ばあばの純愛54〜57-2019/12/02(月)

ばあばの純愛54

黄泉の国中継点駅を経由して、中国(新星)駅が近付いてきた

ｺﾞｺﾞｺﾞｫｫｫｰｰｰｯ
ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ…

「おばあちゃん、おじいちゃんに会って余計に悲しくなっちゃったね…」
「……」
「本当にこれでよかったの？」
「…さようならも言わないで、あの人はいってしまったって言ったじゃない？」
「うん」
「さようならって言ってもらえた…私も言えたわ…」

新星は涙を流しながらもニッコリと笑った

「最期の別れなんて言えないのが普通なのよね…だから幸せよ」
「最期じゃないでしゅよ！またねって言いまちた ﾌﾟﾐｰｯ」
「そうよね 100年後にね ｳﾌﾌ」
「おじいちゃん、ずっと待ってるって言ってたじゃないか」
「そうね」

つづく

ばあばの純愛55

ｺﾞｺﾞｺﾞｫｫｫｰｰｰｯ
ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ…
ﾌﾟｼｭｰｯ

中国(新星)駅～♪
中国(新星)駅に到着しました～♪

ﾄｺﾄｺﾄｺ
三人はホームに降り立った

「じゃあね 本当にありがとう…優しい孫と曾孫に恵まれて、私は幸せね」
「おばあちゃん…」
「ひいばあば、これ ﾓｼﾞﾓｼﾞ」
「なあに ﾌﾟﾐちゃん？」
「さっき描いたの ｴﾍﾍ」
「まあ、似顔絵？これ私？」
「そうでしゅよ ｳﾌﾌ」
「ﾌﾟﾐちゃん、うまく描けたね 何か字が書いてあるな どれどれ？」

画用紙にパンダの絵と「ひいばあば ながいきしてね しゃんしゃん」の文字があった

「ﾌﾟﾐちゃん、とっても嬉しいわ 大事にするわ…ありがとう」
「よかったね、おばあちゃん」

つづく

ばあばの純愛56

「もっともっと長生きして、あの人を待たせてやるんだから…まだまだこれからよね…ｳﾌﾌ」

ｼﾞｬｱﾈ ﾏﾀﾈ ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ

新星は階段を昇り、重慶の地上のモノレール駅へ戻ってきた

ﾌﾜﾌﾜ…ｷﾗｷﾗ…
小さな丸い光が煌めいた

「あら、送ってくれたの？もう大丈夫だからお父さんの所に戻りなさい」

ﾌﾜﾌﾜ…ｷﾗｷﾗ…

「…ｳﾝ…ｱ…ﾘｶﾞﾄ…」

ﾌﾜﾌﾜ…ｷﾗｷﾗ…

つづく

ばあばの純愛57

ｺﾞｺﾞｺﾞｫｫｫｰｰｰｯ
ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ…

「おばあちゃん行っちゃったね…」
「うん」
「865さんも会いたい人に会えたのかなぁ？」
「きっと会えまちたよ…そちて帰ったら元気にﾌﾟﾐたちに会いに来てくれましゅよ ﾌﾟﾐｰｯ」
「人がたくさんだけど、わかるかい？」
「わかりましゅよ！それにね、ﾌﾟﾐのブランケットにお名前が書いてありましゅよ！」
「名前？」
「大きく、しゃんしゃんって書いてありましゅ ｳﾌﾌ」
「そうか、それを見せてもらえばね、地下のキッチンで再会を祝ってアフタヌーンティーでもしようか」
「タルトタンタン作ってぇ！ﾌﾟﾐはおリンゴ剥きましゅよ ﾌﾟﾐｰｯ」
「わかったよ 練習しようね シンちゃんにも食べさせたいな ﾌﾌﾌ」

つづく