしゃんも、笹をたべるでちゅよ。かわいいでちゅよ』

『ウェルカムレッサーで癒されたら、アーケード通りの池にペンギンがいるかどうか確認してな。
必ずではないけど、時々、ここにウェルカムペンギンが泳いでんねん。
で、次にパンダラブに来て結姉やプル子に会うやろ、したらラブ前広場の竹オブジェの横に、桜姉と桃姉の記念樹があるから見てやってな。
春には桜と桃の花が咲くし、今はちっちゃな桃が実って可愛いんやで』

『ちっちゃな桃、こんぽーとにしたらおいちいでちゅ♪』

『…プル子は食べすぎないようにな。コンポートとカボチャはほどほどにせんと危険やで。
あと、この広場には結姉の誕生日プレゼントの「結浜ベンチ」があるんや。
結姉のお気に入りやったんやけど、ラブのお庭で桃姉がぶん投げたさかい、広場に置いてお客さんに座ってもらう用になったんやけど、
うちらサイズのベンチやから、奥行広くてゆったり座れて、ちょっとお昼寝するにもええ感じやで。
結姉の似顔絵と名前の焼き印入りで、結姉や桜桃姉たちがカジガジ噛んだ跡もついてるで』

『べんちは、おいちかったんでちゅかね? プルもかじってみたいでちゅ』

『まぁ、ベンチならかじってもゼロカロリーやな。
で、次に、うちとお母ちゃんのいるブリーディングセンターに行くやろ。うちらは今は室内運動場におるから遊びに来てな。
それから外に出て、外庭も見てな。
ここは歴代の浜家全員が楽しく遊んだお庭や。サツキが咲いて、木陰が涼しくて、芝生が綺麗やで。
右側のお庭は元々お父ちゃん用で今はうちが引き継いだんやけど、このお庭の右端の鉄板の下に水道の元栓が隠れてるんや。
ここから結姉やうちがしのびこんで水道ひねって、農業用水汲んだりウォータースライダーしてお客さんに喜んでもらったんや。
うちらがここに来ると、お客さんたちがいっせいにカメラを構えた隠れた名所や。
ま、なんでか飼育員さんたちは「こらーっ」とか言うんやけどな』

『プルも、すいどうあけ、しゅうとくしたかったでちゅ… ショボン』

『よしよし、中国でも水道あるかもしれへんし、そこで練習しような。あっちの飼育員さんがアイヤーとか言うかもしれへんけど。
で、疲れたら、隣のビックオーシャンの二階に上がって、観覧席で休むのがおすすめや。
風が吹き抜けて、空と海が見えて、休憩時間のプールでのんびり泳ぐイルカちゃん達が可愛いんやで。
ほんまはここの一階の休み処「憩いの大熊猫」で休むのも、靴脱いで足を投げ出せるからええんやけど、今は混んでるやろなぁ。
憩いの大熊猫には、お父ちゃんが父の日にプレゼントされた「永明樽」もあるんやで。
名前と似顔絵の焼き印入りの樽に、竹をいっぱい立ててプレゼントされたんや。
父の日イベントの時、お父ちゃんはちゃんとカメラの方を向いて竹を食べたんやで。さすがレジェンドや。
結姉のベンチと違って、お父ちゃんは樽はガジガジせえへんかったから、ガジ跡はなしや』

『どうみても樽なのに、しいくいんしゃんは、バスケットといいはってたでちゅ』

『それから、初めてのお客さんに意外と多いのが、サファリやふれあい広場を見逃すことやねん。
ふれあい広場はラブの右手に広がってるんやけど、気が付かない人も多いねん。
馬もいるし、カピバラは放し飼いでうろうしてるし、コツメカワウソはぐるぐる回ってるし、可愛い動物いっぱいや。
奥には鳥の楽園があって、小川が流れて癒しの空間やし、白孔雀がそれは綺麗なんや。
意外と繁殖に成功してるレッサーパンダ家族も忘れないようにな。
あと、サファリはアドベンの目玉のはずなんやけど、パークガイドを読まずに飛ばしてしまう人がけっこういるんやなぁ。なんでやろ。
歩くのがしんどいなら、サファリを走るケニア号に乗ればいいんやけど、何故か有料の子供向け乗り物だと勘違いする人がいるんや。
タダやで! 乗らな損やで!』

『サファリとふれあいひろばには、プルたちの仲間がいっぱいでちゅ! ぱーくがいどをよんでね、でちゅ プルプル』

『楽しく遊んで、ちょっと心を落ち着かせたい時は、神社にお参りなんてどうやろ。
実は、園内には神社の祠があるんやで。知らんかったやろ。
ここでうちら浜家と、世界中のパンダと動物たちの幸せと繁栄、飼育員さんたちのボーナスアップを祈って、お賽銭もはずんでな』

