コトちゃんのお話2〜3-2019/07/30(火)

「小雅、コトちゃんを連れてもう一度お風呂に行っておいで」
「うん！母ちゃんは？後から来る？」
「母ちゃんは先に帰るよ、カルピスとコトちゃんの布団を準備するからね」
「分かった！じゃあコトちゃん、一緒にお風呂に行こ！」
小雅がコトちゃんへ手を差し伸べる。コトちゃんは小雅の手を見つめて、小雅の目を見つめて、そして私を見つめた。
「えっと…おばちゃん…」
「大丈夫だよ。コトちゃんのお母さんには、今夜はお預かりしますって電話しとくからね。安心しなさい」
「…おばちゃん、おじちゃん」
「ん？」
「ごめんなさい」
頭を下げるコトちゃんを、抱きしめようとしたら―
「いいってことよぉコトちゃん！小雅ちゃんの友達は俺の友達だ！今度は笑顔で遊びに来てくれよ！」
―男泣きの大将に、その役目を奪われた。

小雅とコトちゃんを見送った後、コトちゃんのお母さんのシンディーさんへ電話を入れた。
シンディーさんは産後の体で、赤ちゃんをおんぶしてコトちゃんを探し歩いていたそうだ。
「明日のお昼までには、お家まで送りますからね。安心して休んでくださいね」
そう約束して電話を終えて、私は家路を急いだ。大将が持たせてくれた、スイカ半玉を抱えて…。