ウエーノ王国物語~姫の誕生日 18プミめ
「ううん、ちがうよ ぼくたちはようせいさんじゃないよ」
「ちがうの」
双子は答えました
「じゃあ、お父さんとお母さんはどこにいるの?」
モジャ王子は尋ねました
「あしょこにいるよ」
「いるの」
双子が指さした先はお城でした
「ああ、じゃあ君たちも招待されてるんだね 一緒に行こうよ お父さん、お母さんも心配してるよ」
「うん」
「うん モジャ王子、そのおようふくかっこいい」
「ありがとう これは正装なんだよ」
モジャ王子は細かいレースがついたブラウスに華やかなベスト、落ち着いた色のジャケット、下はキュロットと白の靴下、革靴に着替えていました
「これもつけなきゃ」
トランクから綺麗にカールされたウィッグ出してつけました
正装姿のモジャ王子は、さっきまでの薄汚れたモジャ王子とは別人みたいにカッコよくなってました
3人で歩いて行くと森を抜けてお城の門の前に到着しました
モジャ王子は招待状を取り出しました
「そうだ、君たち招待状は?」
「しょうたいじょうもってないの」
「ないの でもだいじょぶなの」
「大丈夫なの?」
「うん、後で行くからってプミねえに伝えておいて」
「プミねえってプミ姫のこと?」
「うん ぼくたちプミねえにもうすぐ会えるんだ」
「あえるの」
「うん、わかった 伝えておくよ」
プミ姫にはきょうだいはいないので、不思議に思いながらもモジャ王子は返事をしました
「じゃあ僕は先に行ってるね 暗くならないうちにお城に入るんだよ」
「うん もう少し遊んだら行くよ」
「うん、またね モジャ王子」
双子と別れたモジャ王子は門番に招待状を見せました
「ようこそ、モジャ王子様 どうぞお入りください」
大きな扉がゆっくりと開き、モジャ王子は中に入っていきました
ウエーノ王国物語~姫の誕生日 19プミめ
モジャ王子は執事の案内で大広間に通されました
大広間ではビュッフェパーティーが始まっていました
「おフランス国のモジャ王子様がご到着されました」
国王一家が出迎えてくれました
「いらっしゃい、モジャ ウフフ」
「モジャ君、ようこそ」
「モジャがきまちた ようこそでしゅ プミー」
「王様、お妃様、ご無沙汰しております プミ姫、お誕生日おめでとう」
「ありがとシャンでしゅ モジャ、うまにも衣装でしゅ 頭はくるくるでしゅね プミー」
「それを言うなら馬子にも衣装やで ピキー」
プミ姫とピキ姫はモジャ王子には遠慮がありません
「もう、あなたのお母さまから電話があったのよ 一人で出て行ったって 心配してるから電話なさい」
シンコ王妃は言いました
「あ、忘れてた すみません 電話してきます」
モジャ王子はバルコニーに出て、ファン王妃に無事に城に着いたことを報告しました
「モジャはまだちちくしゃいんでしゅかね」
「いやあれはファン王妃が心配性みたいやで」
「ピキおばちゃん、かぼちゃクッキーなくなったあるよ」
「あんたが全部食べたんやろ また持ってきてくれるだろうからちょっとまちい」
「じゃあ他のお菓子食べて待ってるアルよ」
「なんか試食荒らしのオバハンみたいやな」
「じゅーちゅもってきまちた プルプル」
「ありがとシャンでしゅ」
「おおきに こぼさずに持ってきたんやね えらいで」
「あいっ」
電話を終えたモジャ王子は、取り置きしてもらっていたバースデーケーキを食べ始めました「ん、トレビアン チーザイパティシェのケーキはやっぱり美味しいね 懐かしい」
チーザイパティシェはイチゴパフェが大好きで、それが高じておフランス国でパティシェの修行を積み、モジャ王子が住むお城のパティシエの仕事をしていたことがありました
モジャ王子はチーザイパティシエが作ったケーキやお菓子が大好きでした
チーザイパティシェはウエーノ国に帰国したのち、妻が経営する隠れ家レストラン「マ・メゾン小雅」のお菓子担当になっていました
お城でパーティーがある時は時々手伝っています
美味しそうにケーキを食べるモジャ王子をチーザイパティシエがそっと見守ってました
ウエーノ王国の物語~姫の誕生日 20プミめ
「あ。そういえばさっきの双子…」
モジャ王子は森で会った双子の事を思い出しました
「プミ姫、さっき森で小さい双子の子達に会ったんだけど」
「プミミ?」
「森で道に迷った時に、ここまでの道のりを案内してくれたんだ お父さんとお母さんは?と聞いたらお城にいると言ってたよ 一緒にお城に行こうと行ったら、後でプミねえに会いに行くからと伝えておいてって言われたんだ」
「双子でしゅか? 誰かちら プミー」
「知り合いだと思ってたけど違うのかな」
「プミが知ってる双子しゃんはオウ姉とトウ姉だけでしゅよ」
そこにオウ姫とトウ姫が来ました
「呼んだ?」
「モジャ君、お久しぶりね」
「お久しぶりです、オウ姫、トウ姫 お二人とも、ますます美しくおなりで」
