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七夕物語~雨のち星空:1話〜2話-2022/06/29(水)-小雅ちゃんとシャンのお話

475: 名無しさん? 2022/06/29(水) 23:56:55.73 ID:4mvzVOul0

七夕物語~雨のち星空:1話

今日は7月3日、日曜日。明後日からしばらくシャンシャンは夏休みです。
夏休み中は一緒に遊べないので、今夜は特別に小雅ちゃんがお泊りに来ています。
ふたりで折り紙を折ったり切ったり、何やら工作を楽しんでいる様子です。

「できまちた!キラキラおほしさまでしゅよ」
「うわあ上手!とってもキレイに折れたね」
「小雅ちゃんのはスイカでしゅね?なみなみのしましま」
「うふふ、シャンちゃんここをめくってみて」
「?」

ぺらり

「わあ!スイカがわれまちたよ!」

スイカの皮もようのまあるい紙をめくると、真っ二つに割ったスイカになりました。
真っ赤なスイカに、白と黒のクレヨンで種まで描かれています。美味しそうです。

「おもしろいでしょ、絵本を真似っこしたの」

ふたりは七夕のお飾りを作っていたのでした。

「小雅のおうちはね、七夕には母ちゃんが素麺を茹でてくれるんだ」
「いいでしゅねえ!シャンも食べたいでしゅ」
「七夕の素麺には人参を飾るんだよ」
「え、にんじん」
「人参お星さまの形にくり抜くの」
「シャンはにんじんいらないでしゅ」
「あはは、そうだったね苦手だったね」
「あいっ」
「でもシャンちゃん、お姉さんになったんだし頑張って食べてみない?」
「いやでしゅ」

ぷいっ

「あ、ごめんねシャンちゃん。言い過ぎちゃった」
「きらいでしゅ」
「シャンちゃん…あの…ごめんね、ごめんなさい」

小雅ちゃんは台の上に散らばった色紙や文房具を簡単に片付けて、立ち上がりました。

「小雅、お泊りやめて帰るね」
「…」
「夏休み楽しんでね、ばいばい」

がしゃん、たったったったっ…

「あっ…」

小雅ちゃんと初めて喧嘩した、ということにシャンシャンは気づきました。
涙がじわじわとあふれ出て、小雅ちゃんを追いかけることができません。
ごめんなしゃい、という言葉もうまく出てきません。

「うわああああん!」

小雅ちゃんが片付けてくれた台へ突っ伏して、声を上げて泣き始めてしまいました。

 

477: 名無しさん? 2022/06/30(木) 00:39:27.76 ID:A1B5WbCV0
>>475
どうなっちゃうの?!気になるのと悲しいのとで寝られないよー

 

478: 名無しさん? 2022/06/30(木) 01:10:39.99 ID:nsZ26m6b0
>>475
なんて愛らしい二人
ちょっとした気持ちの行き違いでの初めての喧嘩
大泣きのシャンちゃんだけど小雅ちゃんも泣いてるんだろうな
切なくてかわいくて…鼻の奥がツーンとなりました

 

481: 名無しさん? 2022/06/30(木) 02:32:49.85 ID:ryR3WWUM0
>>475
わーん、続きが気になりすぎる
小雅ちゃんの悲しい気持ちもシャンの「どうしよう」って後悔もどちらもわかって辛い…
すぐに仲直りできるといいんだけど…

 

483: 名無しさん? 2022/06/30(木) 02:47:27.56 ID:KJqrMWSD0

七夕物語~雨のち星空:2話

「ただいま…」

「小雅?あらあら帰ってきちゃったの?」
「母ちゃあん…」

アパートへ帰ってきた小雅ちゃん、玄関に立ち尽くしてうつ向いています。
母ちゃん恋しさで帰ってきたんじゃないわね、と母ちゃんは察しました。

「シャンちゃんと喧嘩でもしたのかい?」
「小雅が悪いの…」

小雅ちゃんは玄関でうつ向いたままで、泣くのを我慢しています。
それでもどうしても、抱きしめているポシェットに涙が落ちていきます。

「小雅が」
「ん?」
「小雅が、シャンちゃんに」
「うん」

小雅ちゃんの言葉は、涙で途切れ途切れです。

「お姉ちゃんぶって、いじわる、言っちゃって」
「うん」
「ごめんね、って、あやまったけど」
「うん」
「きらいって、シャンちゃん、から、きらいって」
「そう、それで帰ってきたんだね」

もう我慢できません。小雅ちゃんはしくしくと泣きだしました。
母ちゃんは小雅ちゃんの腕からポシェットを取って言いました。

「小雅、手と顔を洗っておいで」
「ぐすん‥はい‥」
「麦茶をいれておくからね」
「うん‥ヒック」

母ちゃんは麦茶をいれる前に、濡れたポシェットを拭くことにしました。
落ち着くまでは洗面所から戻ってこないだろうと思ったからです。

ぱさり

ポシェットから折り紙の束が落ちました。セリアで買った折り紙です。
そしてポシェットの中には、赤い折り紙の切りくずがいくつか入っています。
母ちゃんは切りくずをひとつずつ、パズルのように並べてみました。

「りんごの形に切り抜いたあと、かね」

切りくずをまたひとつずつ、しわをのばしてポシェットへしまいました。

「さて、そろそろかな」

母ちゃんは立ち上がって、冷蔵庫から麦茶のポットを取り出しました。
そして、冷蔵庫のドアを一度ぱたんと閉じてから。

「明日の予定だったけど」

再び冷蔵庫のドアを開けて、大将からいただいたスイカも取り出しました。

 

491: 名無しさん? 2022/06/30(木) 07:45:07.59 ID:YB8wNw/z0
>>475
>>483
2人の初めてのけんか…どちらも相手を傷付けようと思ったわけじゃないんだよね
ちょっとしたタイミングのズレや言葉のやり取りに誤解があっただけなんだね
可愛いシャンと小雅ちゃんが早く仲直りできますように
作家さん続きを楽しみにしています!

 

490: 名無しさん? 2022/06/30(木) 07:39:28.88 ID:d0xduFW+0
>>482
朝から目から汗が…
キライってニンジンの事だよね でも小雅ちゃんが言われたと勘違いしてしまったのかな あー二人の気持ちのすれ違いがせつなすぎる
早く仲直りできたらいいね
小雅ちゃんは意地悪じゃないしニンジン嫌いでもシャンちゃんは可愛いよ

 

486: 名無しさん? 2022/06/30(木) 06:27:56.48 ID:bDbGT58y0
久々の 小雅ちゃんのお話 楽しみだけど ドキドキ。。

後に作者さんのPNとお話のタイトルが決まりました👏👏
当アーカイブでは1話分からタイトルを掲載させて頂いております🎋✨
(作者さまへ、ご了承頂けましたら幸いです😌)(管理人@わいわい)