（お話）夏休みの宿題２０２４　1ｸｼｸｼ〜2ｸｼｸｼ-2024/09/03(火)-作：おちりニキさん

～夏休みの宿題２０２４　1ｸｼｸｼ

今日は8月31日
今年は9月1日が日曜日、学校は2日から新学期なのである
ここ、上野の森の某家でも子供たちは夏休みの宿題を無事に終えて…のはずだが

「2人とも、夏休みの宿題は終わったの?ﾊﾟｷﾑｼｬ」
「うん、だいたい終わったわ　学校はあさってからだからだいじょぶよ　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「ﾋﾟｺﾋﾟｺ　さすがレイちゃん、わたくちみたいにちゃんと宿題できてるんでしゅね　あれ？シャオ坊は？」
「うん、ぼくもだいたいできてゆ」
「朝顔日記か　どれどれ見せてごらんｸｼｸｼ」
「あさがおにっき

たねをうえました
めがでました
くきがのびました
花がさきました
はっぱがたべられてました
いもむしさんたちがいました
おかあさんにいったら「あら、はっぱを食べられちゃったのね　ｳﾌﾌｺﾞｸﾘ　といってました

おわり」
「ﾋﾟｺﾋﾟｺ　これ、どこかで見たことある文章でしゅね」
「ねえねの観察日記をコピーしてるじゃないの？　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「コピーじゃないもん、おりじんべんとうだもん」
「オリジナルよ　ﾍﾟｼｯ」
「シンちゃん、その後どうしたんだろう　ミステリーだ　ｸｼｸｼ　シャオ君、読書感想文は？」

～夏休みの宿題2024 2ｸｼｸｼ

「今読んでゆ　この本だよ」
「どれどれ…『罪と罰』　いやシャオ君、いくらなんでもこれは難しすぎだよ　明日まで読み終えるのは無理だと思うよ」
「うん、むずかしいの　絵がないんだよ　ﾍﾞﾋﾞｰ」
「もうちょっと読みやすいのはないのかい？」
「今から読めるのって、青いジャケットを着たうさぎの話とか、青いジャケットに赤い帽子のくまの話とかは？　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「うん、それ少し読んだよ　青いジャケットのうさぎは、おとうさんがまくどなるどさんにつかまってパイにされるんだよね　ﾍﾞﾋﾞｰ」
「キャー（裏声）　あれそんなに恐ろしい話だったの？」
「マックレガーさんよ　ﾍﾟｼｯ」
「あら、パイがどうかしたの？　ｳﾌﾌｼﾞｭﾙﾘ」
「あとね、ベルリンに双子のパンダの赤ちゃんが生まれたから、ベルリンに行って観察日記を書くの　ﾍﾞﾋﾞｰ」
「今からじゃ無理よ　飛行機代も時間もないのよ　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「そか」
「工作はできたのかい？　ｸｼｸｼ」
「あ、まだだった　んとねー、ロケットつくりたいの」
「ロケットか　少しなら手伝ってあげるよ」
「発射台もつけるの」
「あれはちょっと細かいよ　じゃあ今から作るよ」
「あとねー、トイレットペーパーの芯と牛乳パックがいるんだって」
「あら、今朝資源回収に出しちゃったわ　どうしましょう　ﾊﾞｷﾑｼｬ」
「もう、シャオ、ちゃんと前から用意しないからこういうことになるのよ」
「いいもん、ぼく、奥の部屋でがんばるもん」
「ああ、今年も最終日は記憶が飛んでいきそうな予感が(頭を抱える）」

こうしてなぜかパパの記憶が飛んでいく夏休みは終わりを迎えようとしているのでした

おしまい