シンコさん誕生日パーティー会場にて
「次は 6.手芸作家タンタンの超高速ミシンがけ実演ステージです」
タンタン登場
「シンコさんお誕生日おめでとう
これからも元気でいてね
まずは私の愛用のミシンを紹介するわね」
隣には最新のコンピューターミシン…ではなく古ぼけたアンティークの足踏みミシンがあった
年季は入っているが磨かれてツヤツヤだ
「これは私が落ち込んでいる時に大好きな飼育員のおじさんがくれたものなのよ
芦屋のお屋敷で先々代の奥様が大事に使っていたものを譲って頂いたらしいわ
タンちゃんは手先が器用だからミシンやってみたら?
そう言ってくれて
それから二人で油を挿したり頑張ってお手入れして楽しかったわ
今は超高速で動かしても全然平気なの
今日はこのミシンである作品を作るわ、よろしくね」
そう言ってタンタンはミシンを動かし始めた
つづく
タンちゃん来たか!
カタンカタン タンタンタンタン♪カタンカタン タンタンタンタン♪
ミシンがリズミカルに動き出す
「しゅごい早いでしゅね。何ができるのかな、楽しみでしゅ」
「ピキー(楽しみでしゅ)」
カタンカタン タンタンタンタン♪カタンカタン タンタンタンタン♪
「さあ、できたわ」
タンタンが生地を裏返すと、それは赤地に白い水玉の小さなドレスだった
「わあ、おじょうさまみたい!きれいでしゅ」
「ピキー(きれいでしゅ)」
「さあ、プミちゃん舞台に上がって。これはあなたのドレスなの」
「ええっ!今日はおかあしゃんが主役の日でしゅ」
「いいのよ。独り立ち頑張って偉かったじゃない」
「プミちゃんのことは娘のように思っているの。とても誇らしいわ。だから受け取って」
「センパイ ピキー(舞台に上がるでしゅ)」
つづく
タンタンさんだけにカタンカタン タンタンタンタン♪のミシンがけ可愛い
ドレスを受け取り、着替えて出てきたプミ
ワーワー キレイダナ シンコサンニ ソックリ
場内がどよめく
「共布のリボンも作ったのよ。付けましょうね」
タンタンが大きなリボンを付けてあげた
「タンタンしゃん、素敵なドレスありがとしゃんでしゅ。プミもいつか、おかあしゃんのような素敵なレディになって、おとうしゃんのようなカッコいい男の子と結婚ちまつ!うわーんうわーん」
「バキムシャ泣かせるじゃないの、ねぇリーくん、あら?どこ行ったのかしらバキムシャ」
「涙を拭いてマドモアゼル、僕がエスコートするよ」
モジャがプミの手を取り場内を回り始めた
つづく