年忘れ!がんばった大賞2021

ここは洞窟カフェの一角。今日のために準備された特設スタジオである。
仕切りのアクリル板は、プミが昨晩のうちに破壊してしまいガムテープで補強されていた。

設営をしたのは一家の大黒柱であるリーリー。
いなしゃんはリーリーが気づかないうちに手伝いをして、ススウとどこかへ帰っていった。

現在キッチンではリーリーがパーティ料理の準備中。妻は笑顔で味見をしている。
一方、特設スタジオも子供達の声で賑やかだ。

「アー。まいくのてちゅと バブー」
「ふがふが ベビー」
「ねえね しゃおがおくちに バブー」
「ああん、しゃおくんメッでしゅよ。これはマイクでしゅから、食べ物じゃないでしゅ」
「まいく?ベビー」
「あい。これに向かっておはなしするでしゅよ。わたくちが見本を見せましょうかね エッヘン」

ピキ

「ちょっと待ちやーうちのことを忘れたらあかんで」

よそゆきのジャケットを着た子パンダが、小さい子パンダを連れてやってきた。

「うちらも来たで」
「きたでー プルプル」
「ピキしゃん、おトイレ終わったでしゅか」
「ピギャー!トイレちゃうわ。おっちゃんとおばちゃんに挨拶しとっただけや。プル子、先輩にも挨拶やで」
「プミおねえちゃま こんにちは。あねがいつもおせわになってまちゅ プルプル」
「あい、プルしゃんこんにちはでしゅ。わたくちもあねになったんでしゅよ グフッ」

プミは目を細めて、片手に持っていたおりんごをショリショリと食べた。
双子たちはそれぞれプミの体にまとわりつき、りんごに手を伸ばしている。

「ねえね これなあに? ベビー」
「いいにおいでちゅ バブー」
「ああん、これはだめでしゅよ ふたりとも おなかしゅいたでしゅか?」
「よっしゃ!ミルクの時間やな。外に哺乳瓶係りの希望者が並んでんねん」

ピキ子はニチャァと笑い、エアーソロバンをパチパチと弾いた。

「お一人様10秒5,000円や。良心的やろ?あ、おっちゃん来た」
「エッホエッホ そろそろミルクの時間だからね」

エプロンをつけたリーリーがやってきた。2本の哺乳瓶を手にホクホク顔だ。
双子を抱き上げて椅子に座ると、さっそく哺乳瓶を持たせている。

「ピキしゃん、ミルクタイム始まったでしゅね」
「ハァ〜しゃあない。並んでるにんげん達にゴメンナサイ言うてくるわ」

外に出ていったピキ子は、小雅と小雅ママと一緒に帰ってきた。

ピキ
ピキ子

「そこで二人に会ったでー」

 

小雅
小雅

「こんにちは。おかあちゃんと来たよ」

「皆さんこんにちは。ご招待ありがとうねえ、おばちゃんも来て良かったのかねえ」

小雅ママは重そうな風呂敷を両手に抱えている。その形から中身はお重箱のようだ。
リーリーは双子の哺乳瓶を支えながら「もちろんです」と言った。

「今日は忘年会ですから――っと、シャオくんもう飲んだの?」
「おやおや、双子ちゃんはミルクの時間だったねえ」
「いやあ二人とも食欲旺盛でハハハ。誰に似たのか つまかなあ テレテレ」

ドスドスドス

「あら…クンクン いい匂いがするわね… チョットジュルリ」
「シンちゃん。小雅ちゃんと小雅ちゃんのママが来てくれたよ」

「まあまあ二人ともいらっしゃい。ゆっくりしていってね ウフフ」
「シンコさんこんにちは。これ少しだけどねえ…作ってきたからどうぞ食べてやって」

「あらあら 気を使わなくて良かったのに あらあらウフフ」

シンコは満面の笑顔で、小雅ママからお重箱を受け取っている。

「小雅しゃんも好きでしゅか?おりんご」
「おりんご?うん!大好きだよ」
「良かったでしゅ。サンタしゃんにおりんごをたくさんもらったでしゅから、食べてくだしゃい」
「いいの?ありがとう!えへへ」

小雅はプミの隣に座って、嬉しそうに頬を赤らめた。

「じゃあ小雅がみんなの分も剥いてあげるね」
「あい。ありがとしゃんでしゅ」

「へえ〜プミ先輩とこサンタさんが来たんや?ピキキ」

今日はプル子と一緒なのでネタバラシはしないピキ子だ。
ピキ子とプル子はテーブルを挟み、プミ達の対面に座る。

「ピキしゃんもサンタさんのおりんご食べんしゃい」
「おおきに 呼ばれますわ。プル子も食べれるようになったんやで、な?」
「あい、おりんごしゅきでちゅ。プルプル」
「プルしゃんもでしゅか。プミも大好物でしゅよ グフフ」

「プル子ちゃんには小さく切ってあげようね」
「プルプル 小雅おねえちゃま ありがとでちゅ」
「わあえらいねプル子ちゃん。ちゃんとありがとうが言えたね」
「おおきに小雅先輩。自慢の妹やねん、な?プル子」
「テレテレ プルプル」

四人はしばらくお喋りをしながら、おりんごを味わった。
大人達はタープの下にセッティングされたテーブルに料理を並べ、パーティーの準備をしているようだ。

「ピキしゃん 今年もたくさん小雅しゃんと遊びまちたね」
「せやなー。小雅ママも大活躍や」
「また泊まりに来てね。今度の金曜ロードショーは千と千尋だよ」
「プルは ぶたしゃんがたのちみでちゅ プルプル」

 

小雅ちゃんと小雅ママギャラリー 2021年

 

小雅ママと小雅ちゃん
小雅ちゃん(小雅 ※実在の小雅はオス) 小雅ちゃんのママ(小丫頭) 古い木造アパートで慎ましく暮らしている。 親思いの娘と、働く母の愛情深いお話。
プミ

「みなしゃん、ポットにはあっぷるてぃーが入ってましゅよ。わたくちはスペシャルなシャンメリーを トクトクトク」

「ちょっ先輩!トクトクやっとる場合やないで?これから本番なんやから」
「あいっ。わかってましゅよープミー ヒック」

ピキ社長

「あーあー、もうこんなに空けてもうてる。なんか大人しいな思うてたわ」

小雅
小雅

「アハハッ!なんか楽しくなってきたね!小雅はマイクで歌っちゃおうかな ヒック」

「!? 小雅先輩も飲んだんか」
「あ しゃて しゃて♪プルプル 」
「プル子は――ただのおりんごハイやな」

ピキ子は「はーっ」とため息をついた。

「あかんわ、始まる前から収拾つかんようになってきた。じゃ…その隙に頂きますわ ピッキッキ」

特設スタジオに”ON AIR”のライトが光った。
マイクに向かい、ピキ子は咳払いをする。

「ハイッ今年もやってまいりましたー上野プミ子と白浜ピキ子がお送りするスペシャルラジオ番組。2021年総決算!今年も頑張った大賞!それではさっそく〜!カウント〜」

 

プミ
プミ

「ダウン!キリッ」

 

ピキ
ピキ子

「いや、ラジオやし見えへんで」

ごきげん

「プミー・・・ヒック」