（SS）-モジャ君へ手紙-2018/08/04(土)

「シンシン、ちょっといいかい？」
シンコは班長に呼ばれた。
「なあに？」
「これ、郵便局から戻ってきたんだけど、この封筒の手形はシャン子じゃないか？」
その封筒には宛名は「ふらんす さんてなゃんしゅるしぇーる もじゃくんへ」
裏には「うえの しゃんしゃん」とあり、手形がスタンプしてあった。
同封してあった餅は潰れていた。
「あらあら、きっとモジャ君へのバースディプレセントなのね。あの子いつのまに」
「どっちにしろ、これは国際郵便では送れないよ。どうする？」
「そうね、お餅は新しいのに替えて潰れないように梱包してもらって、宛名と文面は…班長さん、フランス語に翻訳して頂けるかしら？」
「僕はちょっと…そうだ、あいつにやらせよう。フランスに留学経験あるからな、若は」
「ありがとう、お願いしますね。それから、りー君には内緒にしてね。娘を心配するあまり、ちょょっと敏感になってるみたいだから。」
「オーケー。出しておくよ。このつぶれた餅はどうする？」
「もちろん、私が頂くわ」
こうして、シャン子が書いた手紙と餅はフランスへ郵送されていった。