小雅ちゃんと自転車-2-2018/04/16(月)

急いで自宅に戻った私は、ぴんくのパンダから500円拝借した。
これで手持ちは千円、くじ引きの為に買い物をする。
いつもの乾燥タケノコ（母国産）1キロ198円と、ちょうど開催してた人参詰め放題100円。
あ、そうそう、シャン子ちゃんが遊びにきた時に小雅がおもてなしできる用に置いてあるカルピス濃縮液328円も切れてたんだ。
あ、カレーのルウ178円と、傷のり98円も買っておかなくちゃ。
あとはー、、、
ぴんくのパンダから拝借した罪悪感から特売のキノコの山98円をかごに入れた。
なぜ、たけのこの里は特売してくれないのだろう？
あ、ちょうどいいお会計かも！

これでくじ引きできるわ！

ところが、
忘れてた。
お会計ぴったり1000円、
プラス消費税。。。

足りない。。。

消費税80円分減らす？
でも、どれか買うのやめたら千円にいかないかもしれない。
どうしよう？

くじ引きフェアのせいか、レジは混んでる、私がボヤボヤしてたら迷惑だし、
一旦レジを離れて買い物し直そうか。
でもその間に、賞品の自転車が誰かに当たってしまったらどうしよう。
小雅の大事な、ぴんくのパンダ拝借しちゃったのに。

涙目で焦っていたその時、
「あれ？ちんちんのおねえさん！どうしたの？小銭足りないの？俺あるよーこまいの！」
と、声がした。

あ！モジャ君パパ！
彼はフランスから日本出張のたびに、霞ヶ関からわざわざ上野のお店までタンメンとキュウリを食べに来てくれる。
前に小雅がお手伝いしたときに、うちにも息子がいるんだけど、友達になってくれないかと小雅と電話番号を交換したらしく、それ以来これくとこーる？とかいう、電話代がかからないらしい不思議な電話を、小雅がひとりでお留守番の時にモジャ君にかけてるみたい。

あ、あの、ちょっと手持ちが足りなくて。。。
恥ずかしさに黒い耳が真っ赤になるのがわかった。

「おー、俺あるよー、いくら？」
彼はそう言って小銭を差し出した。
「日本では5円玉は縁起がいいんだろー！ニハハハハ！」

そう言いながら、彼が差し出したのは50円玉だった。
あ、少し、足りない。。

言えずにいたら、彼は
「縁起のいい５円玉だからさ！持ってるの全部もらってよ！いつも美味しいもん、喰わせてもらってるからさ！ごめんけど、日本の通貨よくわかんねーんだけど、足りなかったらごめんなー！ニハハハハ」

彼は12枚もの50円玉を、私の手に押し込んで
「ちっとトイレいってくらー」と、行ってしまった。