ひとりきりのランウェイ54
「リーリーくん、大丈夫なのー これを掛ければねウフフ」
タンタンがリーリーの頭にベールを被せた
「ちょっと厚めにできているから、誰にもリーリーくんだってわからないはずよ それにね、皆には有名なショーモデルさんだって言ってあるの」
100「リーリーさん!どんなショーモデルよりキレイですよ、自信持って下さい!さあ、ブーケを持って!」
「わかった、僕行くよ」
その時だった!
ムクリ パチッ キエー キエー…
ついに伝説の男が覚醒した
ゴゴゴゴオォーーーッ!
「伝説の照明師 松平組のプミとは俺のことよぉ 東はSKD(今はなき松竹歌劇団)、西は宝塚、白浜組と組んで踊り子さん達を照らしたら、誰も右に出るもんはいなかったのぉ?白浜のぉプミーッ」
「ピキーッ!(い、いつの時代の話でしゅか!ご先祖様が降りてるんでしゅか?プミ七郎さんイヤ、プミ六郎さんあたりでしゅかね…ブルブル)」
つづく
ひとりきりのランウェイ55
パカパカァーン パパパーン♪
パカパカァーン パパパーン♪
パーンパーンカパララーラ…♪
リーリーが純白のドレスで登場してきた
わぁ、花嫁さんステキね~!
有名なショーモデルさんなんだって~!
やっぱり背がスラーッと高いなあ~!
照明もキレイね~温かみがあるわね~!
(リーくん、ベールを被っても私には見える、キレイな鼻筋とつぶらなおめめウフフ)
ワーパチパチパチ!ガヤガヤガヤガヤ…
「私は花嫁さん…有名なショーモデル…」
リーリーは自分だとバレたくない気持ちとお客さんに見られで嬉しい気持ちが交錯していた
颯爽とランウェイを、歩きながらいつしか「カ・イ・カ・ン」と呟いていた
その頃、天井では…
「キエー!キエー!でちたちよ、立ち上がれ~!」昭和時代の照明セットを巧みに操るプミ九郎、プミ○郎?
「ピッピ(こんな大掛かりな照明、いつ持ち込んだの~)」
ガシャンガシャーン
「コンピュータが、ナンボノのもんじゃーい昭和バンザイプミーッ」
「ピキー!(ヤケクソバンザ~イ!)」
つづく
ひとりきりのランウェイ56
「ピキピキー(プミ九郎さん、大成功じゃないでしゅかね あれ?いない?)」
ヨイショヨイショ 天井から降りるピキ太
「ピキ子さん、何をしているの?早くドレスに着替えてメイクも済ませなちゃいプミーッ」
「ピッピ(あれ、ピキ九郎さん、ドレス着てメイクしてるでしゅ)」
「わたくちはプミ子よ、さあ早く準備をちて」
「ピキちゃん、お誕生日おめでとう これはあなたのドレスよ 実はねラウちゃんが作ってくれたのー」
「ピキー!(えっ、ママが?ママはお裁縫得意じゃないでしゅ…)」
「プミちゃんのドレスを見て、どうしても自分で作りたいと言って私のところに習いに来てくれていたのよ」
「ピキーピッピー!(ウワーン、ママァー)」
100「メイクが取れちゃいますよ、さあ涙を拭いて行ってらっしゃい!」
つづく
今更気付きましたが、ピキ九郎→プミ九郎です
他にも何ヵ所か間違いありました
すみません
ひとりきりのランウェイ57
小さな2人のパンダがランウェイに出てくると、リーリーを真ん中に手を繋いだ
「 モデルはんと手を繋いでるの、あれ、うちの娘ですねん、可愛いやろ?やろ?」
「あや、可愛いわぁ…小さな私の赤ちゃん…こんなに大きくなって…涙」
「リーくんとプミが手を繋いでる…何よりのプレゼントね…私への…」
~~
100「タンタンさん、出番ですよ エンディングにはデザイナーさんの挨拶があります」
「えっ、恥ずかしいなの…リップ赤すぎない?」
100「舞台用メイクですからね、これくらいでちょうどいいですよ そしてこれを被って下さいね」
そう言ってボブのかつらをタンタンに被せた
「コシノ…タンコなの…ね?」
~~
デザイナー、コシノタンコ先生の舞台挨拶も終わり、ショーは大成功で終わった
つづく
ところで今日
シンシンとの間仕切りのガラスの目隠し外したのってリーリーへの誕生日プレゼント?