梅梅保育園-2020/07/26(日)

梅梅保育園

ここは、地上からうんと離れた空の上にあるパンダの国
ここにパンダの保育園、梅梅保育園がありました
園長の梅梅先生はお口グルグルが得意で、みんなはそれをしてもらうのが大好きでした

コンコン♪
園長先生のお部屋をノックする小さな手がありました
「はいどうぞ」
カチャ　ﾖｲｼｮ
「園長先生、お願いがあるの」
「あるの」
「あら、どうしたの？」
梅梅園長先生のお部屋を訪ねてきたのは双子の男の子達です
「今日ね、ねえちゃんのお誕生日なの」
「お誕生日なの」
「あら、そうだったわね　お姉さんは小雅ちゃんだったわよね」
園長先生は何でも知ってます
「うん　それで園長先生にお願いがあるの」
「あるの」
「なあに？」
「いい子でいましゅから、きょうだけねえちゃんにお誕生日おめでとうっていいたいの」
「いいたいの」
「そう、困ったわね　お空の上から言うのではダメかしら？」
「あのね、かあちゃんとねえちゃん時々泣いてるの」
「うん、だからちんぱいしないでっていいたいの」
「そう　でも、お母さんやお姉さんの所に行ってもあなた達は気が付いてもらえないかもしれないけど、それでもいいの？」
「うん、いいの」
「いいの」
園長先生は暫く考えました
「わかりました　行ってきていいわよ　ただし、あちらの時間で夜中の12時になったら自動的にあなた達はこちらに戻ります　いいですね？」
「あいっ」
「あいっ」
「では目を閉じて　お母さんとお姉さんのことを思うのよ　次に目が覚めた時はおうちにいることでしょう　でも気が付いてもらえなくてもがっかりしないでね」
「うん、だいじょうぶ」
「だいじょぶ　ねえちゃんにはお誕生日おめでとう　かあちゃんには心配しないでっていうから」
「こちらに戻ってきたら、けんちゃんとヒゲダンスの練習がありますからね」
「あいっ」
「うん、ちゃんと練習するよ」
こうして二人の男の子は園長先生の計らいで、地上に降りて行きました
それはふわふわとした小さな光でした