ばあばの純愛12
「そうねぇ…夜中にあの人にもう一度会いたいわって思っていたらねぇ…寝室の壁にねぇ…」
「フワァー ススゥーっと真ん中に大きな穴が開いたんでしゅねっ プミーッ」
「ええっ、何でわかったの!?」
「女のひみちゅでしゅよ エッヘン」
「あら、プミちゃんじゃないの?大きくなったわねぇ」
「もう一人前のレディーになりまちた ウフフ」
「まあ、可愛い」
「それで、おばあちゃんどうしたの?」
「穴をくぐって外に出ると、月がキレイでねぇ、満月だったかしら…あんまりキレイだからしばらくお散歩していたのよ…」
「しょれで?」
「動物園のすぐ前にモノレールの駅があるんだけど、いつの間にかそこまで歩いてきていたの…」
つづく
ばあばの純愛13
「しょれで?しょれで?」
「小さな丸い光がフワフワしていてね、それに導かれるように、駅の地下に続く階段を降りていったの」
「モノレールなのに地下に?おばあちゃん?」
「そうなのよ…階段を降りていったら線路があって、まるで普通の電車のホームみたいじゃないの」
「しょうしたら、プミたちの電車が来たんでしゅね」
「そうなのよ…不思議ねぇ…」
「僕たちも上野から来たのにあっという間に中国まで来てしまって、キツネにつままれたみたいだよ」
「重慶まであっという間に?不思議ねぇ」
「キツネにつままれる?タヌキしゃんは葉っぱをくれるのに、キツネしゃんはどこをつまむんでしゅか!お鼻でしゅか?痛いでしゅ!プミーッ」
つづく
ばあばの純愛14
「違うよ~プミちゃん、ものの例えでね…ゴニョゴニョ」
バタバタバタ
「お客さん、発車しますよー!早く早く!」
「ここは終点ではないんですか?」
「もう!何を言ってるんですか?行先を見て下さいよー」
「おとうしゃん、さっきと行先が変わってましゅよ!」
黄泉の国行が出発します
お乗りのお客様はお急ぎ下さい
「おばあちゃん、急ごう!」
バタバタバタ
ジリリリーン
プシューッ
ガタンゴトン…
「…黄泉の国…あの人に会えるの?……ビーリーちゃん…」
つづく
まるで夜見る夢の中にいるような作品だわ
続き楽しみにしてます
松坂桃李主演の「ツナグ」と999(スリーナイン)の合作みたいで楽しみ
黄泉の国でじいじに会えるといいね
「ツナグ」という映画は知りませんでした。あらすじを見たら、月の出る夜に死者に会うとか似ていますね。
自分の中では、
「地下鉄に乗って」「鎌倉ものがたり」「銀河鉄道999」そしてジュール・ヴェルヌの「地底旅行」をイメージしています。
素敵なお話ありがとシャンです
また続きを楽しみに待ってるピコ―