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~ベビールームのウタ先生とおちびさんたち~4 -2021/08/01(日)

71: 名無しさん? 2021/08/01(日) 05:12:23.94 ID:9IjdV5RX0

ウタ先生 (ツキノワグマ・上野)
アルン  (9ヵ月・アジアゾウ・上野)-母・ウタイ(22)
楓浜   (8ヵ月・ジャイアントパンダ・白浜)-母・良浜(20)
ホウちゃん(8ヵ月・ホッキョクグマ・大阪天王寺)-母・イッちゃん(7)
フブキ  (7ヵ月・ホッキョクグマ・秋田男鹿)-母・ユキ(21)
(フブキくんの「おれ」は「お↑れ↓」)

ロッキー支配人(ホワイトタイガー・東武動物公園)

~ベビールームのウタ先生とおちびさんたち~4

ここは少人数制のベビールーム。
お母さんやお父さんがお仕事だったり、育児中に身体を休ませたかったり、さまざまな理由で赤ちゃんたちを預けることができる託児施設です。

広いイングリッシュガーデンを設えた老舗ホテルの一室にある、このベビールームは人気があり、いつも満室です。

ツキノワグマのウタ先生は、このベビールームのナニーです。
黒のロングワンピースに白襟、白カフスに白いフリルのエプロンを身に着けて、今朝も赤ちゃんたちがやってくるのをワクワクと待っています。

赤ちゃんたちはお母さんたちに連れられて次々とベビールームにやってきました。
お母さんに「いってらっちゃい」と手を振り、それから、被ってきた麦わら帽子と斜めがけにしてきた通園バッグを、それぞれの自分の棚によいちょよいちょと置くと、丸いローテーブルの周りにある小さな椅子に座りました。

ウタ先生 「さあ、みんな、あらためて、おはようございます!」
みんな  「おはよぅごじゃいまちゅ!!」

ウタ先生 「今日はね、暑いけれど風が心地良いので、午前中はお庭を散策しに行こうと思います」

ホウちゃん「わーい!うち、おしょとだいしゅき!」
アルン  「ぼくも、おしょとしゅき!」
楓浜   「ふうも、ふうも、おしょとちゅき!」
フブキ  「おれも!おしょとだいしゅきー!」

ウタ先生 「じゃあ、麦わら帽子を被って、お外に行きましょう!」
みんな  「はーい!!」

 

72: 名無しさん? 2021/08/01(日) 05:14:13.15 ID:9IjdV5RX0

ワイワイ ガヤガヤ キャッキャッ アハハ

ウタ先生 「シー!みんな、ホテルの廊下とエレベーターは静かにしましょうね。他にもお客様がいらっしゃるからね」
みんな  「はー…ぃ」

みんな、いつものように勢いよくお返事をしようとして、ハッと気が付いて慌てて小さな声でお返事しました。

でも、なんだかそれがおかしくておかしくて、おちびさんたちは笑い声が出ないように両方のお手てでお口をギュッとふさぎながらも、それぞれのお顔をキョロキョロと見合わせて、ついついクスクスと笑ってしまうのでした。

エレベーターを降りてロビーに入ると、
みんなは「おはよぅごじゃいまちゅ!!」と、ホテルの人たちに元気よくご挨拶しました。

ロッキー支配人「やあ!みなさん、おはようございます。今日も元気でいいですね ニコニコ」
ホウちゃん  「あんなぁ、これからな、うちら、おにわにいくねん」
ロッキー支配人「おぉ!それはそれは!いいですなぁ!みんなで何をするのかな?フフフ」
フブキ    「あのね!あのね!おしょとでね、カブトムシとかとるんだ!おれ!とくいだもん!」

赤ちゃんたちは、あっという間にロッキー支配人の周りを取り囲んで、口々におしゃべりし始めました。

 

73: 名無しさん? 2021/08/01(日) 05:15:22.24 ID:9IjdV5RX0

アルン    「ぼくはね、セミしゃんとるんだ!ママとおうちのおにわでね、セミしゃんみつけたときにね、ぼくもママもセミしゃんにとどかなくて、スーリヤおばさんがとってくれたんだ!だからぼく、きょうセミしゃんとって、スーリヤおばさんにぷれじぇんとするの!」

ロッキー支配人「ほぅ!アルンくんは優しいねぇ。きっとスーリヤおばさんもお母さんも喜んでくれますよ」
アルン    「うん!ニコニコ」

ホウちゃん  「ふうちゃんは、なにとるの?」
楓浜     「ふう、アリしゃんにごはんあげりゅの。とらないの」
ホウちゃん  「じゃあ、うちもアリしゃんにごはんあげよかな。いっちょにごはんあげような」
楓浜     「うん!」

ロッキー支配人「ふふ。みなさん楽しそうですな」
ウタ先生   「ええ。みんなお外に出て遊べるのが嬉しくて嬉しくてはしゃいでるんですよ」

ロッキー支配人「今日は風が心地良いですが、それでも暑いですから、ベビールームに帰ったら、冷たいものでも食べてひと息つくといいかもですなぁ」
ウタ先生   「そうですねぇ。お昼ごはん前ですけど、何か冷たいものを…冷たいもの…なにがいいかしら…」

ロッキー支配人「ふふ。ウタ先生、お任せください。ティールームのパティシエに、みなさんに良さそうなものを作るようお願いしておきますよ」
ウタ先生   「まあ!いいんですか?あの子たち、とっても喜びます!ありがとうございます!」

ロッキー支配人「いやいや、あんなに可愛らしい笑顔を見せてもらった、ほんのお礼です。ハハハ」
ウタ先生   「じゃあ、それを楽しみにそろそろ行ってまいります!」
ロッキー支配人「はい、行ってらっしゃいませ」

ウタ先生とおちびさんたちは、イングリッシュガーデンに入っていきました。

さてさて、お目々をキラキラ輝かせたおちびさんたちは、お庭でどんな風に遊ぶのでしょうか。

つづく

 

74: 名無しさん? 2021/08/01(日) 06:01:11.08 ID:8VrKXRks0
>>73
みんなきゃわわわ
遊び方も個性があっていいなあ

 

75: 名無しさん? 2021/08/01(日) 07:32:52.81 ID:1XtwjFVC0
>>73
館内を移動中のおちびちゃんたちの何と可愛らしいこと
作家さんありがとう続きが楽しみです

 

76: 名無しさん? 2021/08/01(日) 08:42:10.10 ID:zoh797OT0
>>73
かわいいかわいい~
朝からほっこりするお話ありがとうございます!

 

77: 名無しさん? 2021/08/01(日) 09:34:15.81 ID:5XITAQIN0
>>73
みんなかわいいね
新しい支配人登場だ
ほっこり優しい気持ちになるお話ありがとしゃん

 

86: 名無しさん? 2021/08/01(日) 13:07:01.16 ID:Q0n6tR4O0

>>73
ベビールームのお話大好き!
「はー…ぃ」からのお口押さえてクスクスのところとか可愛すぎて、作家さん本当に素晴らしいです
お話の続き楽しみにしております

 

88: 名無しさん? 2021/08/01(日) 15:25:54.63 ID:FEOPAJsQ0
>>73
可愛い。ヤンチャさん達がおすましして静かな声でお返事するなんて^_^お外は暑いから気をつけてね。