「……Zzzz……」
冬仕様になった芝生の上で、プミはへそ天で気持ち良さげにイビキをかいていた。
「あーあ。プミ先輩寝てもうたな、今からご馳走やっちゅうのに」
「うふふ。起こすのも可哀想だから寝かせてあげよう」
「せやな」
「シー やで でちゅ プルプル」
その頃、プミは夢うつつだった。
友達の声は聞こえていたし、お腹も空いている。
「起きましゅかね ヨッコイショ」
「フォッフォッ 久しぶりじゃのう、シャン子」
「じいじでしゅか!わーい!会いたかったでしゅよ」
プミは喜びのくるりんぱを披露し、さっそく祖父を喜ばせた。
「じいじ!聞いてくだしゃい。プミ、お姉シャンになったでしゅよ。弟と妹ができたんでしゅ!」
「もちろん知っておるぞ?さっき抱っこしてきたわい」
じいじは嬉しそうに目尻を下げる。
「二人ともシャン子の小さい頃にそっくりじゃの。フォッフォッ」
「あい。ちまたでは びじんの姉にそっくりしゃんと言われてましゅよ エッヘン」
「フォッフォッフォッ。さすがわしの孫達じゃ。さて、シャン子の顔も見られたし、わしはそろそろ帰るかの」
「ええ、もう帰るでしゅか?もっとお喋りしたいでしゅよ」
「今夜は空の上の老パン会でも忘年会での、わしが幹事なんじゃよ」
「何時でしゅか?プミミ?」
「フォッフォッ。シャン子にはまだ難しかったかのう」
キョトンとした顔のプミの頭を、じいじはぽんぽんと撫でた。
「皆もシャン子に会いたがっておったが、切符が一枚しか取れなんだ。じゃが、わしらはいつも空から見ておるからの。応援しておるぞ」
「あい。じいじ、また会えましゅね」
じいじは大きくうなずき、洞窟の奥へと入っていく。
周りが眩しく光り、やがて静かになった。
様子を見守っていたいなしゃんもススウと消えた。