（おちりニキさん新作）「切手を買いに」-2024/12/16（月）

ある日の午前10時30分
今日は、クリスマスマーケットで売られている限定の切手シートを買いに行く日です
それは、上野の5頭のファミリー切手です
シャオ君とレイちゃんは中国のパパから切手を買って欲しいと頼まれていたのでした

ｺﾝｺﾝ
「シャオ、準備できた？　ﾊﾞﾌﾞｰ」
ｶﾁｬ
「あ、レイちゃん　ちょっと待って　リモコン作動させるから　えーと、どれにしようかな　ﾍﾞﾋﾞｰ」
「『ひるね』でいいわよ　あたしはやぐらの上で寝てることにしたわよ」
「じゃあ、ぼくはお庭の裏で寝てることにする」
「お金ちゃんと持った？」
「うん、持ったよ」
「じゃあ行くわよ」
「整理券もらうんだよね？」
「先着順になったんでしゅって　一人一枚だから毎日通わないとね」

二人はおしゃべりしながら公園の中を歩いて行きます
「パパは何枚いるって言ってたの？」
「えーとね、ねえねとママとパパ用でしょ　それから保存用と何かあった時の予備とかでしゅって」
「えーそんなに？　ぼくたちの分も買うんだよね」
「もちろんよ」
「ねえ、あそこの人じっとしてるよ　こんにちわって言ってみようかな」
それはパフォーマンスをしてる人で、薄着でヨガみたいなポーズでじっとしていました
「もう、寄り道しないの　行くわよ」
二人はクリスマスマーケットの会場に向かいます

〜パフォーマンスの人〜

〜クリスマスマーケット〜

ﾖｲｼｮﾖｲｼｮﾍﾞﾋﾞｰﾊﾞﾌﾞｰ
「ふぅ、着いたわ　切手の列は…もうこんなにならんでるわﾊﾞﾌﾞｰ」
「おーい、二人とも　こっちだよ」
「あ、ポンお兄ちゃん」
「ここの後ろが最後だよ」
ポン君は一足先に到着していました
ポン君が最後だったので、二人はその後ろに並びました
「ありがとう、ポンお兄ちゃん」
「買えるといいね」
「うん　わあ、大きなツリーがある」
「シャオ、登ろうとしたでしょ　ダメよ　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「エヘヘ　バレたか」
「そういえば、カフェのクリスマスツリーの飾り付けは終わったの？　高いところは手伝ってあげるよ」
「ありがとう、ポンお兄ちゃん」

ﾄﾞｽﾄﾞｽ
「ポンお兄ちゃーん、シャオ坊、レイちゃーん　ﾊﾟｵﾝ」
続いてアルン君がやってきました
背中にはキョウコさんが乗っていました
「アルンお兄ちゃーん、こっちー」
「よいしょっと　アル坊、ありがとうね　みんな、お茶とゆで卵持ってきたからお食べなさい」
「キョウコママ、ありがとう」
「わあ、キョウコおばしゃん、ありがとう」
「ありがとうー、ゆで卵、ぼくは上手にむけるよ　ｸﾙﾘﾝ」
「ゆで卵の殻はこの袋に入れなさいね」
「はーい」
わいわい話しながら販売時間の11時まで待っていました
そして行列の最後にまた一人やってきました
それは大柄な女性でした、いえ、女性に見えました

ｴｯﾎｴｯﾎ
「ふぅ、メイクとワンピースを選んでいたら遅くなったわ　それにしてもあそこのアレとここのアレが繋がっていたとはね（裏声）」

そして11時になり、みんな無事に切手シートを買うことができました
シャオ君は切手売り場のおねえさんに「じゃいあんとしんこくだしゃい」と言ったことは内緒です
「みんなかわいく写ってるわね　額に入れて飾っておこうかね」
「シャオ、またあたちの上に乗ってるし」
「えへへ」
「じゃあ、帰るよ　ﾊﾟｫﾝ」
「うん」
「あ、そうだ　俺、お昼買ってから帰るけどみんなはどうする？」
「うん、買う」
「そうだね　買って帰るかね」
みんなはそれぞれのランチを買って会場を後にしました
「ねえ、さっきの人は？」
「あのポーズしてた人？　あ、休憩してるわよ　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「気合が足りないよ　そういえばさっき並んでた時に大きなお姉さんがいたよ　ﾊﾟｵﾝ」
「ああ、いたわね　どこかで見た覚えがあるんだけど…誰だったかしらね」
「パパに似てたような　まさかね　ﾊﾞﾌﾞｰ」
「パパは中国だよ　ねえねは雪の中をコロンコロンしたんだって　いいなあ　ﾍﾞﾋﾞｰ」
色づいた木々の間を、みんなでおしゃべりしながら戻って行くのでした

おしまい

作・写真：おちりニキさん
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