小さなしるし-2020/07/30(木)

梅梅保育園　小さなしるし

地上に残してきたかあちゃんと小雅ねえちゃんが気になる双子の男の子達
梅梅園長先生に頼んでねえちゃんのお誕生日にほんの少し地上におろしてもらい、無事に戻ってきました

園長先生は二人に聞きました
「おうちはどうでしたか？」
男の子達は答えました
「うん、かあちゃんはいっぱいごちそう作ってねえちゃんのお誕生日をお祝いしてたの」
「ケーキは二人で作ってた　大きいのを作ってたよ」
「そうだったの」
「でもね」
「どうしたの？」
「かあちゃんが『たくさん作りすぎちゃったわね』と少しさみしそうに言ってたの」
「言ってたの」
「そう、それで？」
「そしたらねえちゃんが、『明日、シャンちゃん達をよんでみんなでケーキを食べていい？』とかあちゃんに聞いてたの」
「かあちゃんは『もちろんよ　ちゃんと手を洗ったりするんだよ』と言ってたの」
「じゃあケーキは次の日にみんなで分けて食べたのね」
園長先生は少し安心したように聞きました
「うん、ぼくだちもちょっと食べたの」
「食べたの　おいしかったよ」
「あらあら」
二人はケーキをちょっとだけつまみぐいしたのでした

そして、次の日
「わーいケーキでしゅ　ありがとシャンでしゅﾌﾞﾋﾋー」
「シャンちゃんは美味しいものを食べる時はお鼻が膨らむのよねｳﾌﾌ」
「そ、そうでしゅか？　あれっ？」
「どうしたの？」
「このケーキ、少しへこんでましゅﾌﾟﾐｰ」
「どこ？　あっ」
「どうちたんでしゅか？　小雅ちゃん」
「ううん、なんでもないよ　さあ、食べてね」
小雅ねえちゃんはそのへこみが何なのか、すぐにわかりました
そして愛おしそうにそのへこんでるところを見ました
ケーキには小さな手形が二つ、ついていました
「（来てくれたのね　大丈夫、かあちゃんもねえちゃんも元気だからね もう、心配させないからね）」
小雅ねえちゃんは心の中で呟きました