おしゃべり妖精二人組-2020/10/23(金)

もりまもる
雨でも彼は森の巡回を休まない
するとおしゃべり妖精二人組も彼の前に姿を現した

「聞いてくだしゃいよ！むこうにある高い木に登ろうとしたらつるつるの何かが邪魔して登れないんでしゅよ
こんなりふじんなことってありましゅか ありましぇんよねっ」ｸﾋﾞﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

「うちの先輩が困ってるんやで 森の番人やったら何とかせい ワーレー」

もりまもるは一緒にその木のところへ行き つるつるした何かを取り除くと ｸﾋﾞﾌﾞﾝﾌﾞﾝがするすると木に登り「わぁ」とつぶやき景色を眺めていた

ワーレーは大きな葉っぱの下で雨宿り
「うち、雨の日に木登りするのまだ怖いねん
先輩な、今度違う森に引っ越すかもしれんのや だから木に登ってここの景色たくさん見たいんやて」

「そっか、君たちもだんだん大人になっていくんだね」

「ワレも引っ越したことあるんか？」

「あるさ」

「そうなんや…うち、さみしいやで」

「またいつかどこかで会えるさ」

ｸﾋﾞﾌﾞﾝﾌﾞﾝがおりてきて鼻の穴をおっぴろげ目をキラキラさせながら「ありがとしゃん」ともりまもるにお礼を言った
もりまもるはこの景色をずっとずっと覚えていてほしいと思ったのだった