【Separation】part .1
~2018年11月~
もうすぐシャンちゃんとお別れだよって飼育員のお兄さんに言われたわ
そうね、あの子と別れるのは寂しいけど、あの子のパン生には一人立ちは必要よね
でもまだ小さいあの子はどうやって一人で生きていけるの?
まだ竹もあまり食べられないのよ
飼育員「大丈夫だよ、僕たちがちゃんと傍で支えるから」
本当に?あの子はお転婆でパワフルだけどまだ子供だわ
本当に大丈夫かしら
「ママ、あしょんで~」
「うん、これ食べてからねバキッムシャ」
「やだ、いまあしょぶのー」
「いい子にしててね」
そう言いながら私は足上げブロックした(私の得意技なのよウフフ)
しばらく食べていたら後ろからシャンがダイブして飛びかかってきた
「いたた」
まったく、飛ぶなんて技誰が教えたのかしら
「はいはい、待っててね」ハムハム
このわんぱくなこの子とももうすぐお別れだなんて、信じられないわ
寝る時間も削って必死に子育てして大切にしてきたわ
生きる術もこの世の厳しさも教えてきたつもりだった
いつか親離れして一人立ちして離れる覚悟はしてた
でもいざそうなると思うと辛くて悲しい
この子には内緒にしておいてと言われたけど、突然私がいなくなったら酷いショックを受けるんじゃないかしら
少し前から一緒に過ごす時間を減らしてるわ
数時間ぶりに会うとシャンちゃんは
「もーう、びっくりしたでしゅ、どこに行ってたんでしゅかプンスカ」と飛びかかってくるわ
とにかく、今から私も覚悟を決めて、悔いがないようこの子と大切に過ごさなきゃ
【Separation】part. 2
「シンちゃん、元気がないね」
「え?えぇ、そうなのよ、もうすぐシャンちゃんとお別れだと思うとあまり食欲がなくて」パクパク
「そうだね、でも皆通る道だよ 僕らも大好きなママとすぐに別れちゃって辛かっただろ?そうやって大人になっていくんだ
大丈夫、最初は寂しいけどシャンちゃんは強い子だよ
きっと乗り越えて立派な大人パンダになるよ」
「そうね…あの子の事、何年経っても絶対忘れないわ」モグモグ
「ねぇママ、何でさいきんいないいないでしゅ?」
「え、そうね…あのねシャンちゃん、ママね、もうすぐ会えなくなると思うの」
「そうでしゅか…え、えぇっ何ででしゅか、そんなのむりでしゅイヤでしゅ!」クビブンブン
「私もイヤよ、でもねシャンちゃんはこれからいっぱい食べて大きくなって、立派なパンダに成長していくのよ、それが大人になるという事なの」
「うっグスッグスッそんなのイヤでしゅ~!」
シャンはママの胸に抱きついて号泣した
「最初は辛いけど、私と離れても私はずっとずっとシャンちゃんの事を見守っているわ、これからずっとね、だから絶対大丈夫」
「ウッウッ」
「シャンちゃんの傍にはいつだってハンさんとチョウさんがいるわ、テヌさんもワカさんもね、何かあったらすぐに彼らを頼るのよ、私も離れた所からいつも応援してるから」
「本当でしゅか?」
ウルウルした目でママを見つめた
「ええ約束する、大好きよシャンちゃん」
【Separation】part. 3
~それから3年後~
ママの言う通り、シャンは立派なパンダに成長した
「トリャー!ニンジンいらないって何度も言ってるでしゅ!何でしゅかこの大きいのは!ジャンピングアタックでしゅ!」
テヌ「あ~あ、今日も暴れ太鼓だねえニヤニヤ」
チョウ「笑い事じゃないよ、こんなんじゃ向こう行ったら何て言われるか…」
ワカ「隣の部屋に竹筒入りドンゴロス用意しました」
チョウ「OK、これで落ち着いてくれるといいけど」
扉が開く
「ぬぬっシャンのお気に入り発見でしゅ
許してあげましゅよ」
ブンブンブンブントリャ-ブンブン
観客「キャーーー可愛い!!!」
「グフフこれをやるとみんな喜んでくれるでしゅシャンはアイドルでしゅからね」
【Separation】part. 4
~そして現在~
最近またみんな来なくなって、静かになりまちた
定期的に静かになりましゅ
だから、シャンは最近こっそり抜け出してこの施設内をおさんぽしてるんでしゅ
世の中にはいろんな動物シャンがいるんでしゅねぇ
すぐ近くにいるアルンというゾウしゃんと友達になりまちた
ここだけの話でしゅが、飼育員しゃんにないしょでまたママにこっそり会いに行ってましゅ
いつの間にかママは遠くの西園ていう所にいて、前にとなりの庭にいた大きいおじしゃんもいつの間にかこっちに移動していてびっくりしたんでしゅ
そしてなんと!シャンに双子の弟と妹が生まれたんでしゅよワァイ
シャオシャオとレイレイでしゅって
小さくってかわいいでしゅ、乳くしゃいでしゅけどね
「あ、シャンちゃん、今食べなきゃいけないからあの子達を見ててくれる?最近高い木に登るから危なくって」
「あい、分かりまちた」
「あ、ねえねでしゅ、あしょんであしょんでー」
「いいでしゅよ、今日はダイブの仕方を教えてあげましゅ、パンダは飛べるんでしゅよエヘン」
「え~しゅごいでしゅ」
「こら、そんな事教えたらだめよ、めっ!!」
「だめでしゅか~いいと思ったのになぁプミ-」
またシャンちゃんに会えるようになって、シャオレイも生まれたし、リーくんもすぐ傍にいてくれるし、食べ物は美味しいし、今が一番幸せだわ
もちろん飼育員さん達はシャンちゃんと会ってるなんて誰も知らないけどね
ずっとこのままがいい
これからもずっと一緒に………
──完──
読みづらくてすみませんペコペコ;
ちくしょう
涙が止まらない
>>61
ゴワゴワなしには読めましぇん…。・゜・(ノД`)・゜・。
大好きなかあしゃんにいつもまとわりついてたチビシャンを思い出しまちたよ
本当に一家が東園と西園を行き来して楽しく暮らしてたらいいのにな
>>63
全然読みづらいことなんてないです!
素敵なお話をありがとうございました
なんとなんとなんと!ゴワゴワ案件ですよ
あの子の幸せが私たちの幸せです
こっそり抜け出していろんなお友達を作ってるなんてシャンちゃんっぽいなー
お約束のプレーリードッグの前は何か話しかけながらかな?
イソップ橋は坂を駆け下りながらキャッキャ言ってるかな?
ゴワゴワ、次貸してください
シンシンママは日々の生活も子育てもまずは自分の食を中心にしていてぶれないのが頼もしいです
ママの食欲を受け継いですくすく育っていろんなお友達と仲良くねシャンちゃん
>>61
とっても素敵なお話をありがとシャンです
シャンがシンコさんと過ごす最後の日に、ミルクを飲んでるシャンをシンコさんが抱き締めていたのを思い出しました
シンコさんは最高のママさんです
わたくしもゴワゴワお借りしましゅジュルジュル
皆さんとても温かいお言葉ありがとうございました!
ママとお別れした現在もママと会ってるんじゃないかと妄想して書きました
別の物語を思いついたらまた書かせていただきますね
ペコしゃんでちたか!
ぜひまた楽しいお話お待ちしておりましゅよ~♪
ありがとうございます!
凄く嬉しいです
お礼に白い恋人とロイズのポテトチップチョコレート送りますね