ウエーノ王国物語～姫の誕生日　35プミめ〜38プミめ-2021/09/25(土)

ウエーノ王国物語～姫の誕生日　35プミめ

ポンの背中に乗ったプル姫とポロの背中に乗ったピキ姫
しばらく森の中を進むと明かりが見えてきました
「あそこだよ」
「もうすぐだｸﾏｰ」

ぱんだの森のトイレの前に着きました
入り口にはモジャ王子がいました
「モジャ―」
「あ、ピキ姫　わっ　昼間の熊さんたち、こんばんは」
「こんばんは　モジャ王子　昼間はびっくりさせてごめんなさい　僕はポロ、こっちはポン兄ちゃんです」
「こんばんはｸﾏｰ　ピキ姫とプル姫を連れてきたｸﾏｰ」
「マドモアゼル達を連れてきてくれてメルシー　女子トイレはこっちだよ」
「おおきに　じゃあ行ってみるわ　プル子もおいで　あんたたちはここで待ってて」
「あい、ピキ姉　あ、これどうじょ」
プル姫はポシェットの中から飴を出して3人の男子に渡しました
「メルシー」
「ありがとう」
「ありがとｸﾏｰ」
「こっちやな」

プル姫とピキ姫は女子トイレの中に入って行きました
「ロウロウ、おるかー？」
「あ、ピキおばしゃん　こっちアルよ　早く出たいアル　ｺﾝｺﾝ」
奥のトイレからロウ姫とノックする音が聞こえてきました
「今出してあげるでー」
「出してあげましゅ ﾌﾟﾙｯ」
「さて、どうやって救出しようか　ﾋﾟｷｰ」

ウエーノ王国物語～姫の誕生日　36プミめ

「おばちゃーん　早く出たいアル　このままだと干からびてしまうアルよ ｼｸｼｸ」
「大丈夫や あんたは干からびることはあらへんがな」

その時でした
ﾋﾟｺﾝﾋﾟｺﾝプルルルー♪

「あ、ユイねえからや」
ユイ姫からの電話でした
「ﾋﾟｯ　あ、ユイねえ　今、トイレに着いてロウロウがいる個室の前におるんや」
「そう、よかった　ロウロウ出られそう？」
「それがどうやって出せばいいのか」
「うーん、ﾋﾟｺﾝｯ　ねえ　ドアの表示はどうなってる？」
「赤いのになってましゅ　ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ」
「使用中か　内側から鍵がかかってるのね　それは解除したの？」
「あ、ロウロウ、鍵を解除してみい」
「カイジョあるか？」
「うん　入ってからどうやって鍵をかけたん？」
「えーと、入ってドアを閉めてこうやってレバーを横に移動して鍵をかけたアルよ」
「じゃあ、鍵を反対側に移動させてみて」
電話の向こうでユイ姫が言いました
「こうアルか？」

ウエーノ王国物語～姫の誕生日　37プミめ

カチャ
ドアの鍵の表示は赤から青に変わりました
「そしたらロウロウは奥に行ってドアを手前に引いてみて」
ユイ姫は言いました
「こうアルか？」

ススゥー
ドアが開きました
「あ、開いたで　ユイねえ」
「よかった　そのままロウロウは体を斜めにしたら出られるはずよ」
「よいしょ、よいしょ　あ、ピキおばちゃん、プルおばちゃーん　出られたアルよ」
「よかったでしゅ　ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ」
「なんや、鍵がかかっていただけだったやん」
そう言いながらもピキ姫は嬉しそうでした　3人は抱き合いました
「痩せる思いだったアルよ　足を入れなくてすんだアルよ」
「足？どこに？　あんたは変わってないがな　ﾋﾟｷｰ」
「よかったー　じゃあ私たちで時間を稼いでおくから早めにきてね」
「うん、すぐいくでー　ﾋﾟｯ」
ユイ姫の助言でロウ姫は無事にトイレから出られたのでした
表に出た3人はモジャ王子、ポン、ポロと再会しました
「ロウロウ、出られたでー」
「よかったね、マドモアゼルロウロウ」
「痩せる思いだったアルよ」
「あ、もうすぐ出番じゃないの？　早く行かないと」
「せやな　悪いけどまた乗せてくれへん？　ロウロウはピキ子と一緒に」
「うん、いいよ　兄ちゃん急ごう」
「モジャ王子はどうするでしゅか？　ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ」
「僕もすぐに追いつくから大丈夫だよ　またあとでね」
「じゃあ、先に行ってるアルよ　れっつらごーアルよ」
「う、ちょっと重いけど頑張る」
「じゃあ急ぐｸﾏｰ　しっかりつかまるｸﾏｰ」
ポンとポロは走って行きました
「さて、僕も急がないと　えーと道は」
「大丈夫よ　私たちが案内してあげるわ」
「近道はこっちよ」
「メルシー 頼むよ」
いつの間にか現れた双子の女の子達と一緒にモジャ王子は歩きはじめました
「おかしいな　さっきはいなかったような…」

ウエーノ王国物語～姫の誕生日　38プミめ

その頃宮殿ではオウ姫、トウ姫の白浜姉妹がリクエストタイムで時間を稼いでいました
「ロウロウ、大丈夫かしら」
「大丈夫よ、ピキやプルがいるから」
「そうね」
曲の合間に二人は小声で話していました

「王様、ちょっと…」
リー国王に執事が耳打ちしてきました
「どうした？」
「どうやらロウ姫様がぱんだの森のトイレに閉じ込められたようです　ピキ姫様とプル姫様とモジャ王子様が救出に向かっておられます」
「大変だな　それでオウ姫達は時間を稼いでいるのだね」
「左様でございます」
「私にも何か協力できることがあればいいのだが…」
リー国王はちらりとシンコ王妃の方を見ました
シンコ王妃は食べ物に夢中になっています
「そうだ、あれはどうだ？」
リー国王は執事に言いました
「あれでございますか？　あれは最後の予定ではなかったですか？」
「ロウ姫救出にはまだ時間がかかりそうだし、やっぱりお披露目したいし　ﾎﾟｯ」
「そうですね　みんな酔っぱらっているから誰も国王とは気づきますまい　では王様準備なさってください」
「うむ」
リー国王は離席しようとしました　するとシンコ王妃が気が付いて
「あら、王様、おトイレ？」
「あ、ああそうだ　あとちょっと外の風にあたってこようかと思ってね　すぐに戻るよ」
「わかったわ　行ってらっしゃい　あらこのティラミスおいしそうね　ｺﾞｸﾘ」
リー国王は部屋を出るとかけ足で自分の部屋に向かいました
「どれにしようかしら　迷うわー（裏声）」