ウエーノ王国物語　コウノトリの訪問　１羽め〜３羽め-2022/06/23(木)

～ウエーノ王国物語　コウノトリの訪問　１羽め

これはまだプミ姫にきょうだいができる少し前のお話

「おやすみなさい、おとうしゃま、おかあしゃま」
「おやすみ、プミちゃん」
「おやすみ、おなか冷やさないようにするのよ　ｵﾁｬｽﾞｽﾞｰ」
「わかってましゅよ」

ﾊﾟﾀﾝ

プミ姫は自分の部屋に戻り、ベッドに入りました
そしてスマホでピキ姫のツイッターやインスタを見てました
「プル姫はまだまだちちくしゃいでしゅね　ピキ姫は社長と呼ばれてるみたいだし　ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ　ﾌﾜｧ　眠くなってきまちた　電気けしましゅかね」
プミ姫はベッド横のサイドテーブルのスタンドの電気を消して目を閉じました

ｺﾝｺﾝ

うとうととし始めた頃、バルコニーから窓を叩く音がしました

ｺﾝｺﾝ

「お届け物ですよ」
「ﾌﾜｧ？こんな夜中に誰でしゅかね？」
プミ姫はスタンドの電気をつけて、バルコニーに向かいました
「誰でしゅか？　おかあしゃまの補正下着のサイズは特注でしゅよ」
「違いますよ、お届け物は下着じゃないっすよ　窓を開けてもらえますかね？」

ｶﾁｬ

半分寝ぼけた頭でプミ姫が窓を開けるとそこには大きな鳥がいました
「ほえ？　ペリカンしゃんでしゅか？」
「違いますよ　コウノトリっす」
「コウノトリ便？」
「イエース　私は赤ちゃんをお届けするのが仕事です　こちらでいいかご確認ください」
コウノトリは咥えていた大きな袋の口を少し開けて中身をプミ姫に見せました

ウエーノ王国物語　コウノトリの訪問　２羽め

そこには、ピンク色の小さなパンダの赤ちゃんがいました
「ﾌﾟﾐｰｯ　これは赤パンでしゅか？」
「そうですよ、もうすぐあなたはお姉さんになるんです　話しかけてあげてください」
「お姉しゃんになるんでしゅかー　なんか甘い香りがしましゅね　マカロンのようなクロワッサンのような…ｸﾝｸﾝ　お姉しゃんでしゅよ」
「アロー」
「ボンジュール　ｷｬｯｷｬｯ」
袋の中の赤ちゃん達がプミ姫に気が付きました
「なんかフランス語みたいでしゅよ」
「おや？間違えたようだ　この子達はモジャ王子のところだね　ちょっと待ってくださいね　ﾊﾞｯｻﾊﾞｯｻ」

コウノトリは森の中に飛んで別の大きな袋を咥えて戻ってきました
そしてまた袋の口を少し開けました
「さあどうぞ」
「お姉しゃんでしゅよ　ｸﾝｸﾝなんだか情熱の香りがしましゅね」
「オラ」
「エルマーナ　マヨル？」
「ま、マヨネーズでしゅか？」
「ああ、こっちはスペインだった　エルマーナ　マヨルはお姉ちゃんのことですよ　じゃあ、あれか　待っててくださいね　ﾊﾞｯｻﾊﾞｯｻ」

コウノトリはまた森の中に飛んで、別の大きな袋を咥えて戻ってきました
「大丈夫でしゅかね ﾌﾟﾐｰ」

ウエーノ王国物語　コウノトリの訪問　３羽め

ﾊﾞｯｻﾊﾞｯｻ

「ﾊｱﾊｱ、今度こそこれだと思います　じゃあ開けますよ」
「今度こそ大丈夫でしゅかね？　ヤホー」
「あ、ねえねだ」
「ねえねー」
「わあー、今度は通じました　ねえねでしゅよ　あなた達は男の子でしゅか？女の子でしゅか？」
「ぼくはおとののこだよﾍﾞﾋﾞｰ」
「男の子でしょﾍﾟｼｯ　あたちは女の子よﾊﾞﾌﾞｰ」
「えーん、いたいよーﾍﾞﾋﾞｰ」
「なんだか女の子のほうが強そうでしゅね　ﾌﾟﾐｰ　男の子は背中に緑色のラインがありましゅ」
「もうすぐねえねにあえるからまっててﾍﾞﾋﾞｰ」
「とうさまとかあさまにあえるのもたのしみなのﾊﾞﾌﾞｰ」
「うん、まってましゅよ　生まれてきたらねえねがお世話しましゅからね　それからかあさまはシンゴジラでしゅ」
「うん、ちってゆﾊﾞﾌﾞｰ」
「あしわざがとくいﾍﾞﾋﾞｰ」
「ほえー、そんなことまで知ってるんでしゅか　ﾌﾟﾐｰ」
「おっと、そろそろ時間です　では、プミ姫、お姉さんになる準備を進めておいてくださいね」
「あい、お姉しゃんらしくなりましゅよ」
「では、出発しますよ」
「ねえね、またねー」
「またねー」
プミ姫は再びベッドに入って眠りました
それは夢のような出来事でした

それからしばらくしてプミ姫に弟と妹ができました
「わあ、双子しゃんでしゅ　でも初めて会った気がしましぇんね」
「ﾍﾞﾋﾞｰ」
「ﾊﾞﾌﾞｰ」

そして双子は顔を見合わせて微笑むのでした

～おしまい