※小雅視点
いつも母ちゃんから「お店の中で走っちゃいけないよ」って言われてる。でも今、私ほとんど走っている。母ちゃんに手をひかれて。
母ちゃんは走っていない。すたすたって歩いている。珍々軒やシャン子ちゃんのママのお店に行く時みたいに、すたすたって歩いている。
「母ちゃん母ちゃん、速いよぅ」
「あ!ごめんごめん、普通に歩いちゃってた」
立ち止まってから、せーので母ちゃんと歩く。てくてく歩く。母ちゃん、本当は歩くの速いんだ。いつも、小雅に合わせて歩いてくれてたんだ。
母ちゃんは、にこにこしている。これから自転車屋さんに行くんだって。あの自転車に、ちょっとだけ乗せてもらえるのかな。
「いらっしゃいませー」
近所のスーパーの自転車売場より、広い広い自転車屋さんに着いた。お店の人もおじさん一人じゃなくて、お兄さんとお姉さんが何人かいる。
そう言えば、シャン子ちゃんのお家には「かよい」のお兄さんお姉さんが四人いるんだって。ここのお店の人みたいに、楽しそうに働いているのかな。
母ちゃんが、お店のお姉さんに話しかけた。
「すみません、予約していた者ですが」
「お待ちしてましたよ!小雅ちゃんの自転車ですよね!」
「えっ?小雅の自転車?母ちゃん?」
「そうだよ小雅、シャン子ちゃんとお揃いの自転車、母ちゃんが買ってあげる」
「でも母ちゃん!小雅もう大きいから…」
お姉さんがお店の奥に、両手をぶんぶん振っている。そうすると、二人の背の高いお兄さんが、自転車を一台ずつ抱えて出てきた。
同じ自転車が二つ?ううん、ちょっぴり大きさが違う気がする。でもよく分からなくて、黒い眼鏡のお兄さんのお顔を見上げてみた。
※小雅視点
黒い眼鏡のお兄さんも、じいっと私を見ていた。すごく背が高いなって思っていたら、お兄さんが急にしゃがんで私の手を取った。
「どっちのサイズがいいか、乗ってみようか」
お兄さんの手を借りて、自転車に乗ってみる。補助輪が付いているけれど、もう一人のお兄さんが、後ろを支えてくれている。
母ちゃんとお姉さんは、並んでにこにこして見守ってくれている。何だかとっても嬉しくて、とっても楽しくなってきた。
二台の自転車は、やっぱり大きさが違うんだって。座るところの高さを変えたりしてみて、私には大きい方がいいねっていう話になった。でも…。
「じゃあ、これにします」
母ちゃんが、ピカピカのバッグから財布を取り出そうとした。
「母ちゃん!やっぱり小雅、すぐに乗れなくなっちゃうよ…」
「大丈夫よ。小雅が大きくなって乗れなくなったら、大きい自転車を買ってあげる」
「…いいの?本当にいいの?」
「この自転車、欲しかったんでしょ?」
「うん!ありがとう母ちゃん!」
母ちゃんに抱きついたら、母ちゃんもぎゅって抱きしめてくれた。
母ちゃんの横で、お姉さんがパチパチって拍手をしてくれた。
後半さくっと(でもやっぱり長い)いきました
すみませんでした本当に…
>>558
ぜんぜんながくないよー、うざくないよー今日もたのしかったです
お父さんやっぱいないんだ シュン
そんなことないですよー
何度も読み返しちゃってます
自転車買えて本当によかった!涙
お疲れ様です!
自転車屋さんのお兄さんお姉さんw
自転車屋さんの若いお姉さんとお兄さん達www
楽しかったありがとう!
続きありがとう!
小雅ママと小雅が幸せそうで嬉しい