小雅ちゃんのポシェット-2018/04/24(火)-母ちゃんとイオンへ-二つの物語

※小雅視点

母ちゃんが、シャン子ちゃんとお揃いの自転車を買ってくれた。母ちゃんがお金を払っている間、私はお店の隅っこで自転車の練習をした。
乗り方を教えてくれたのは、銀色の眼鏡のお兄さん。足の動かし方やブレーキのかけ方、こけた時の起こし方も教えてくれた。
上手にできるたびに、私の頭を撫でてくれて嬉しい。お父さんがいたら、こんな感じなのかなって思った。

「小雅ー！」

母ちゃんが私を呼んでいる。

「なあにー？」
「配達日なんだけど、昼間に母ちゃんがいる日にしないといけないから…」
「ううん！今日、乗って帰りたい！」
「ええっ？ここから家まで何時間かかると思ってるの？」
「何時間かかるの？」
「ん？えっと…」
「あ、調べてみましょうか」

さっき自転車を支えてくれていたお兄さんが、ポケットからスマートフォンを取り出した。

「えっと…人の足で歩くと二時間半かかりますね」

母ちゃんが、ちょっとだけ困った顔をした。やっぱり駄目かな…。

「分かった。夜中になる訳じゃないし、このまま受け取って帰ろっか」
「やった！母ちゃんありがとう！」
「どっかでお昼ご飯を食べて、自転車の練習しながら帰ろ」
「うん！」

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