ママの誕生日 その1
今日は愛するつまの誕生日
何かプレゼントを思うけど、何もいらないと言う
俺とむすめが元気でいてれればそれでいいと
その気持ちはとても嬉しいが、でも何かしてあげたい
するとむすめが俺にたずねてきた
「ねえ、パパ ママは何もいらないと言ってたけど、ケーキくらいはあったほうがいいよね」
「そうだね そういえば今日はケーキ屋さんの仕事だと言ってたね 変装してこっそり買いに行くか」
「わーい ケーキが食べられる いこいこ、パパ」
「本当はシャンが一番ケーキを食べたいんじゃないの?」
「しょ、しょんなことないもん プミー」
「普通の変装じゃつまんないからちょっとドラマチックにしよう」
「じゃあ、シャンはおじょうさまがいい おねえたまとかいうの」
「パパがおねえたまになるの?」
「うんっ」
「しょうがないな どこかにかつらがあったような(ガサゴソ)あ、あった ワンピースもこれでいいか」
「シャンはこのよそいきのお洋服とママのお帽子借りるね」
「汚さないように気を付けるんだよ」
「うん、だいじょぶ」
「シャン、ママのお化粧品借りるね オシロイペタペタクチベニヌリヌリ」
「(裏声で)さあ、シャン子 いくわよ」
「あいっ、おねえたま」
うん、これで完璧だ
こうして女装した俺リー子と妹の設定のシャン子はケーキを買いにでかけた
ママの誕生日 その2
店に着いたら俺はできるだけ裏声で話した
「いらっしゃいませ ニコニコ」
接客するつまもかわいい
ケーキは奮発して一番大きいサイズにした
不安になりちょっと財布を開いて中身を確認する
なんとかぎりぎり大丈夫だ
「では、その8号のケーキでお願いね コホン」
「おねえたま、それでいきましょう コホン」
むすめも真似をする
「バースデーケーキでしたらメッセージを入れることができますが、なんて入れましょうか?」
店員のつまが尋ねた
メッセージか どうしよう
考えた俺は紙に書いてつまに渡した
「はい、これですね 少々お待ちくださいね」
メッセージを書いてもらい、ケーキを受け取った 暑いので保冷剤は少し多めに入れてもらった
「ありがとうございました」
次は花屋に行って花束を買おうか でも予算だいぶ減ってしまったな
その時だった
ドスドスドスドス
「お客さまー」