『いまは、じんじゃのおにわにヤマモモがなってるでちゅよ。あかくてまるくて、かわいいでちゅ♪』

『プル子、神社になってる実を食うたらあかんで。
…さて、いよいよツアーもクライマックスや。
ショー見て、サファリやふれあい広場行って海獣館行って、お土産買って、そろそろ疲れたなーってなるやろ。
そしたら、パンダラブの前にある竹の巨大オブジェ、ここに行くねん。
ここ、竹で組み立てた建物やろ。竹で作ったお部屋に靴脱いで入れるんやけど…内緒やで、ここな、床も竹やからな、
めっっちゃ!!
ええ青竹踏みになるねん!!
もー、床を歩くだけで足裏のマッサージ効果抜群で、青竹踏み放題で疲れも吹っ飛んで楽々や!
アドベンが外国のゲージュツ家を呼んで建てたゲージュツ作品やから、大きな声では言えへんけどな!
うちのすみれが、イベントでここでヨガや瞑想した時に青竹効果を発見したんや。
smileと書いてすみれと読むんやで。すみれは未来から来た浜家の子孫のパンダや。
時々、台車やトラックに乗ってパークに出没してるさかい、見かけたらよろしくな!
着ぐるみとちゃうで、子孫や』

『なかのひとなどいまちぇん、プルプル』

『どや、うちのアドベン穴場ツアー、ほんまに穴場やろ?
今は暑いし人も多いし大変やけど、がんばってうちらに会いに来てな。
あ、そうそう、最後にもうひとつ。
みんな、アドベンは特別な場合を除き、水曜日が定休や!
最近、はるばる遠くから水曜日に来てゲート前で泣いてるお客さんがちょくちょく出てるさかいな。
まぁ、そんな時はしゃあない、和歌山ラーメン食べてめはり寿司食うて、白良浜の夕日を見ながら泣いて、白浜銀座でやけ酒や!
無料の足湯もあるで!
そしたらみんな、引き続きアドベンを楽しんでな! ほな!』

『おいしいご飯もいっぱいありまちゅ。みなしゃまのお越しをおまちしてまちゅ! プルプルニッコリ』

おしまい♪

今昔さん撮影🖼️アドベン穴場ギャラリー


おまけの小話・ラウママの飛行機ツアー

白浜は今日は一日雨模様。
浜家の3人の娘たちはちょっとしょんぼりしています。

『あーあ…寂しいなぁ。飼育員さんが、結たちは週末には飛行機乗るんだって言ってたけど、嫌だなぁ。飛行機乗るの怖いなぁ』
『プルもひこーき、こわいでちゅ…おきゃくさんが、プルちゃんはじゅうりょうおーばーかもといってたでちゅ。いみわからないけど、こわいでちゅ…プルプル』
『はぁ…うちも嫌や。こう見えてうちは繊細なんや。飛行機に乗るってどんな気分やろ…。
桜桃姉たちが行った時は「私ら飛行機初めてやけど、経験者のお父ちゃんがいてくれるから安心やわ」って言うてたけどなー。ウラヤマシー』

『(部屋の戸ガラッ! ドスドスドス)…はぁ? あんたら何言うてんねん。
お父ちゃんは同乗しなくても、あんたらにはこのお母ちゃんがついてるやないか!(胸ドン!)
大船に乗ったつもりで飛行機に乗ったらええがな!』

『乗るのはお船でちゅか? ひこーきでちゅか? プルプル』
『そやかて、お父ちゃんと違って、お母ちゃんは白浜生まれで飛行機乗ったことないやん。未経験やん』
『だよねー、結もそう思う…』

『何やて、私かて飛行機くらい乗ったことあるわ!
…そうやな、えーっと、えーっと…そうや、私も中国から白浜まで飛行機乗ったんや!
梅梅お母ちゃんのお腹の中で!』

『(娘3人声をそろえて)えーっ! お母ちゃんは、お母ちゃんのお母ちゃんのお腹の中で飛行機乗ったぁ!?』

『そうや! 梅梅お母ちゃんは私をお腹に宿して日本に来たんやから、私も飛行機は経験済や!』

『いやそれ、経験済ったってお母ちゃんは何も覚えてないやろ』

『んなことない、よう覚えとるわ! あー、あの時の飛行機の旅は快適やったわー!
白浜空港に着いた時のウエルカムフルーツのリンゴは美味しかったわー! ドヤッ』

『お母ちゃん、それ、うちのファミリーヒストリーで見た梅梅おばあちゃんのエピソードやろ…って、
プル子、何お目目キラキラさせてんねん』

『すごいでちゅ! お母ちゃまは、おなかのなかのひこうきのたびをおぼえてるでちゅか! そんけいでちゅ! プルプルオメメキラキラ』

『うちの妹は、疑うことを知らない純粋な4歳児やなぁ…ホノボノ』

『すごーい! お母ちゃん、お腹の中の飛行機の旅を覚えてるんだ! 結、尊敬しちゃう! ピコンオメメキラキラ』

『うちの姉は、疑うことを知らない純粋な8歳児やな!! Σ(゚Д゚)』

白浜の太陽、ラウママのおかげで、憂鬱な雨の日も明るく過ごせる浜家家族でした♪

おしまい♪

サムネ作:わいわい
作者さま(今昔さん)へのご感想をワイワイスレ等に頂けますと幸いです☺️