プミせんぱいお待たせやで〜
長靴にいさん、うちの顔見えてますやろかー?
はいはーい見えてますよー声もオッケー。
ピキちゃん元気〜?
長靴氏とてぬぐい女史が手を振る。ピキ子は手を上げて応える。
うむ。うちはこの通り順調に成長してるやでー
ピキしゃん、うんち終わりまちたか?
てすてす、まいくのてすとちゅうー聞こえましゅかー
「今度はバッチリや。ってあれ?せんぱいのヘッドセット・・・ガムテープて補修したん?ヤバない?(やっぱ壊れたんやな)」
「やまんばではないでしゅが、まねしてもいいでしゅよ。グフフ」
「いや、ウチはええわ。っちゅーか真面目な話、せんぱいめっちゃ稼いでんのに、新しいのないの?お国も案外ケチなんやなあ」
「いかにも、プミは・・・(両手をじっと見ながら)じゅう・・・まんえんのおんなといわれていましゅが、おとなのじろうでしゅから」
「・・・。(どこからツッコんでいいのかわからへん・・・まだ未熟者やでウチは・・・)」
「はりゃ?むずかちかったでしゅか?グフフ
ちちくしゃいピキしゃんにはまだはやい話でしゅね。エッヘン」
「ピギャー!うちはもうとっくにちちくさくないで!ちちくさいのはこっちや」
ピキ子は斜めがけにした抱っこスリング(タンタンさん作)から、小さな妹の姿が見えるようにそおっとカメラに向けた。
「うちの弟、いや妹や。かわいいやろー?」
おおお。どんどん大きくなってる。
どよめく長靴氏とてぬぐい女史。なんと素晴らしい生命力・・・
得意げな顔のピキ子。
「ミルクたくさん飲んで元気いっぱいや。さっきもなーうちがトントンしてやったら、めっちゃもりもりウンチでてビビってん!才能やなこれも!妹すごいかもしれん!」(姉バカ止まらず)
プルプルルッ プルップー(さいおねえしゃん、このパンダさんとにんげんさんはだれでしゅか?)
「そやった。にんげんのほうはプミせんぱいの弟子やで」
ブッ(飲みかけたコーヒーを吹き出す人間)
弟子!?
反論したい二人であったが大人なので黙っておいた。
頭が平なパンダの方がプミせんぱいや。プル子、挨拶できるか?
「プルルン(はい。できましゅ)
プルー・・・プルップープミプルルン プルップル(ええと、プミしぇんぱいはじめまちて。なまえはまだないのでちゅが、ここではプルはまとよんでもらってまちゅ。よろしくおねがいしまちゅ)」
これはすごい!しっかりしているなあ!
プミの隣でモニターを見ている長靴氏たち、目を丸くして驚いている。
ほら、シャン子ちゃんも挨拶しよう。自己紹介は毎日練習しているからできるでしょ?(小声)
「・・・・けっけが光ってましゅ・・・スーパーヤサイじんでしゅか・・・ズササ・・・(後ずさる)」
「シャン子、パンダの赤ちゃんだ。シャン子ちゃんはじめましてって挨拶してるんだよ。(たぶんだけど)(飼育員の勘ってやつ)」
「そ、そうでしゅか。ドキドキ
は・・・はじめまちて・・・プミといいましゅ・・・・・・」モジモジ(人見知り発動)
「あらら、シャン子ちゃん緊張してるね」
いつもはしっかり自己紹介できるのになあ、と目配せする長靴氏とてぬぐい女史だが、プミの人見知りは想定内でもあった。
「ピキー(プル子、プミせんぱいに特技を聞くんや。それで調子が出てくると思うわ)(ウチのときもそうやったしな)」
「プルァ(はい。わかりまちた)」
プルルン プミプルル プルプルッ?(あたちのとくぎは、おかおをかくちゅことでちゅ。プミしぇんぱいのとくぎはなんでちゅか?)
とくぎでしゅか
プミの瞳がキランキランと輝く。
「グフフ それは・・・おにわのせんていでしゅよ」
「プルルィ?(ちぇんてい?)」
プル子は姉を見上げた。
「プル子、剪定いうんは、庭を美しく整えることや。木を切ったりな。プミせんぱいは木を切ることが得意なんや」
「プルルゥ」
プミは画面に乗り出し、鼻をおっぴろげながら続けた。
「わたくち、親方ともよばれていましてね、でちたちもたくさんいるんでしゅ。エッヘン
どんなにぼーぼーのおにわでも、またたくまにはげちらかしましゅ
プ、プルしゃんもやってみましゅか」
「プルルゥ!(はい!もうすこしおおきくなったら、やってみたいでちゅ)」
「あい、わかりました。
ピキしゃん、けいやくをおねがいしましゅ。しゅみやかに」
「オッケーまかされたで。
話がまとまったところで、そろそろ始めよか〜」
なにを?プミミ?
プミ以外ズッコケる。
「せんぱい、毎年恒例のアレや。今年一年お疲れ様会や」
「そうでちたね。じゅんびはばんばんじーでしゅ」
「よっしゃ、ではいくでー。
2020年!今年もがんばった大賞!」
「それでは〜カウント〜」
プルルン!(ダウン!)
・・・
・・・
「ま、まあおやくそくというやつでしゅからね
プミはもうおねえさんでしゅから。気にしましぇん」
「うちも狙ってへんかったし〜」(貼ったまゆげを取りながら)
妹、美味しいとこ取りしてもう寝てしまいそうや
おかんに預けてくるからちっと待ってて〜
あい、わかりまちた。いってらっしゃ~い