小雅ちゃんと毛糸玉- 2018/05/28(月)

「出来た！」小雅は編み上げたばかりのピンクのスパゲティポシェットを両手で掲げた
「母ちゃん！ポシェット完成したよー！」
「うーん？なあに？もう出来ちゃったのかい？」晩ごはんの支度をしながら私は振り返った
「あら可愛いポシェットだねー」
「ほんとに？可愛い？ね？可愛い？」小雅はポシェットを肩にかけて洗面所の鏡で何度も映して見ている

「わぁ・・・かわいい！」

ほっぺをピンク色にした小雅はニコニコ笑顔で台所に戻って来た
「母ちゃん！晩ごはん小雅も手伝うねー！小雅お腹ぺこぺこー」ニコニコ
「お昼ごはんも食べずに頑張ったもんねー。お腹減ったでしょ、さあ 、じきに晩ごはんだからね。」

今夜は小雅の大好物のパンダカレーだ。
ぐつぐつ煮込み中のカレーを混ぜる私の隣で みかん箱に立った小雅は 小さな手で
水に晒したカイワレの種を１つ１つ丁寧に取り除き、きれいに向きを揃えている。ポシェットが可愛くて嬉しいのか、ふんふんふん♪と鼻唄を歌いながら頭を左右に振っている。
小雅の嬉しい時にするかわいい癖なのだ

「母ちゃん、綺麗な包装紙ある？」
「包装紙？綺麗なのあったかしらね？あとで押入れ見てみるわね。」私が頂き物などの包装紙をストックしているのを小雅は知っている
「包装紙何に使うの小雅？」
小雅はカイワレを並べながら言った
「プレゼントを包むの。リボンも無いかなぁー？」
「プレゼント？」コンロの火を止めて聞いた

「うん。小雅が作ったスパゲティポシェットだよ！プレゼントするんだ。」ニコニコ嬉しそうに笑顔の小雅は続けた
「もうすぐシャン子ちゃんのお誕生日なの ♪前にウチでシャン子ちゃんとテレビ見てたらね、ヒルナンデスでスパゲティポシェットが紹介されててね、シャン子ちゃんはピンクが欲しいなぁーって言ってたから♪
小雅ね、シャン子ちゃんに作ってあげようと思ったの
シャン子ちゃんのお誕生日のプレゼントなんだ♪」