ひとりきりのランウェイ34
~ある日の王子動物園内、旧ハンター住宅~
カタンカタン タンタンタンタン♪カタンカタン タンタンタンタン♪
ミシンがリズミカルに動き出す
フゥ
(さて、ミシンで出来ることは終わったわ 後は手縫いで仕上げをしましょ
レースやビーズを縫い付けて…)
チクチクチクチク♪ チクチクチクチク♪
「タンタン、今度は手縫いかい?ピンクのドレスは仕上げ直したんだろう?」
「うん、おじさん、私バイトに行ってきた良かったわ こんなに素敵なレースを譲ってもらえて、デザイナーの方からアドバイスも頂けたのー」
「こんなに素敵なドレスを見たらリーリーくんも感激するよ」
「エヘヘそうだったらいいなあ♪」
「来月はタンタンのお誕生日だね 動物園でメッセージを募集してるけど、たくさん届いてるよ」
「本当?嬉しいわウフフ」
「また皆でパーティーするのかい?」
「まだわからないわ」
つづく
ひとりきりのランウェイ35
「タンタン最近忙しいだろう あまり無理しないでこのお屋敷に数人呼んで、ティーパーティーでもしたらどうだい?」
「おじさん、アフターヌーンティーセット買ってくれたものねニコッ」
「3段のねフフフ あっ、でもあれ使ったらタンタンがもてなすことになって忙しいなあ」
「どこかの国では誕生日を迎える本人がもてなすって聞いたことがあるわよ」
「タンタンらしいかハハハ」
「でも本当に無理しないでな おじさんはソウソウには…あっ、このお話ではタンタンだったね」
「ソウソウでもタンタンでもいいのよ 両方私の名前だから」
「爽爽…爽やかが2つなんていい名前だね ソウソウにはずっと元気で長生きしてほしいと思ってる こんなこと言ったらダメなんだろうけど…ずっとここにいて、おじさんの側にいてほしいと思ってるよ……」
つづく