~文豪缶詰プラン 御徒町力男編 その1
私は御徒町力男、映画監督である
この業界は長い 最初はADからの出発だった
その後助監督になり、今回晴れて監督を任せてもらえることになった
作品は「竹取物語」有名なかぐや姫の物語である
脚本も書いてるが、原作をオマージュしつつ少し内容を変えてみようと思っている
が、なかなかなかいい案が浮かばない
普段は都会の真ん中で執筆しているのだが、少し環境を変えてみようと思った
そんな時、老舗旅館の「文豪缶詰プラン」なるものがあると知り申し込んでみた
文豪の気分を味わいつつ、執筆活動できる環境でこれははかどるかも知れない
愛する妻や娘には申し訳ないが、一人になって執筆に集中しようと思った
資料やノーパソ、お泊りセットを入れた鞄を持って旅館に向かった
場所はこのあたりでいいはずだが…
ん?あそこに貼り紙があるな
「文豪缶詰プラン ここでしゅ」
ここか
庭ではっぴを着た若者が水まきをしていた
「あ、いらっしゃい クィー」
「文豪缶詰プランを予約した御徒町と言いますが」
「少々おまちくだしゃい お客様でしゅ クィー」
プミプミピキピキ
「いらっしゃいましぇー」
「お客さん、お荷物持ちまっせ」
出てきたのは頭が平らな若女将とはっぴを着た番頭だった
「予約した御徒町ですが」
「あいっ、おかきもちしゃんでしゅね」
「ちがうねん、おかちまきさんや」
「あいっ、おかちもちしゃんでしゅね」
「おかちまちです」
よく間違われるから慣れたものである
台帳に名前を記入すると、部屋に案内された
「いやー、このご時世でっしゃろ キャンセルが相次ぎましてな 文豪缶詰プランが人気あるというのをネットで知りましてね、うちもやってみることにしたんですわ」
やや関西弁が入った番頭が説明をした
「あれ?ここは最初に缶詰プランを始めた旅館じゃないですか?」
私は少し不安にあって番頭に尋ねた
「うちはプミピキ旅館でっせ、旦那」
あ、プランだけ見て旅館名はよく確認していなかった
まあ、いいか
案内された部屋は2階の「笹の間」だった
貼り紙「・・・ここでしゅ」
もう既にここからでかわいくて悶絶w
でも御徒町氏に良くないことも起こりそうだぁ!
ノーパソがノーパンに見えたでしゅ・・・
>>222
貼り紙可愛いすぎるw
リーリーの「まあ、いいか」好きだわ
サン坊もきたー
ここでしゅがかわいいwww
水をまくサン坊かわいい
プミピキ旅館で御徒町さんの身に何が起こるのかドキドキしましゅ
御徒町監督、大丈夫かなぁ…w
続きがめちゃくちゃ楽しみ!
今また読み返してみると、リーリーなのにどっしりしていてかっこいい。
~文豪缶詰プラン 御徒町力男編 その2
「笹の間」は2階の突き当りの手間にあった
廊下の突き当りには小ぶりの銅像が飾ってあった
「こちらは?」
私はその銅像が誰なのか尋ねてみた
「あいっ、この旅館の創始者でしゅ いなしゃんといいましゅ この旅館は建ってから150年くらいになりましゅ」
「ほう、明治の初め頃からあったのですね」
若女将がいなしゃんと紹介してくれた銅像は口髭を生やし、軽く左手をあげていた 気さくな人物だったようである
「どうじょ こちらでしゅ」
若女将は笹の間のドアを開けてくれた
広めの和室だった
襖には竹の絵が描いてあり、床の間には竹と笹を中心にした生け花が生けてあった
「見事な生け花ですね」
「うちのオオカミがいけまちた」
「狼?」
「ああ、大女将のことですねん お荷物はこちらに置いときましゅ ピキー」
番頭が教えてくれた
「ああ、大女将ですか ありがとう」
襖をあけると和室と同じくらいの広さの部屋があり、ベッドが二つ置いてあった
いわゆる和洋室である
「こちらはベッドルームでしゅ ベッドはどちらを使ってもいいでしゅよ」
和室の窓際には文机が置いてあり、外の景色を眺めることができる
和室の中心には座卓が置いてあった
「お茶をいれましゅね あい、どうじょ お菓子もありましゅよ」
コポコポコポ カタカタ
若女将がお茶をいれてくれた 美味しいお茶だった
「ありがとう それじゃ作業にかかります」
「あいっ、お食事の時間になりましたらお電話いたしましゅ お風呂に行かれるときはご連絡くだしゃい」
「ほなごゆっくり」
若女将と番頭は退室していった
さて、書くか
持参したノーパソを文机に置き、電源を入れた
窓のからは桜の木が見える そろそろ5分咲きといったところだろうか
その時だった
「うわっ」
「見てましゅ」
「見とるでー」
若女将と番頭が桜の木に登ってこちらを見ていた
見てましゅ吹いたwww
客の動向を木に登ってじーっと監視する従業員w
かわいいー
いなしゃん何歳なんだろw
続き楽しみでしゅ
若女将が入れてくれたお茶はピコ茶なのかちら?
銅像いなしゃんwww
たしかにいなしゃんて銅像向きの形してるw
軽く左手を上げていた
あのポーズですね分かりますwwwww
はい。わたしも分かります。
真面目に「気さくな人物だったようである」w
文豪の表現力スゴイw
作家さんありがとうございます!
気さくな人物www
いなしゃんの銅像見てみたいw
気さくな人物www
文豪プランなだけあって小説みたいに読める!
電車のなかで読まなくて良かった…
いま息をコロして笑ってるよ。
「見てましゅ」(笑)
文豪缶詰プランを書いた方も文豪ですねw
作中の文豪が書く「竹取物語」も気になる~ 覗かれながら仕上がるのかちら!?
楽しみでしゅ