心の中でつぶやいていた。こないだペアドレスが当たって今回も必ず当たるだろうって世の中そんなに甘くないよね、、、。
小雅に景品でプレゼントなんて 楽なことを考えた自分が恥ずかしかった。もっと仕事を頑張って、私が小雅に自転車を買ってあげなきゃね!
気を取り直した私は
2日分の食料を持って珍々軒に戻った
「小yちゃん!まかないも食べないで何処に行ってたんだい?心配してたんだよ。」
大将はそう言うと、エプロンのポケットから封筒を取り出し私に差し出した。
「はい、これ小雅ちゃんに。」
「え、え?小雅に?え?」
戸惑う私に大将はニコニコ笑いながら言った
「小雅ちゃん、12月頃から毎週日曜日の昼時に手伝ってくれてたからさ、少しだけど小雅ちゃんにも お給料?って感じかな?」テヘヘ
私は慌てて両手を振って 頭を下げて
「小雅は私が勝手に手伝いをさせただけで、逆に迷惑をおかけして申し訳ないです
給金を頂くなんてとんでもないです!ほんとにすみません。」
驚いたのと同時に申し訳ない気持ちでいっぱいで謝る私に 大将は言った。
「あんなに一生懸命に母親の仕事の手伝いをしてる小雅ちゃんが迷惑なわけないだろー
小雅ちゃんが手伝ってくれて店も大助かりだよ。さあ、遠慮せず受け取って。小雅ちゃんに渡してあげな。
小yちゃんの前では心配かけまいといつもニコニコしててさ、小雅ちゃんなりに色々我慢してんだよ。あの子の健気な姿に胸打たれるんだよ。だからさ、たまには小雅ちゃんにご褒美してあげないと、ね。」
わたしは大将の優しさに涙が止まらなかった。
「ありがとうございます。本当にありがとうございます。小雅喜びます。すみません。本当にすみません」
上がりまで1時間半 わたしはいつも以上に笑顔で接客をした。
「ただいまーー」
「おかえり!母ちゃんー!」洗濯物を畳んでいた小雅が飛んで来て抱きついた。
「母ちゃん今日はなんかいい事あったの?」
「んー?わかるー?」
「うん。母ちゃんすっごくニコニコしてるんだもん」
私は鼻歌を口ずさみながら冷蔵庫に食料を入れ 居間に行き腰を下ろした。
「母ちゃん、はい麦茶。」
小雅は私に毎日麦茶を入れてくれる
「ありがとうね、小雅。あーー生き返るよー」あははははははは ウフフフフ
いつもの光景だ私のしあわせなひと時
テーブルを挟んで小雅が洗濯物を畳みながら夕方のアニメを見ている
「小雅今日はね、小雅に渡したいものがあるんだよ。」
小雅は、ん?って顔でこっちを見た
「はい、小雅のお給料。珍々軒の大将のおじちゃんから。日曜日に手伝ってくれて助かったって、大将が小雅ちゃんありがとうって。ふふふ」
小雅はさっきの私と同じ顔で驚いてる
「小雅にお給料?大将のおじちゃんから?えー!いいの?母ちゃん?」ニコニコ
「ああ、小雅のお給料だよー。がんばったもんねえ。良かったね。今度お店に行ったら大将のおじちゃんにお礼言うんだよニコニコ」
投下してくれてありがとう作者さん