「あら、やだ テレテレ でも嬉しいわ」
「ウフフ、ありがとう」
「ところで、お知り合いで小さい双子の子がおられる方をご存じですか?」
モジャ王子はオウ姫、トウ姫に尋ねました
「知らんわね」
「うん、うちらが知ってる限りでは双子がいるおうちはないわね」
「そうですか 森でここまでの道案内をしてくれたのがその双子の子達だったの」
「森の中で会ったの?」
「それって、森の妖精さんじゃないの?」
「やっぱりそうなのかな でも本人達は妖精じゃないと言ってたし」
「モジャ君、妖精さんに一本やられたわね ウフフ」
「あそこの森には妖精さんがいるって聞いたことあるわよ」
「そうか じゃああの子達は妖精さんだったんだ あんな小さい子の姿だったのか」
モジャは妙に納得していました
「かわいかったな 一人は頭がちょっと緑色だったし」
ウエーノ王国物語~姫の誕生日 21プミめ
招待客が次々とやってきて、すっかり日が暮れました
大広間の隣の部屋ではディナーが始まりました
リー国王、シンコ王妃、プミ姫は夜会用のドレスに着替えて着席しました
落ち着いた色のドレスですが、動くたびにキラキラと輝いています
シンコ王妃とプミ姫は頭にティアラを昼間からつけています
プミ姫の頭は平らなのでティアラは安定感がありました
「ティアラ、気になりましゅ プミー」
「大丈夫よ、ちゃんと乗ってるわよ ウフフ」
「プミちゃん、今度はちょっと大人っぽい雰囲気のドレスやな」
エイ国王が言いました
「さすがタンさんや プミちゃんの雰囲気によく似合ってるわ」
ラウ王妃が言いました ドレスの生地はタン女王が見立ててくれたものでした
「よかったなの プミちゃんよく似合ってるなの」
タン女王も誕生日パーティーに来てくれました
ディナーも終わり、いよいよショーの始まりです
隣の大広間では、ショーの準備ができていました
「うちらも準備せな」
「はいアル」
「きんちょーしましゅ プルプル」
「大丈夫や お客さんの顔はかぼちゃだと思えばええんやで」
「かぼちゃ畑アルか ジュルル」
「とびかかったらあかんでー ピキー」
「ほな、私たちもいこか」
「うん」
「メイク直さなきゃ」
オウ姫、トウ姫、ユイ姫もショーの準備のために昼間用意してもらった部屋に戻りました
わーい続きキター
登場人物が多いのにそれぞれ個性があって、でもまとまっていてさすがっすオヤユビウエニピッ
平らだから安定感があるはリアルに吹いちゃったよw
ティアラの安定感なら誰にも負けないプミ姫w
おちりニキさん楽しくて華やかでほんわかしたお話ありがとうございます
おちりニキさん続きありがとうございます!
楽しそうなパーティ潜入したいw
おちりニキしゃん、お話の続きありがとシャンです!
話数も21プミめに入り、すごい大作に!ますます今後が楽しみです
平らな頭に鎮座するプミ姫のティアラとかロウロウちゃんの試食荒らしのオバハンとかほんと笑いましたw
そしてモジャ王子のカールのウィッグもw 赤ちゃんの頃ならウィッグなしでもカールしてたのにねw
おちにきしゃん素敵なお話しありがとうしゃんでしゅ
モジャ王子の正装を調べてみたらとってもカッコよくて
これならプミちゃんも少しは見直してくれるかなと思ったけど
容赦なかったですねw
登場人物みんな素敵で可愛くてまた続きが気になりましゅ
わたくちも「マ・メゾン小雅」に行って
小雅ちゃんとチーザイくんがキッチンに並んでいる姿を見てみたいです
ふたごちゃん、緑のしるしの子、大きめに生まれた子、
それぞれどんな感じでフ゜ミ姫に会うのかたのしみです。
続き、楽しみにしてますね!
おちりニキしゃん続きありがとしゃんです
安定感あるティアラ姿のプミ姫可愛いんだろうなー
モジャに対しての塩対応は予想通りでした
いよいよ大円団を迎える続きも楽しみにしています
おちニキしゃんありがとシャンです
隠れ家レストラン「マ・メゾン小雅」…行ってみたいなぁ
ぼくますます汚れて
豪邸住みなのに野生にいるみたいではないか
モジャ胸毛すごいねw汚れじゃないよね
だおーも真っ平らだったのか!
ホントだまっ平族の血統だ
おちりニキです
いつも読んでくださりありがとうございます
話の展開は、こちらのレスやコラ、わいわいさんのHPを読み返したりしてネタを探してます
わいわいさん、いつもありがとうございます
桃をプミピキ便で送っておきますね(ちゃんと届くかは運次第)
モジャ王子の正装は「フランス貴族 正装」でググって参考にしました
ベルバラや美女と野獣の頃のイメージですね
ズボンはかぼちゃパンツも参考にしましたが、ロウロウちゃんが「カボチャアルー」と飛びかかっては大変と思い、ボツにしましたw
おちごとにっきの代わりになればと思い、書き始めましたがもう少しお付き合いくださいませ
双子ちゃんの性別がわかり、どんな個性が出るのか今から楽しみです